スズキ・スペーシア
ダイハツ・タントの一人勝ちから、ホンダのN BOXの参入により二強状態になった軽ハイトワゴン(背の高いワゴン)市場に、待ったをかけるべく登場したのがスペーシアだ。前身のパレットからさらに進化し、スペーシアではワゴンRで磨いた「スズキグリーンテクノロジー」や大幅な軽量化により達成したクラスナンバー1の好燃費という武器を持ってきた。13km/h以下でエンジンが止まるアイドリングストップや、減速エネルギーをリチウムイオンバッテリーに溜めて電装品を動かす「エネチャージ」の恩恵で、カタログ燃費は29.0km/l(JC08モード)を記録。現在はムーヴも同レベルへと燃費を伸ばしたが、他のライバルであるタントやN BOXを大きく引き離している。居住性や使い勝手の面も、後発なだけによく考えられており、左右分割でスライドするリアシートの背もたれを倒して格納すれば、ラゲッジには27インチ級の自転車も積載できるほど広大なスペースを確保。好燃費のNAエンジン搭載モデルは52psの出力を誇り、加速性能でも不満は少ない。もっとパワーが欲しいなら、ターボが用意されている「スペーシア・カスタム」という選択肢もある。広々とした居住空間はまさに家族向けである。