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カタログの見方とタイヤ用語

タイヤサイズの見方やカタログに出てくるタイヤ用語をやさしく解説。

タイヤサイズはこう読む

タイヤサイズを詳しくみてみよう。まず、「タイヤ幅」は、文字通りタイヤを正面から見たときの幅をミリメートルで表した数値の目安である(同じタイヤで同じ数値でも、偏平率が違うサイズでは実寸が違うタイヤもある)。車重が重く、パワーもある大型車向けタイヤはタイヤ幅が大きく、コンパクトカー向けでは小さくなるのが一般的。

次に「偏平率」は、タイヤ断面高さをタイヤ断面幅(タイヤ幅から浮き彫りとなった文字などを除いたサイズ)で割った数値に100を掛けたもの。この数値が小さいほど、“平べったい”タイヤとなる。通常、偏平率の数値が小さいタイヤの方が、横方向の剛性が強くなり、よりスポーティな味付けとなるが、最近はドレスアップ指向のユーザーニーズにあわせ、コンフォートの味付けとなっているタイヤもある。

「リム径」は、わかりやすく言うとホイールの外径をインチで表したもの。高性能車ほど大きなブレーキを収める必要があるため、タイヤ幅同様、大型セダンやスポーティカーはこの数値が大きくなる。 「構造記号」は、通常“R”で、ラジアルを示す。また、「速度記号」「速度カテゴリー」は、2通りの表記があってわかりづらいが、どちらも対応できる速度域を表しているものと考えていい。なお、「ロードインデックス」は、そのタイヤに許される負荷の最大質量を表す数値だが、通常、そのサイズのタイヤを履くクルマに対応できる数値になっている。

これらの数値は次のページで解説する「インチアップ」の際にも重要となってくるので、どの項目が何を示しているのかを頭の片隅にとどめておいて欲しい。

タイヤサイズ

タイヤ各部のサイズ

タイヤサイズは、タイヤ断面幅、偏平率、タイヤ内径で表記される。偏平率はタイヤ断面高さをタイヤ断面幅で割った値を%表示したもの。なお、タイヤ外径は、インチアップの際に重要となる。

カタログ用語の基礎知識

タイヤのカタログには、さまざまな用語が出てくる。
ここで、カタログを読み解く上で必要だと思われる用語について、カンタンに解説しておこう。

タイヤ構造編

トレッド タイヤが路面に接する部分。この部分に使われているゴムのことを通常「トレッドコンパウンド」と呼ぶ。
トレッドパターン トレッドに刻まれた模様のこと。溝(グルーブ)によって仕切られたひとつひとつの部分を「トレッドブロック」と呼ぶ。また、左右を溝で区分けされてタイヤ外周を一周する部分を「リブ」と呼ぶ。
サイドウォール タイヤの側面のこと。タイヤの性能は、トレッドコンパウンドの素材だけで決まるのではなく、サイドウォールの剛性はグリップや乗り心地に大きな影響を与える。
ショルダー トレッドとサイドウォールが接する部分。カチッと角が立ったように接する形状を「スクエアショルダー」、なだらかに接する形状を「ラウンドショルダー」と呼ぶ。
プロファイル タイヤの断面形状。また、「ロープロファイル」というと、より偏平率の数値が小さいタイヤのこと。
回転方向指定パターン クルマが前進するときにタイヤが転がる方向があらかじめ指定してあるトレッドパターン。回る方向を決めることで、より理想に近い設計が可能となる。回転方向を間違えて付けるとウェット時の排水性能が極端に低くなるので、要注意。
左右非対称パターン タイヤのイン側とアウト側をあらかじめ決め、コーナリング時に荷重のかかりやすいアウト側ブロックのグリップを強化するなど、性能を最適化したトレッドパターン。

トレッドパターン

回転方向指定パターンが左のタイヤ(DUNLOP SP SPORT 9000)、左右非対称パターンが右のタイヤ(YOKOHAMA DNA map-i)。

トレッドパターン

タイヤのプロファイル

タイヤのプロファイルは製品ごとに異なっている。左のタイヤ(FALKEN AZENIS REAL SPORTS)は比較的スクエアショルダーで、右のタイヤ(FALKEN SINCERA SN828)はサイドウォールからトレッドへのラインがなだらかな曲線を描いている。

タイヤのプロファイル

タイヤ性能編

転がり抵抗 タイヤが回転するときに路面との間で発生するエネルギーロス。転がり抵抗が低ければ低いほど、実用燃費向上効果が期待できる。
シリカ クルマの走行とともに発生するトレッドコンパウンドの発熱を抑えるとともに、低温でも固くなりにくいという性質を持つ素材。シリカを配合することで、転がり抵抗を抑えつつ、路面温度が低くなりやすいウェット状態でもグリップを確保することが可能となった。
トラクション タイヤと路面との間の摩擦力、またその摩擦を利用してクルマを動かす牽引力のこと。
ロードノイズ タイヤの振動がサスペンションを経てボディに伝わり、車室内の空気を振動させることによって発生するノイズ。「ゴー」というこもった音になる場合が多い。
パターンノイズ タイヤのトレッドが地面に接することで起きるノイズ。トレッドが地面を叩く「ダー」とか「シャー」という音のほか、トレッドブロックの間を空気が流れることによって発生する「ヒュー」という音も含まれる。
ハイドロプレーン現象 一定の速度域以上でタイヤと路面との間に薄い水の膜が張り、タイヤがグリップしなくなる現象。溝が減りすぎたタイヤで起こりやすい。耐ハイドロプレーン性能を強調するタイヤは、タイヤが押しつぶした水をトレッド面の溝がうまく逃がしてやるよう、とくに気を配っている。