エルグランドが搭載する直列4気筒の2.5リッターエンジンは、実用回転域の駆動力が高い。LLサイズのミニバンでありながら、登坂路でも動力性能の不足を感じない。4000回転を超えた領域の吹き上がりも活発で、追い越しも余裕を持って行える。
そして最も注目されるのが走行安定性だろう。背の高いLLサイズのミニバンとしては、操舵感を自然に仕上げた。ハンドルを切り込んだ時に反応の鈍さを感じさせず、舵角に応じて回り込む。また後輪は搭載されるマルチリンク式リアサスペンションがしっかりと踏ん張り、挙動の変化が穏やかに進むから安心感が高い。
この運転感覚は、同乗者の快適な乗り心地にも結び付く。カーブに入る時など、ボディがフラッと唐突に傾くことがないから、クルマ酔いも誘いにくい。
アルファード&ヴェルファイアの直列4気筒2.5リッターエンジンは、駆動力を直線的に上昇させて扱いやすい。動力性能はミニバンの平均水準だが、登坂路で力不足を感じることはないだろう。
現行型はリアサスペンションを従来のトーションビームによる車軸式から、ダブルウイッシュボーンの独立式へグレードアップさせた。高重心のミニバンとあって操舵感は少し鈍いが、後輪の接地性が高いために走行安定性は乱されにくい。