欧州で圧倒的シェアを誇るスタッドレスタイヤを製造販売! フィンランドの老舗タイヤメーカー「NOKIAN TYRES(ノキアンタイヤ)」とは?/ノキアンタイヤ Vol.1
世界で初めてウインタータイヤの製造販売に成功したメーカー
輸入車、SUVや国産ミニバン、テスラなどのEV車にお乗りの方に、ぜひ知ってほしいタイヤメーカーがあります。フィンランドのノキア市に拠点を構える「NOKIAN TYRES(ノキアンタイヤ)」です。
ノキアンタイヤは1898年に設立された「The Finnish Rubber Works」を前身とする老舗タイヤメーカー。1934年に世界で初めてウインタータイヤを製造販売したことでも知られています。
少し話が逸れますが、ノキアンタイヤは名前が似たあの会社とも深い関係があります。
ノキアンタイヤは1960年代に電気通信分野に進出。携帯電話業界で世界トップシェアを誇った「NOKIA(ノキア)」は、ノキアンタイヤから生まれた通信インフラ開発会社なのです。
これらのエピソードだけでも十分にノキアンタイヤが長い歴史を持つ信頼性の高いメーカーであることをお分かりいただけると思いますが、日本での知名度は決して高くはないといえます。
そこで、ノキアンタイヤのスタッドレスタイヤをMOTAが激奨する理由などを、2回に渡りたっぷり紹介していきます。Vol.1の今回は、ノキアンタイヤの歴史や生産体制、数々の実績に焦点を当ててお届けします!
欧州で高く評価されているノキアンタイヤのスタッドレスタイヤ
BMW、ミニ、ジャガー、ランドローバー、テスラ、ボルボなど、プレミアムカーメーカーの多くが冬用タイヤにノキアンのスタッドレスタイヤを推奨しています。寒冷地が広範な欧州では、その優れた雪上・氷上性能やドライ路面での操縦安定性が高く評価されています。
一方で日本市場に目を向けると、スタッドレスタイヤの求められる地域が限られています。スタッドレスタイヤに関心を寄せるユーザーが欧州よりもはるかに少ないため、ノキアンタイヤは日本であまり知られずにきたといえます。
それはもったいないと総輸入元に名乗りを挙げたのが、日本トップのカー用品インポーターである阿部商会です。ご存知の方も多いと思いますが、阿部商会はショックアブソーバーブランドのBILSTEIN(ビルシュタイン)やスポーツマフラーブランドのREMUS(レムス)、カーキャリアブランドのTHULE(スーリー)など、欧州の一流カー用品ブランドの輸入販売を手掛けてきました。
その阿部商会が取り扱う錚々たるブランドの中に、ノキアンタイヤが加わったのは2017年。それ以来、感度の高い目の肥えた自動車好きから注目を集めています。
ウインタータイヤのテストコースは世界最大規模
また、ウインタータイヤのテストコースは世界最大級の規模を誇ります。
北極圏に位置するフィンランド北部のイヴァロに、700ヘクタールのウインター用テストコースを所有。東京ドーム約140個分に相当するこのコースで、年間2万本以上のタイヤをテストしています。
そうして生み出されたノキアンタイヤの製品は、数々の世界記録を樹立してきました。
世界中の上場企業の中で上位10パーセントに入るサスティナブルな企業に選定
北欧フィンランドに拠点を構えるノキアンタイヤは、サスティナブルなタイヤメーカーとしても認知されています。
フィンランドの物流センターなどにはソーラーパネルを設置。再生可能な電力を積極的に活用。社会的責任を重視した生産体制の整備も進めています。
直近6年間で、タイヤ生産時に発生する二酸化炭素の排出量を44%削減。タイヤメーカーとして初めて人体に有害なオイルの使用を取りやめるなど、ドライバーにも環境にも安全な生産体制をいち早く構築してきました。
それらの取り組みが評価され、世界的な指標であるダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)のワールド・インデックスから、ノキアンタイヤは世界中の上場企業の中で上位10%に入るサスティナブルな企業に選定されています。
大きく進化したノキアンのスタッドレスタイヤが新登場!
では最後に、ここからはノキアンのスタッドレスタイヤの紹介と次回告知に移らせていただきます。
ノキアンタイヤは1934年から「HAKKAPELIITTA(ハッカペリッタ)」のブランド名でウインタータイヤを展開してきました。北欧や欧州はもとりより、近年は中国でもファン層を拡大しています。
2022-2023シーズンに日本で販売されるハッカペリッタは、昨冬も好評を博したスタッドレスタイヤ「R3」シリーズと新シリーズの「R5」です。“走る” “曲がる” “止まる”が大きく進化したR5シリーズは、3種類をラインアップ。
・国産車から輸入車まで幅広くカバーする乗用車用の「R5」
・ミニバンやSUVの特性に合わせてチューニングを施した「R5 SUV」
・EV車に最適な静粛性を追求した「R5 EV」
R5シリーズ3モデルの詳細は、次回のVol.2にて特集いたします。
各モデルの特徴や違い、雪上・氷上性能、ドライ路面での操縦安定性の高さなど、期待のR5に関する情報をたっぷりお届けしていきますので、乞うご期待! 車種ごとに専用設計されることが多いSUVや国産ミニバン、テスラ等のEV車にお乗りの方は要チェックです!
- 筆者 井口 豪
- 1975年4月29日生まれ。血筋は九州だが、出身は埼玉県。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。多彩な趣味を持つウンチク好きの性分を生かし、自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で執筆活動を展開する。2022年には令和3年度行政書士試験に合格し、東京都行政書士会に登録。「行政書士いのくち法務事務所」で行政書士業務もこなすマルチ法務ライター。