伊東社長と新型アシモによるほのぼのとした小コントで幕開けしたホンダブースでは、新型軽自動車の「N BOX」を本日11月30日から発売することが発表されました。
「N BOX」とは、これから展開が始まるホンダの新型軽自動車「Nコンセプト」シリーズの第一弾で、軽量・高効率を追求した新設計のボディを採用。
製造工程から見直された骨格をもち、世界初となるテーラードブランクやホットスタンプ型内トリムなどの最新技術により、強度アップと従来型モデル比10%の軽量化が図られたなど、ホンダとしては久々の超意欲的な軽自動車です。
ホンダは低迷する軽自動車販売に大テコ入れをはかるべく、原点回帰を強調。
「Nコンセプト」には、かつて「Nコロ」と呼ばれ親しまれた往年のホンダ軽自動車「N360」からとったという意味のほか、「New」や「Nippon」の思いも込められており、軽自動車市場で挽回を期するための並々ならぬ熱意が伝わって来ました。
月間販売目標台数は1万2,000台という強気な数字も、気迫ビンビンという感じです。
コンセプトカーでは、長距離高速巡航ドライブを楽しむことに主眼を置いたプラグインハイブリッドカーの「AC-X」が目を惹きました。1.6リッターエンジンにモーターを組み合わせ、300馬力前後のシステム出力を発揮。
特筆すべきは空気抵抗値の低さで、固定式でそれ自体は回転しない5本タイプのホイールスポークや、可変式のバンパーなどによりCd値は0.21という信じ難い数字を達成。航続距離は1,000km以上を謳っています。
操縦はステアリングを回すのではなく、左右のレバーを倒して操作する画期的なもので、まるでモビルスーツの操縦桿のよう。このツインレバーは丸いステアリングよりも単純な前後の動きのほうが人間にとって自然である、との考え方によるものです。
また、スイッチひとつで自動運転モードに切り替わり、ドライバーを運転から解放させて、運転席をも寛ぎの癒し空間に変えてしまうというアイデアも盛り込まれています。現状ではまだコンセプトカーの域を出ない雰囲気ですが、近い将来に採用、応用される可能性のある技術は多数盛り込まれているようです。
コチラはホンダらしい2シーターオープンスポーツカーの電気自動車。
カーボン素材などの採用で軽量化がはかられた後輪駆動車で、モーター出力やサスペンションの設定をドライバーの意思で自在に調整できるなど、運転する楽しみを徹底追及。
AC-Xと同様に操縦はステアリングではなく2本の操縦レバーを採用していますが、航続距離はJC08モードで約160kmを達成したなど、現実味を帯びた内容も多々盛り込まれているところに期待がもてました。
公表されたデータは以下の通り。
全長×全幅×全高:3570×1500×1100mm
ホイールベース:2325mm
最高速度:160km/h
加速性能:0-60km/hタイム5秒
最大航続距離:約160km
バッテリー:10kWリチウムイオンバッテリー
バッテリー最高出力:58kW
充電時間:200V=3時間以下/100V=6時間以下
これはクルマというより、3人乗りのバイクのような感覚で街を移動する近距離用のコミューターで、バッテリーやモーターを可能な限り車体の後部に集中させ、タイヤを目一杯四隅に配置した独自のレイアウトにより1250mmという短い全幅を実現。
人とモビリティの新しいコミュニケーションの楽しさを提案するものです。
ホンダは電動一輪車「U3-X」の開発で未来都市型電動コミューターのあるべき姿が具体的に見えてきたことを実感させてくれました。
ホンダも2012年の夏には電気自動車市場に参入します。日産リーフの対抗馬として、満を持して登場するのはフィットEV。後続可能距離は160km以上で、最高速度は144km/hを達成。
充電に要する時間は200Vで6時間以下、急速充電を使えば30分で80%まで完了します。発売を間近に控え、もっか最後の実証実験が行われている段階にあるとのこと。まずは法人向けのリース販売からスタートします。
このように、「夢と現実」が明確なホンダブースでしたが、いずれも根幹にあるのは、ブースの建物でも大きくアアピールしていたように「にんげんのきもちよさ」であることが伝わって来ました。
ちなみに、さらに改良が進んだ新型のアシモは、五本の指がそれぞれ動くようになり、より人間っぽさを増していました。
個人的には、美少女タイプのアシモが早く出てほしいものです。
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