クルマを職業とする “一流の仕事人”。モータージャーナリスト、チーフエンジニア、チーフデザイナー・・・、一朝一夕では成り得ない、知識も経験も豊富な彼らこそ真の自動車プロフェッショナルといえます。学生たちが第一線で活躍するクルマのプロフェッショナルたちと直接逢い、会話することで視野を広め、若い彼らの感性がさらに磨かれることを期待するプログラム、それが「Meet the professional」です。
日下部保雄氏 プロフィール
国内外のラリー、レースで多くの優勝経験を持つ。大学卒業後にフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始。タイヤ、サスペンションの開発にも長い経歴を持ち、モータースポーツで培った技術と共にそれらの経験に基づいた試乗記を多くの媒体に寄稿。
クルマの利便性、楽しさを伝えると共に、安全でスムースなドライビングのためにドライビングスクールの開催、またインストラクターを行う。2006年よりAJAJ会長を務める。
プロドライバーに運転を評価して頂くという非日常を体験!
今回、プレス向けの試乗会に参加させて頂いたが、終始様々なことに圧倒させられてしまった。何もかもが日常では体験できない新鮮な出来事であり、とても非日常的な体験をさせて頂いた1日であった。
会場に到着し、VWのピエトロゾリーノさんにドイツで行われているモータージャーナリスト教育スクールの話を伺った。ドイツでも日本と同じように若者の車離れという問題が深刻化しているという。その原因の1つに挙げられるものがスマートフォンなどの電子機器の発達であるそうだ。ドイツも日本と同じく、若者の興味が自動車ではないものに向いてしまっている。車離れという問題は世界共通の問題に発展してしまっているという事に驚かされた。
次に、プレス向けの試乗会へ向かった。プレス向けの試乗会は、普段私たちがディーラーで試乗するのとは異なり、決められた時間に車を返却すれば、どこで試乗しても良いという自由なスタイルになっている。高速に乗ろうが、峠に行こうが決められた制約は無い。このようなスタイルは、評論家の方が普段と同じような試乗の仕方ができる。このようなところはさすがプロ向けの試乗会と感じた。
日下部さんの運転の助手席に同乗させて頂き、山道に向かったのだが、運転の上手さや正確さ、車を評価する上での着眼点に終始圧倒されっぱなしであった。このような正確な運転ができれば、おのずとその車の良し悪しがわかるのだと驚かされた。日下部さんのご厚意で、私も新型ゴルフを運転させて頂いたのだが、運転後に私の運転の評価をして頂いた。自分の運転をプロのドライバーに評価して頂く事なんて滅多にあるものではない。まだ発表されて間もなく、市販されていない車を運転出来た経験はもちろんだが、運転を指導して頂いた体験はとても貴重なものである。
日下部さんには会場に行くまでと、帰りの高速道路でも、試乗する際に心掛けることや、高速道路を運転する上での注意すべきことや心掛けることなどのお話も伺った。質問させて頂いたりお話させて頂いて、メディアでは知れない事など、様々な事を実際にお聞きできた体験はとても大きく、貴重な事であった。そして、新型ゴルフを試乗しこの車の良さだけではなく、普段では体験できない経験をした1日となった。
VWの皆様、日下部さん、オートックワン中込さん、当日お会いした皆様、誠に有難うございました。
様々な “モータージャーナル” を体験!
今回の試乗会では、ヘッドクオーターから来た方々にインタビューできたり、クルマに関するプレゼンテーションが聞けたりと、単にクルマに乗るだけではなく、様々な面でモータージャーナルを体験できました。
一方で、それぞれのセクションの中において、莫大な数の情報が転がっているにも関わらず、それを全く拾えない自分を痛感しました。例えば、インタビューにおいて、本社のゾリーノさんにいろいろと質問させていただいたのですが、ありきたりな質問しかできず、もっといろんなことを聞き出せたかなと反省しています。特に、車両のことについては、自分の知識の少なさを感じました。
また、試乗に関しては、今回のGOLF 7の試乗会に連れて行って下さった、日下部さんにいろいろとアドバイスを頂きました。日下部さん曰く、試乗する時は、まず軽く流して走って、当たり目を付けてから、検証していくのが良いとのこと。他にも興味深い話をして下さいました。
今回のことを活かして、より多くのことを感じ取れるよう、自分の感性や知識を高めて行きたいです。
Cセグメントのベンチマークであるゴルフの最新モデルに触れる事、そして直接インポーターやメーカーの人々と接することで、AE19の鳥屋君と石塚君にどんな刺激を与えることが出来たのか、私は大いに興味を持っていた。
試乗前には、フォルクスワーゲン本社のPRから若手のジャーナリスト育成プログラムの話に熱心に質問していたが、メーカーならではプログラムを日本でも行うことが出来れば、彼らもさらなるチャンスに恵まれるだろう。試乗では、ドライビングの簡単なレクチャーとクルマの評価ポイントなどを逐次話す。こちらも真剣そのものであったため、二人ともやや緊張していたが、最初からわからなくてもいいし、ぼんやりとでもゴルフのポイントを掴んでくれていたのが嬉しい。
今回に限らず、社会に出たら疑問に思うことは積極的に質問し、そして自分の所見をいかにうまく伝えるかかが大切だと思う。そしてクルマを俯瞰で見られるようにもなってほしい。皆に期待するところは大きい。