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パナソニック Strada CN-F1D

総括鼎談

「DYNABIG ディスプレイ」というまったく新しいコンセプトで従来のナビからブレークスルーを果たしたストラーダのF1D。
モータージャーナリストでグッドデザイン賞審査委員も務めた森口将之氏、そしてカーAV評論の第一人者である石田功氏にそれぞれの得意分野からみたF1Dの感想を語ってもらった。ファシリテーターはカーナビ伝道師/カーコメンテーターの高山正寛氏が務める。

カーナビデザインをブレークスルーさせた革新的モデルだ(森口)

高山正寛(以下:高山)お二人にはこの座談会の前にデモカー(プリウス)に装着されたF1Dを実際に体験してもらいました。
今回のF1Dは何よりも「DYNABIG ディスプレイ」が最大の訴求ポイントに感じますが、デザインの立場から見て、まず森口さんはどうような印象を持たれましたか?

森口将之(以下:森口)何も事前の情報がない中で初めて見たのですが「遂に、そしてやっと」という感じを持ちました。

高山:それは具体的にはどのようなことでしょうか。

森口:すでに家の中のテレビというものはかなり昔から薄型化していますよね。あれも見方によってはフローティングディスプレイなわけです。
一方でクルマの室内も最近では「部屋」というイメージも出てきています。それでは家庭の中に薄型テレビが入っていた“革新”はいつ訪れるのか? 誰がやってくれるのか? それをストラーダが今回具現化してくれたわけです。ひとつの改革と言えると思いますね。

高山:逆に今までのカーナビってどれも同じ?って感じは持たれていましたか?

森口:同じとは思っていませんけどね(笑)。
ただディスプレイを限られたスペースに無理やり入れようとしていた感覚はありますよね。例えですけど、昔の住宅だとブラウン管時代のテレビはどこへ設置するか、ってのは決まっていたわけですけど、今の液晶テレビはどこにでも設置できますよね。

高山:壁掛けにもできますからね。

森口:カーナビの場合はやはり無理に収めるという感覚がありましたから、そろそろその考えも変わってきていいのではないかと思っていたタイミングだったのでこれはブレークスルーしたなあ、と思いました。

高山:石田さんはどう感じられましたか?

石田功(以下:石田):昨今はタブレットを使ってカーナビ機能を使う人も増えています。装着している人をたまに見ると「おっ、いいじゃん(笑)」って思うこともあるのですが、どうしてもナビ機能自体に関しては専用機にはかなわない。でもF1Dの場合はタブレットが装着されているような感覚でもナビ機能は本物ですからね。

高山:方式は色々あると思いますが、このままじゃ終わらないな、と思っていたわけですね。

森口:最近のクルマのインテリアがどんどんスタイリッシュかつエレガントになってきている中、この部分の仕立てだけがカクカクしている(笑)。でもF1Dの場合は単にディスプレイをフローティングさせただけでなく、四隅をラウンドさせたデザインを採用しています。
この部分は見た目以上に深く、クルマのことをわかっているデザイナーが考えたな、と思いましたね。

高山:逆に欧州車のデザインから見るとナビの画面サイズなどはどういうトレンドですか?

森口:やはりインテリアのイメージを崩さないようにしていることもあり、画面サイズは小さいです。
日本はパソコンでもオーディオでも角張った作りが多いですよね。祖先まで遡ると住宅とかでも「石造りか木造か」みたいな部分があるように。

高山:なるほど。

森口:だからこそ、このF1Dのデザインはラウンドしたクルマにもマッチすると思うわけです。

しっかりとした低音、やはりブルーレイは凄かった(石田)

高山:AV機能に関してですが、やはりストラーダと言えばブルーレイディスクの再生でしょうか。

石田:もはや家庭でも5割前後がブルーレイですし、トレンドであることは間違いありません。

森口:画質の良さは自分でもわかるのですが、その他にもメリットというのはあるのですか?

石田:大容量の利点を活かして1枚のディスクに沢山の番組などを収録して車内で楽しめるのはやはり魅力かと

高山:DVDだと約2時間でもブルーレイだと約10時間50分、ドラマだと5本まとめて持ち歩けますね。

森口:デモカーに乗って感じたのが大画面なので後席からでも結構迫力ある映像が楽しめましたね

石田:無料のスマホアプリも用意されていて、後席からでも操作ができます。

高山:音質面はどうでしょうか。

石田:ここ、結構伝えたいのですが、実はかなり向上しています。具体的には低音が従来よりしっかり出ています

高山:ストラーダには「音の匠」というチューニングがありますよね。

石田:音の匠も長くやってきていますから、その中で気づいたものなども改善してきていると思います。あと、ストラーダの音作りはどの席でもしっかり聴けるのが魅力です。クルマの使い方としては正しい音のチューニング方法だと思います。

高山:AV機能のトレンドはどうでしょうか。

石田:昔との比較で言えば音楽系のディスクを持ち歩かなくなったことですね。

森口:スマホとかですか?

石田:スマホやUSBですね。大容量で価格も安いですし、あとは接続もBluetoothが増えています。

高山:メディアの対応力が多才ということですね。

石田:あとはやはり地デジですね。画質の美しさはブルーレイでもわかりますが、何よりも受信感度が高い。

高山:他にも昨今のトレンドとしてドライブレコーダーがありますが、これにも対応していますね。

石田:HUDなども設定されていますし、これまではこの手のユニットは単体で購入することも多かったのですが、F1Dの場合はこれをコアにしてシステムアップできる点が魅力だと思います。

森口:クルマのインテリアという観点からみてもバラバラ付けるのは美しくない(笑)。統合させたスマートさも求められます。その点でもF1Dの発想は今後も続いていくかな、と。
少し前まではスマホの勢いに押され気味だった感じも受けましたが今回、F1Dを見て一番感じたのは「カーナビの逆襲」と言える商品だと思いました。日本のものづくりの姿勢も感じ取れるプロダクトだと思います。

高山:それぞれ視点の異なるお二人から頂いた意見からも、F1Dは意欲的な商品だということがわかりました。また発表時に144だった装着可能車種は、今回の取材時にはすでに160を超えています
車種対応と一言で言うのは簡単ですが、実際はシフトレバーとの干渉や見栄えなどクリアしなければならない問題も多い。その中で短時間で装着可能車種を増やした姿勢にも好感が持てます。斬新かつ高性能ですが、ユーザーのことを考えて敷居が低く、間口も広い。
F1Dはカーインフォテインメントの世界に新しい風を吹かせてくれそうです。

  • TEXT:高山正寛
  • PHOTO:青木禎之