MOTAトップ ニュース/記事 特集 PR企画 BMW 5シリーズ - メルセデス・ベンツ Eクラス 比較 03

POINT of VIEW Text: 西川 淳  Photo: BMW Japan / Mercedes-Benz

違いは明確。特筆すべき点は、Eは高速安定性、5は運動性能だ。

 よくライバル比較されるBMWとメルセデスだが、こと走りに関してはその方向性がまるで違うと言っていい。中核モデルというべき、このクラス(いわゆる欧州Eセグメント)だからこそ、その目指す方向性の違いが顕著に現れていた。

 新型Eクラスが目指したのは、安全性の向上とロングドライブの安楽さ、そして燃費向上の3点だ。数々の安全技術には見るべきものも多く、さすがに最新モデルだけのことはある。また、パワートレインの環境性能(直噴技術や過給器、7速ATなど)においては、新しいぶんだけ一日の長がある。

 特筆すべきは、超安定志向の高速性能だ。これはメルセデスの得意分野だけに、さらに磨きが掛けられた。加えて、空力性能の良さが光る。高速時は、まるで風に吸い込まれるような静かさを提供してくれた。

 Cクラスと同じ設計の足回りであるにも関わらず、しっとりとしなやかな動きをみせることも印象に残った。以前のような、心急がないまったり感こそなくなったが、代わりにかっちりとモダンなライドフィールを手に入れている。

 一方、5シリーズで楽しいのは、何と言ってもエンジンとハンドリングである。新型Eクラスと性能的にはほぼ同じエンジンラインナップを揃えているが、排気量の小さいものから大きいものまで、共通して“回っているあいだのエンジン”が気持ちいい。機械的な精密さが手に取るように感じられるエンジンフィールは、BMWエンジンの真骨頂である。

 そして、日常性豊かなサルーン&ワゴンであるにも関わらず、手応えのいい正確無比なハンドリングと言ったら! スポーティといっても、ダイレクトさばかりを強調したものでは決してなく、あくまでも適度なレスポンスと自然な手応えを身上とした、とても質のいいシャシー性能。これもBMWでしか味わえないもの。もちろん、街乗りから高速道路まで、安定感ある走りを満喫できる。

 ダイナミックな性能を安全に提供してくれる様々な電子制御技術も凝っている。決して機械がでしゃばらない、それでいて信頼できる気分のいい走り。それがドライバーズカー5シリーズならではの魅力だ。