ますますベルランゴとリフターに乗りたくなる。圧倒的な音質改善を実現する専用オーディオ「プラチナボイス」/ビーウィズ【Vol.2】
プジョー・リフターとシトロエン・ベルランゴのためだけに専用開発したスピーカー
クルマで出かける時に、大切にしたいものはなんだろう? クルマ好きなら運転する楽しさかもしれないし、家族がいるなら安全性と答える人もいるかもしれない。もちろん楽しくて安全なクルマもいいが、私自身は、ひとりで乗っても、誰かと乗っても、心地よく感じられる空間を一番大切にしたいと思っている。
そこで重要になるのが、音楽。誰かとドライブする時や、ひとりで物思いに耽りたい時にも、素敵な音楽があるだけで、さらにその時間は特別になる。その音楽のあるひとときを、より上質なものにするために、「カーオーディオをアップグレードするのもいいな」と考えている方も多いはず。
今回、日本の高級カーオーディオブランドである「BEWITH(ビーウィズ)」が、プジョー・リフター/シトロエン・ベルランゴ専用のスピーカーキットとDSPプロセシングアンプを発売した。リフターとベルランゴは、ルノー・カングーと肩を並べるMPVで、本国のフランスでは、いわゆる庶民的なファミリーカーとして親しまれている。日本でも、徐々に新しいファミリーカーとして認知され、人気もぐんぐん上がってきているようだ。
しかし、BEWITHといえば、パガーニにオプション装着されるなど、世界にも認められるハイエンドなカーオーディオブランドだ。それが、このクラスのMPVに専用設計のスピーカーキットを作るとは……一体どんな経緯があったのだろう?
物理的に制約の多いトレードインスピーカー
今回、お話を伺ったのは、BEWITHの中島敏晴社長。早速リフター/ベルランゴのスピーカーキットとDSPを見せてくれた。
まずは、スピーカーのサイズ感を見て、その小ささと薄さに驚く。
「私たちの製品の中でも、もっとも薄型なスピーカーになりました」と中島社長。これは、専用開発するにあたり、あえてコンパクトにしたわけではなく、そもそもリフターとベルランゴの純正スピーカーのスペースがとにかく狭かったからだという。純正デザインを崩さず、元々の場所に自社製品を取り付けなければならない。そうなると、必然的に小型化しなければならず、開発には苦労に苦労を重ねたという。
そもそも、なぜこういったMPVに専用のスピーカーキットを作ったのだろう?
「我々の商品は、こだわりを持ったお客さまに手に取っていただくことが多く、その方々は、魅力的なクルマに乗られていることが多いんです。そのなかでも、リフターとベルランゴは、おそらく『普通のミニバンと差別化したい。より素敵なクルマに乗りたい』と考えている方が購入しているのだろうと感じました。つまり、これらのモデルを選ぶ方のなかには、きっとカーオーディオにもこだわりのある方がいるのではないかと感じたんです」
そう思い、中島社長は、実際にリフター/ベルランゴの純正オーディオを詳しく調べることにしたという。
「純正スピーカーは、大量生産するために様々な工夫が凝らされています。しかし先ほどお見せした通り、リフターとベルランゴは、スピーカーを設置するスペースが限られているので、純正オーディオで良い音を聴かせるには限界があります。そこで、我々の出番だなと思いました」
スピーカーは、端的に言えば、パワー(磁力)のあるユニットほど音を伝える力や音質は良くなる傾向にあるため、物理的な大きさの制限があるリフターとベルランゴの専用スピーカーキットの開発は大変だったという。
「私たちの誇るBEWITHの音をなかなか引き出すことができず、苦労しましたね。このサイズのスピーカーでも、できる限りの最高の音質をお客さまに届けようと、部品をより高品質なものにするなど、コストを惜しまず開発しました。正直、コストと利益は合っていないと思います(笑)」
純正スピーカーは全体が樹脂パーツで覆われていて、とても軽い。対してBEWITHのスピーカーは、アルミやマグネシウムが使われていて、ずっしりとしている。コーン部分も精巧な作りになっていて、ひと目見ただけでその違いが分かるほどだ。
そして、ユーザーとして嬉しいのが、このスピーカーキットとDSPは、オプションとしてディーラーで購入して装着できるということ。性能の高いオーディオは、ちょっと敷居が高く感じてしまうが、クルマと一緒にディーラーでオプションとして検討することができ、納車までにきちんと装着してもらえるなら安心だ。
BEWITHスピーカーで圧倒的な違いを体感
しかし、肝心の音はどのくらい変わっているのだろう?
「どなたが聴かれても分かると思いますよ」と中島社長。リフターの運転席に座って、オーディオをオンにすると、一瞬で美しい旋律に包まれた。
「BEWITHの製品のように精巧な音作りをするのは、非常に困難でした。ただ、ここまでスピーカーを薄型化した上で、このクオリティを担保できるのは私たちだけだろうなと自負しています」
音楽がまるで自分の目の前で奏でられているような臨場感に、うっとりと浸ってしまう。高い音は伸びやかに、低い音は曲の芯をしっかり支えるように響いてくる。とてもMPVのカーオーディオとは思えない……。
「一度聴いていただければ絶対に気に入っていただける自信があるのですが、なかなかその機会をお客さまに提供できていなくて……。そこで、これからは、ディーラーなどでも聴いていただけるように、BEWITHのトレードインスピーカーキットとDSPを装着した試聴車を作りたいと思っています。リフターやベルランゴを購入する際、カーオーディオに興味はあっても、オプション表を見ただけではどういうものか分からず、結局諦めてしまっている方もいると思いますので」
なるほど、確かに音楽は聴いて初めてその良さが分かるもの。実際にディーラーでこのスピーカーキットとDSPを体感できたら、オーディオが好きな方はもちろん、そうでない方もきっと気に入るだろうし、クルマの新しい価値を感じられるのではないかと思った。
「そして、このスピーカーキットやDSPを購入してくださった方に対して、将来的には我々の意図した音質が各車両で、実際に再現できているかどうかの確認ができたらと考えています。私たちもリフターやベルランゴのようなスピーカーキットを作るのは初めてなので、お客さまがどんな感想を持っているのか、好みの音や嫌いな音はどんなものなのか、その声を直接聴いてみたいんです。今はまだ全国どこでも対応できるような体制は整っていませんが、たとえば我々のフランチャイズのネットワークで対応したり、私たちが出張チューニングに赴いたりと、そういったことができないか考えています。もちろん、今でも木更津の本店へ来ていただければ対応しますので、『もうちょっとこんな音にして欲しい』という要望があれば、ご来店もご検討していただければと思います」
まさかここまで手厚く対応してもらえるなんて! と驚いてしまった。高品質なカーオーディオに興味はあっても、その価格と「もし買って失敗したらどうしよう」という不安があって、なかなか手を出せずにいたが、BEWITHのように購入後のアフターケアまで考えてくれているブランドなら安心だ。
「良い音をお客さまに届けるという理念でカーオーディオを作り続けてきました。その思いは、これからも変わりません。さらにリフターやベルランゴのようなモデルへ向けた新しい商品を通し、お客さまとのコミュニケーションを深め、これからはさらに良いかたちでカーオーディオを楽しんでいただけたらと考えています」
全国のプジョー&シトロエンディーラーで試聴してみよう
プジョーやシトロエンのディーラーで、試乗車にBEWITHのトレードインスピーカー「プラチナボイス」とDSPがついていたら、試乗だけでなく、オーディオも一緒に試してみて欲しい。きっと豊かな音の世界に一気に惚れ込んでしまうことだろう。もし試乗車にこのシステムが付いてなかったら、ディーラマンに「ぜひBEWITHを聞きたい!」と伝えてみよう。それだけの価値は間違いなくあるし、リフターやベルランゴがもっとお気に入りのクルマになるに違いない。
- 筆者 伊藤 梓
- グラフィックデザイナー時代にミニカーの商品を担当するようになってから、どっぷりと車に魅了されるように。「こんなに人を惹きつける車というものをもっとたくさんの方に知ってほしい」と、2014年に自動車雑誌の編集者へと転身。2018年に、活動の幅を広げるために独立した。これまでの経験を活かし、自動車関係のライターのほか、イラストレーターとしても活動中。
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ビーウィズとは?
2002年に創業した日本のカーオーディオ専門メーカー。一切の妥協を排して、ひたすらに最高のサウンドを追い求め、車載とは思えないスーパーHi-Fiを実現する。バックミラー一体型のメモリーオーディオMM-1Dを始め、マルチプロセッサー、アンプ、そして偏心コーンを用いたスピーカーなど、独自の技術でカーオーディオの新たなる世界を提供している。