Gクラスとディフェンダーに向けて専用設計されたホイール「DELTA FORCE OVAL」の20インチモデルが登場/DELTA FORCE(デルタフォース)Vol.3
本格オフローダーに向けた車種専用設計の20インチモデル
世界で巻き起こるSUVムーブメント。自動車メーカーでSUVをラインアップしていないところはないくらい、その勢いはとどまることを知りません。それを表すように、3列7人乗りから、プレミアムブランドによるゴージャスな4シーター車まで、多彩なパッケージがラインアップされています。
とはいえ、SUVの真骨頂はオフロード性能です。そのなかにあって、屈指の悪路走破性に加え、街乗りしてもオシャレなSUVといえば、メルセデス・ベンツ Gクラスとランドローバー ディフェンダーでしょう。
そんな2車種に向け、SUVカスタムシーンをリードするホイール「DELTA FORCE OVAL(デルタフォース・オーバル)」に、専用サイズがリリースされました。
”ミリタリーをオシャレに!”をコンセプトに誕生したこのホイールは、オーソドックスながらトレンドのデザインを巧みに取り込んだスタイリングを持ち、SUVユーザーから高い支持を集めてきました。
そして今回ご紹介する専用サイズは、DELTA FORCE OVAL初となる20インチモデル。車種専用設計によって最上級SUVのGクラス&ディフェンダーに相応しいスペックに仕上がっています。
当記事では、そんなDELTA FORCE OVALの特徴や、車種専用設計を行う理由、オフロード性能の高さ、20インチのために新たに取り入れたフローフォーミング製法についてご紹介していきましょう。
デザインで愛されるロングセラーホイールDELTA FORCE OVAL
DELTA FORCE OVALが誕生したのは2017年。当時はまだアウトドアブームが起こる前で、オーバーランド(砂漠や森などの悪路を走破しながら、長距離移動する旅のスタイルのこと)という言葉も日本には入ってきていない状況でした。今では純正ボディカラーにも採用されるベージュやカーキなどのアースカラーですが、当時はまだ登場もしていません。そんななか、これからの時代を見据えて、アウトドア系、それもオシャレなミリタリー系をコンセプトに誕生したのがDELTA FORCE OVALです。
オーバルという名称の由来は、ディスクに開けられた12コの楕円の穴。これにより、細いスポークが放射状に伸びたフィンデザインと、中心部分がお皿のような形をしたディッシュデザインを融合したような12本スポークが生まれます。
リムのフランジ(ホイールのタイヤと接合する部分)よりも高い位置まで上げた外周から大胆に落ち込むディスクを合わせることで、見る角度により表情を変えるデザインを採用しているのが特徴です。
ディクスにはシンプルなデザインをベースとしながら、ピアスボルトを外周に配したビードロック風(※1)のリム形状や、大胆なコンケイブディスク(※2)といった新しい要素を備えることで、ワイルドだけどオシャレなミリタリーテイストを演出。どんなクルマとも相性がいいのもポイントです。
(※1)ビードロック:ハードなオフロード走行でもタイヤのビードを落ちにくくする機構のこと。オフロードレースの競技車両が取り付けるパーツですが、近年ではその外観を模して、切削とボルトをリムのアクセントとして取り入れる「ビードロック風」がトレンドとなっています
(※2)コンケイブディスク:「くぼみ」を意味するホイールのディスク面におけるデザイン。リムエンドからホイール中心部に向かうにつれてくぼんだ構造を持つディスクのこと
オールテレーンタイヤを想定し、ブレーキキャリパーと干渉を防ぎつつ、最大限のコンケイブを実現するための車種専用設計
SUVやオフロード車に装着されることの多いオールテレーンタイヤは、タイヤの溝がより深く、大きなブロックが特徴です。DELTA FORCE OVALのデザインにおいては、そんなオールテレーンタイヤとのバランスが追求されています。
それが最も現れているのが、リムのフランジよりディスク外周が突出している部分。リムのフランジよりもボディ側にディスクを収めるのが一般的ですが、オールテレーンタイヤとの組み合わせを想定し、フランジよりもディスクを突出させ、タイヤの膨らみに近づけることで、オールテレーンタイヤとの視覚バランスを整えているのです。
そして気になるのは車検対応でしょう。もちろん、DELTA FORCE OVALは車検での基準(※)を満たしています。さらに、タイヤのはみ出しに厳しいディーラーへも入庫できるように、ボディからタイヤがはみ出さないようなホイールサイズに仕上げているのも特筆すべきところ。
車種ごとに大きさの違うブレーキキャリパーと干渉せず、オールテレーンタイヤを含めて純正フェンダーから突出しないサイズで、最大のコンケイブを手に入れるという命題に対して行き着いたのが、車種専用設計という考え方でした。
DELTA FORCE OVALのディスク形状は、ひとつひとつの要件を詰めていった末にできたカタチなのです。
(※)所定範囲の突出が10mm未満であれば、車検では許容されます。ただし、ホイールやナットなどの部分はフェンダー内に収まっていなければなりません
ラリーで培ったノウハウをもとに、高いオフロード性能を備えた質実剛健なホイール
DELTA FORCE OVALが新たに専用サイズを用意したGクラスとディフェンダーは、どちらも軍隊で採用されてきた歴史があるリアルなミリタリー車。
Gクラスのルーツは、1979年に登場しNATO軍に正式採用された軍用車両です。
ディフェンダーはさらに歴史が古く、1948年に誕生しています。世界の軍用車に採用され、なかでも英国の特殊部隊SASに採用された通称「ピンクパンサー」は有名です。
どちらの車種も、いかなる悪路でも乗り越えられる屈強で壊れないクルマとして、長年世界のオフロード車の頂点に立ち続けてきました。
そんな本格オフローダーの2車種に対してもDELTA FORCE OVALは最適です。
悪路でのタイムアタックなどが行われるオフロード競技のJCCR(ジャパン・クロスカントリーラリー)に参戦し、林道やSS区間で優勝を飾った「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」のトヨタFJクルーザーにもDELTA FORCE OVALは装着されています。そのレースで培ったノウハウのもと、製品をブラッシュアップしてきました。
ゴツゴツとした路面からの衝撃をバランス良く受け流す「応力分散」とともに、ホイール全体の軽量化を考えた形状へと進化を遂げ、高いオフロード性能を獲得。スタイリッシュなビジュアルながら、その素性はいたって質実剛健なのです。
Gクラスとディフェンダーに向けた20インチモデルにはフローフォーミング製法を採用!
Gクラスとディフェンダーに向けて用意したのは、DELTA FORCE OVALでは初となる20インチモデル。大きく重いボディに対し、さらなる軽さと剛性を手に入れるべく「フローフォーミング製法」を採用しています。
フローフォーミング製法とは、鋳造して成型したホイールのインナーリムに対し、スピニングマシンで圧力を加えながら成型することで、金属組織を密にして強度を向上。強いからこそ薄くでき、軽量化につながるのです。この製法によって、悪路を走るGクラスとディフェンダーに最適な、軽さと剛性のバランスを追求した仕上げになっています。
さらに今回の20インチモデルではアウターリムの内側を削っているのもポイント。
リムの内周部分を全周に渡って約2mmくり抜く「アンダーカット」により、陰影がハッキリとしてシャープな印象となり、さらなる軽量化を図っています。
既存のサイズと見た目は同じに見えるかもしれませんが、Gクラスとディフェンダーに向けた専用設計ならではの仕様が工夫が随所に盛り込まれています。
DELTA FORCE OVALを装着し、Gクラスとディフェンダーをスタイリッシュなミリタリー系に変身
リム径とリム幅のサイズは20×9Jで、Gクラス用が「+25」、ディフェンダー用が「+35」というインセット(※)になっています。どちらもホイール中央にあるセンターキャップは純正対応となっているため、純正感を損なわずに足元をブラッシュアップできます。
(※)リム幅の中心線から取り付け面までの距離
カラーリングは、新色のサテンブラックのみの設定。マットよりも若干の光沢を持たせており、マットの荒々しさに比べて、半艶のサテンブラックが足元に高級感をプラスしてくれます。
コンケイブしたディスクと、ボルトやくぼみを持たせたビードロック風のリムが、光の加減や見る角度で違った風合いに見えるのも魅力です。派手過ぎることなく、オールテレーンタイヤに負けない存在感を手に入れられます。
車種専用設計だからこそ、装着するだけでスタイリッシュなミリタリー系へと変身する「DELTA FORCE OVAL」。フローフォーミング製法やサテンブラックといった、20インチモデルのみに与えられたスペックからは、Gクラスやディフェンダーへのリスペクトがうかがえます。
Gクラス&ディフェンダーのホイール選びに迷っている方は、この2車種専用で仕上げたスペシャルなDELTA FORCE OVALがオススメです。
車種 | リム径×リム幅 | ボルト穴 | P.C.D. | ハブ径 | インセット |
---|---|---|---|---|---|
Gクラス | 20x9.0J | 5 | 130 | φ84.1 | +25 |
ディフェンダー | 20x9.0J | 5 | 120 | φ72.6 | +35 |
- 筆者 岡本 晃
- 元自動車雑誌編集者/編集長。現在は「オフィス・アヘッド」という屋号で、ライター/編集者として活躍している。自動車雑誌、カスタム系雑誌への寄稿が多く、関西エリアを拠点に活動中。ジャンルを問わず、面白いモノ・コトを掘り起こして執筆することに力を注いでいる。
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Brand Info - DELTA FORCE(デルタフォース)
オンロード/オフロードの使用を問わないデザイン性と、高い機能性を両立させた兵庫県のホイールメーカー株式会社FORCE。「DELTA FORCE(デルタフォース)」ブランドは、伝統的なオフロードスタイル×ミリタリーテイストでアーバンタフネスを表現。装着車両を絞り込む車種専用設計にする事で、リム深度を緻密に計算し、 ホリの深い立体的なコンケイブ形状を実現しています。