autoc-one.jp 記事・レポート 特集 特別企画 社長に訊く -三菱自動車工業株式会社 取締役社長 益子 修- page01

国沢光宏
Q
モータースポーツについてはどうお考えですか?アジアンラリーやパイクスピークの話が出てくるのは少し意外でした。
益子社長
EVやPHEVを使う新しいモータースポーツならチャレンジしていきたい。アジアンラリーもその一環です。増岡君(※1)はパジェロの電気モノのプロトタイプで走りたいと言ってるから、それもいいな、と考えています。
国沢光宏
Q
確かにモータースポーツも時代は変わり始めています。新しいトライが必要かもしれません。
益子社長
以前モータースポーツから撤退したときは、従来の「パジェロ」や「ランサーエボリューション」による出場は、市販車へのフィードバックと言う意味で役割を果たしたと考えました。しかもヨーロッパのモータースポーツ部門に年間数十億円も使っていたので、三菱自動車本体が厳しい時にそんなトコロにお金を出していたら社会的に許されない、という事情もありました。でもEVは別。EVでF1をやるなら出るぞ!とまで思いますよ。
国沢光宏
Q
益子さんが考えるクルマの理想の姿をお聞きしたいです。
益子社長
私どもの会社ではSUV、4WDに長い年月取り組んで得意としてきました。走ることへのこだわりは捨ててはいけないと思ってます。走り、丈夫というところは大事にしたい。ただ、環境問題が厳しくなってくると、都市部などでニーズと合わなくなってきた。環境へ配慮しなければいけないが、かといって今までの得意分野を捨てるのも、もったいない。だから電気技術を積極的に使い、環境とクルマの魅力を融合させたものが出来たらいいな、と思ってます。まずはPHEV技術をアウトランダー以外の車種にも展開していきたいですね。  
国沢光宏
Q
確かにアウトランダーPHEVは毎日の足としても、週末の相棒としても魅力的です。
その魅力をきちんと世の中に伝えられていますか?
益子社長
販売戦略について言えば私たちも反省すべきだと考えています。PHEVは「素晴らしい技術」という社内の意識が強く、自己満足している傾向があります。お客様も良さを解って頂けていると思っている。だから十分にPHEVの楽しさを伝え切れていない。燃費だけでなく、加速や走りの良さも伝えていきたい。努力が必要だと考えます。  
国沢光宏
Q
若い世代にはどうやってクルマを売ろうとしていますでしょうか?
益子社長
子供達の数が減っています。加えてクルマを買おうという強い意識も減っています。40年前はクルマを持てなかった。だから私たちの世代は家族で買おうという”熱意”がありました。希望を捨てないのは、地方部を中心にニーズがあること。自動車メーカーとして「クルマの楽しさ」を積極的に伝えようと思っています。  
国沢光宏
Q
お話を聞いていると、ここからやっと益子さんがやりたいことが出来るような気がしてきました。
益子社長
利益水準も上がってきたので、いろんなことが出来る状況になります。弊社は優先株(※2)の処理と復配(※3)が大きな課題でした。2014年6月に復配が出来れば、普通の健全な会社になるし、やりたいことが出来る。配当が無ければ株主から怒られますからね。頑張りますので応援してください。  
国沢光宏
Q
最後の質問です。ご趣味を教えてください。
益子社長
ゴルフはインドネシア駐在時代には70台後半で回ったこともある。強かったですよ~。今は90くらいですが‥‥。日帰り温泉も好きですね。そうそう。ミニチュアダックスが可愛い! 毎日一緒に寝てるほどです。帰ったときに喜んでくれるのが嬉しい。リーマンショックで叩かれて帰ってきても犬は喜んでくれましたから(笑)。世界遺産巡りもしたい。マチュピチュとかにも行きたいですね!  
※1 増岡浩=日本を代表するラリー・ドライバー。現在は同社商品戦略本部上級エキスパート。
※2 優先株=普通株に比べて一定の優先権を持つ株式。
※3 復配=株主への配当金を復活させること。

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三菱自動車工業株式会社 取締役社長 益子 修
1972年 3月 早稲田大学 政治経済学部 卒業
1972年 4月 三菱商事株式会社 入社 自動車車輌部 配属
1974年 6月 自動車部
1975年 9月 ソウル支店
1978年 12月 自動車部
1988年 4月 自動車第二部 輸出第一チームリーダー
1990年 4月 自動車第一部 韓国チームリーダー
1991年 4月 自動車第三部 インドネシアチームリーダー
1995年 10月 自動車第五部 部長代行
1997年 4月 自動車第四部 部長代行
1997年 6月 インドネシアKTB社 チーフアドバイザー
2002年 4月 自動車第一ユニット ユニットマネージャー
2003年 4月 執行役員 自動車事業本部長
2004年 6月 三菱自動車工業株式会社 代表取締役 常務取締役 海外事業統括
2005年 1月 三菱自動車工業株式会社 代表取締役 取締役社長 兼海外事業統括 兼アセアン本部長
2005年 4月 代表取締役 取締役社長 企業倫理担当役員
2007年 10月 代表取締役 取締役社長

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