コンケーブのホイールの第一人者として名高いマイアミ生まれのホイールブランド|VOSSEN(ヴォッセ)【Vol.1】
初めてホイールにコンケーブデザインを取り入れた「VOSSEN(ヴォッセ)」
近年、ホイールのトレンドとなっている「コンケーブ」。ディスク全体がセンターに向かって窪んでいく逆ゾリデザインのコンケーブは、ジャンルの垣根を越えて人気を集めている。
そのため多くのホイールブランドがコンケーブのモデルをラインナップしているが、そのほとんどが後追いといえる。自他ともに認めるコンケーブの第一人者は、アメリカのホイールブランド「VOSSEN(ヴォッセ)」だ。そしてヴォッセのホイールには、逆ゾリを美しく魅せるコンケーブへの強いこだわりが込められている。
コンケーブホイールを世界に知らしめたCV3
ヴォッセの創業は2006年。フロリダ州マイアミにて、Jav Azadi(ジャブ・アザディ)氏によって設立された。
その歩みは画期的な試みの連続だった。斬新なデザインのホイールを展開していく中で、2011年に世界に先駆けてコンケーブホイールをリリース。その後、コンケーブホイールの第三弾として発売した「CV3」が大ヒットを飛ばすこととなる。
人気の理由は明快。単純にカッコいいからだ。また、どんな車両にも、どんなスタイルにもマッチする広い適応力を備えていることも要因といえる。
というわけで、ここからはなぜヴォッセのホイールはカッコいいのか、幅広いスタイルに対応できるのかを掘り下げていこう。
アンダーカットで実際のインチよりも大振りなディスクを実現
CV3を見ると、実際のインチよりも大振りなディスクに仕上がっていることが分かる。それは、リムとスポークの結合部の裏側に空間を設けた「アンダーカット」を採用しているからだ。今となっては多くのホイールブランドが取り入れている手法だが、ヴォッセは技術的に難しいアンダーカットの実用化にいち早く成功していたのだ。
ひねりとコンケーブが融合したCVT
CV3に続き、再び世界を驚かせたヴォッセのホイールが「CVT」だ。CVTのTは、Twist(ひねり)を意味する。スポークを傾斜させる事によって、長くそして動きのあるデザインとなり車両に流れるシルエットを演出する。
実はこのひねり、一台分を揃えるのにはとても厄介な問題がある。右側のホイールは前進する際に時計回りで回転しており、左側のホイールは反時計回りで回転するため、進行方向にスポークをひねるには、反転させる必要があるのだ。昨今、目にすることが増えた”回転系”のホイールは、一様にどちらか一方向のみ。しかしこのCVTでは左右非対称の回転方向が設定されている。これぞデザインにこだわるヴォッセの真骨頂だ。
前後で深みが異なる2つのフェイスを装着可能だからBMWやメルセデスにハマる
ヴォッセのファッション性が高い理由はまだまだある。特にリアでいえることだが、コンケーブの窪みが深いのだ。
それを可能にしているのが、コンケーブの深みが異なる2つのフェイスだ。コンケーブは深いほどスタイリッシュに仕上がるが、ブレーキキャリパーが大きいフロント用のホイールでは窪みを抑える必要がある。その一方で、リアはブレーキキャリパーが小さいのでコンケーブを深くとることができる。そこでヴォッセは2つのフェイスを用意し、前後でコンケーブの深みを変えているのだ。
そのため、左右でトゥイストの向きが違うCVTなどは、4本が異なるディスクを採用していることになる。それほどまでに、ヴォッセはコンケーブを美しく魅せることにこだわっているのだ。
スピーディかつ細やかに対応できるオーダーシステムを確立
それらヴォッセのホイールは、「切削鍛造」のモデルと「ハイブリッドフォージド(フローフォーミング)」のモデルをラインナップしている。前者は鍛造したアルミの塊から文字通りホイールの形状を削り出す方法。そして後者は鋳造素材に圧力を掛けて伸ばしリムを形成することで鍛造並みの強度を実現する方法だ。この2つの製法によって製造されるので、前後または前後左右で異なるディスクを効率的に製造できるといえる。しかもヴォッセでは、独自の「オーダーホイール」プログラムを構築。スピーディかつ細やかに対応できるオーダーシステムを確立している。
次号では、その仕組みやメリットにクローズアップ。輸入車専門店によるヴォッセの評価もあわせて詳しく紹介しよう。
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Brand Info - VOSSEN
「VOSSEN(ヴォッセ)」は有限会社モンデラジャパンが日本正規販売元を務めるホイールブランド。2006年にフロリダ州マイアミにて、Jav Azadi(ジャブ・アザディ)によって設立された。初めて逆ゾリをホイールのデザインに取り入れたコンケーブの第一人者として、斬新な発想から生まれるコンケーブホイールをリリースしてきた。「ハイブリッド・フォージド」と名付けられた鋳造モデルと鍛造モデルを展開しており、インセットやカラーを自由に設定できる独自の「オーダーホイール」プログラムを構築。さまざまなオーダーにスピーディかつ細やかに対応する稀有なホイールブランドだ。