幕張メッセで開催中の東京オートサロン2018のダイハツブースには、昭和世代には懐かしいある、クルマが展示されていて話題を呼んでいる。そのクルマはシャレード デ トマソ ターボだ。
1977年に1リッターコンパクトカーとして登場した初代シャレードをベースに、イタリアの自動車メーカー「デ トマソ」とのコラボモデル「シャレード デ トマソ ターボ」が参考出品されたのは、1981年の第24回東京モーターショーのことだった。
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デ トマソといえば、当時のクルマ好きの多くが憧れたデ トマソ パンテーラを生み出したスーパーカーメーカーとして知られていたため、パンテーラを彷彿とさせる赤と黒の2トーンカラーを纏い、デ トマソのロゴがボディサイドに踊るシャレード デ トマソ ターボは、老若クルマ好きを興奮させた。だがこのモデルは結局市販されずに終わってしまう。
その後シャレードは1983年にボクシーなスタイルを持つ2代目にフルモデルチェンジ。そして翌1984年、ようやくデ トマソ ターボが発売されることになった。
シャレード デ トマソが搭載する80馬力を発生する993cc 直3ターボエンジンの性能はノーマルのシャレードターボと同等だったが、エクステリアではボディの各所を飾るスポイラーがスポーツモデルらしさを高らかに謳い、こちらもイタリアンブランドとなるカンパニョーロのマグネシウムホイールが金色に塗られて足元を引き締めた。インテリアも赤色を随所に配置、momo製ステアリングホイールやスポーツシートが奢られ、まるでイタリアのホットハッチのようなイメージを漂わせていた。
そしてシャレード デ トマソの登場から34年の時が過ぎた東京オートサロン2018。
シャレード デ トマソと並べて展示されていたのが、赤×黒のボディに金色のホイールを履いたブーン スポルト パッケージである。まさにシャレード デ トマソを現代に再現したモデルだ。ダイハツのホットハッチに流れる歴史を感じさせる。
会場では多くの来場者が足を止めて、食い入るようにシャレード デ トマソを見ていた。その多くが40代、50代の「リアルにシャレード デ トマソを知る世代」だった。
過去のクルマを展示するということは過去を単に懐かしむという意味ではなく、改めてクルマへの興味を増やす方法としても有効ではないかと感じた。過去の伝統を活かしたダイハツの今後の商品展開を期待しよう。
[Text:遠藤イヅル/Photo:島村栄二・和田清志]
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