イタリアの名車「フィアット 600 ムルティプラ」風! キャルルックでかわいいエブリイ「PLAT MURUTI 660」/オートスピリット【Vol.1】
オートスピリットのヴィンテージバンシリーズに新モデルが登場!
VW ビートル(タイプ1)やワーゲンバス(タイプ2)などをカスタムした「キャルルック」をご存じでしょうか?
アメリカ西海岸で流行ったカスタムで「California looker(カリフォルニア・ルッカー)」のことを、略して「キャルルック」と呼びます。
キャルルックのカスタム手法は、原色系の鮮やかなボディカラーと白の2トーンで塗り分けしたスタイルにメッキのホイールなどを施すのが定番です。
そんなキャルルックのスズキ エブリイなどの軽バンや、スズキ キャリイトラックなどの軽トラへカスタムを施すことを得意としているのが、三重県の四日市にあるカスタムショップ「オートスピリット」。
軽バンや軽トラに対して、目を引く華やかなカラーとホワイトやベージュを合わせたツートンスタイルの内外装へと、フルカスタムしているヴィンテージバンシリーズをラインアップしています。
今回はそんなオートスピリットのヴィンテージバンシリーズ新モデル「PLAT MURUTI 660(プラット ムルティ 660)」をご紹介していきます。
オリジナルのレトロでかわいいキャルルックカーを製作できる「オートスピリット」
まずは「PLAT MURUTI 660」の前に、オートスピリットについてご紹介します。
オートスピリットが販売するカスタムカーは、外装から内装まで全て同店がプロデュース。
移動販売車や軽キャンピングカーの製作を得意とする同店では、ワーゲンバス仕様などのキャルルックカーに対して、ベッドキットや収納などを備えるキャンピングカーの製作も可能。オリジナルのキャルルックカーを製作することができます。
かつては、古いアメ車や日産のパイクカー「パオ」や「フィガロ」などもカスタム&レストアして販売していたオートスピリット。しかし、年数の経った旧車は新しいクルマに比べて故障も多く、修理費も掛かるため、維持するだけでも大変。
そこで同店では、クルマに詳しくないユーザーにも、旧車ような愛らしいルックスで壊れないクルマに安心して乗ってほしいと考えました。
そして「壊れない旧車を!」をコンセプトに、高年式の軽バンをベースとしてカスタムをするヴィンテージバンシリーズを開発。さまざまなラインアップを展開しています。
そしてその最新モデルが、今回ご紹介する「PLAT MURUTI 660」です。
「ムルティプラ」を世界で唯一モチーフにカスタムした「PLAT MURUTI 660」
次に「PLAT MURUTI 660」のモチーフとなった「フィアット 600 ムルティプラ」について説明します。
1956年にブリュッセルモーターショーで公開されたイタリアの名車「フィアット 600 ムルティプラ」。MINIやVWバス、VWビートルなどとは違い、日本ではほとんど見掛けず馴染みが無いため、その発想元となった車名を聞いても正直ピンとこない方も多いのではないでしょうか。
ムルティプラは「どちらがが前か後ろかわからない」ルックスが特徴的です。また最近では、お笑い芸人の千原ジュニアさんが衝動買いしたことでも話題になりました。
そのムルティプラをオマージュしたのが「PLAT MURUTI 660」なのです。
オートスピリットによると、ムルティプラがモチーフのカスタムパーツは、現時点では同店以外には世界中のどこを探しても出ていないようです。
「PLAT MURUTI 660」は4年前の開発段階から、SNSなどの情報をキャッチして、シンガポールやドバイなどの海外からも問い合わせがあったとのこと。それくらい、ムルティプラにはコアなファンが多いのです。
「多目的」を意味する「フィアット 600 ムルティプラ」をスズキ エブリイで再現
それではオートスピリットは、ムルティプラをどのようにエブリイで再現していったのでしょうか。
「ムルティプラ」とはイタリア語で「多目的」を意味し、コンパクトなボディを商用車、タクシーなど様々な用途に使えるようにしたワンボックス型ワゴンのこと。そのため、ボディサイズ的にもスズキ エブリイにちょうどよくハマります。
今回そんなムルティプラの姿をエブリイ(DA17)で表現するにあたり、3Dスキャンなどを用いながら、エブリイに落とし込みました。
リアゲートの給油口や垂れ下がったリア窓の形状、ボディ各部に微妙なプレスラインを入れてムルティプラのデザインを表現するなど、細部まで徹底的にこだわっています。また、ボンネットやサイドの窓部分にはイタリア国旗のオーナメントステッカーも貼られ、イタリア車のような雰囲気が出ているのも特徴。
リアゲートパネルのエアダクトはダミーですが、これも元のムルティプラのイメージを色濃く残す忠実なディテールが再現されています。
しかも、ヘッドライトやウインカー、テールランプなどの灯火類もすべてオリジナル展開。細部までデザインにこだわっているだけあり、デモカーの完成度も高いです。
今までにないこのキュートなルックスに心を奪われる人も多いのも納得でしょう。
しっかりとエアが抜けるように刻まれているダクトも装備
次は機能面についてです。純正のエブリイはフロントグリルにラジエーターの冷却用ダクトがありますが、このMURUTI 660にはエブリイのようなグリルがありません。
冷却面が心配になりますが、バンパー下にクーリング用のアルミパネルを設定済み。フロントスポイラーの下から外気を導入して、ラジエーターを冷却するという仕組みです。
しかもMURUTI 660のグリルは装飾ではなく、エアが抜けるようになっています。フロントからのエアを取り込み、下からのエア流入では負圧で下からのエア流入も加わることで、水温が上がらない対策もされています。
「旧車ルックで機能は最新」の良いとこ取りのクルマ
今回ご紹介をした「PLAT MURUTI 660」。本物のムルティプラであれば、純正パーツの入手も難しく、日常使いをするのも気が引けてしまうでしょう。しかし、年式のあたらしいエブリイがベースの「PLAT MURUTI 660」であれば、毎日だって乗ることができます。
また、4WDが選択できることや、パワースライドドア、ターボ、レーダーブレーキ、フラつき防止などの最新システムが搭載されているモデルというのも魅力です。見た目は旧車の愛らしいルックスですが、その機能部品は最新というまさに良いとこ取りした一台です。
クラシカルでキュートであるため、四日市内でも店頭に置いてある姿を目ざとく見つけたユーザーが早くもオーダーを掛けているようで、こちらもバックオーダーがドンドンと溜まっているとのこと。
デリバリーが開始されるのは早くても2022年の年末からとのことですが、男女、年齢を問わず大人気なため、興味のある方は早くアクション起こすのがオススメです。
>>「PLAT MURUTI 660」の詳細はこちら【公式】
今回のデモカーは内張りや、天井を始め内装もフルにカスタムされていますが、よりユーザーの要望にあわせたカスタムを施すことも可能です。
室内をキャンピングカー仕様にカスタムしたり、キッチンカーとしてもカスタムできます。詳しくはオフィシャルサイトをぜひチェックして見てください!
- 筆者 木村隆之
- 自動車カスタム誌編集長を経てフリーランスへ。多くのドレスアップカーやカスタムシーン、アフターパーツを取材し、ウェブ・雑誌媒体に寄稿。アウトドアやキャンプ好きで、自ら改造した軽バンでキャンプに出掛けることも。
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Brand Info - オートスピリット
オートスピリットとは?
オートスピリットは、新車・中古車販売や買取、各パーツ販売・取付、ヴィンテージバンのカスタマイズを行うショップ。クラシックカーや旧車を軽自動車で再現した現代版クラシックカーを作ることができます。ワーゲンバス仕様やフレンチバス仕様など、レトロでかわいいオリジナルのキャルルックカーを製作しています。工場併設のため、アフターサポートも充実。
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