山形に本社を持つ日本のカロッツェリア「KEN OKUYAMA DESIGN(ケンオクヤマデザイン)」は、第43回東京モーターショー2013に出展し、新型クーペ「kode9(コードナイン)」を世界初披露した。
KEN OKUYAMA DESIGNは、イタリアの名門ピニンファリーナでフェラーリやマセラティなど数々の名車のデザインに腕を振るった工業デザイナー、奥山清行氏が率いる会社。これまでも、JR東日本・秋田新幹線の新型車両「E6系」のデザインを手がけているほか、自社ブランドのメガネ「KENOKUYAMA EYES」や、少量生産のオープンスポーツカー「k.o 7(ケーオーセブン)」をデザイン・販売するなどしていた。
11月20日に東京モーターショー2013会場でワールドプレミアとなったKEN OKUYAMA DESIGNの新型クーペ「kode9(コードナイン)」は、2シーターのスポーツカー。コンセプトは「レースカーとスポーツカーの中間に位置するスパルタンなライトウェイトスポーツカー」とうたうだけあって、必要以上の過剰さはなく、極めてシンプルな佇まいをみせる。しかしそのいっぽうで、非常に大胆なディテール処理をさりげなくしていたりして、なかなか面白いかたちだ。
ボディサイズは全長x全幅x全高が4140x1905x1130mm。ホイールベースは2300mm。
奥山氏が『シンプルでミニマムな要素をプロポーションだけでみせるクルマ本来の魅力を強調した』『僕自身が乗りたいから造ったクルマ』『自分が仲間だと思う人、クルマを良く知る大人にしか売る気はありません』と語るほど、kode9は強い思い入れをもって造られた。古典的なスポーツカーフォルムであるいっぽうで、最新のレーステクノロジーを反映した空力パーツなども効果的に用いられている。
ミッドシップに搭載されるkode9のエンジンは、1.6リッターから2.4リッターまで複数の選択肢が用意される。会場に展示されていたのは4気筒 2.0リッターエンジンで、スーパーチャージャーを搭載し370psを発生。6速MTと組み合わされている。
アルミ押し出し材シャシーや、自社製のカーボンボディパネルなどを用いて軽量化を推進し、車重はわずか890kg。極めて軽快な走りが想像される。
いっぽうインテリアは、革やカーボン、アルカンターラ、無垢のアルミといった高級な素材をオーダーで選択出来る。後方視界を補助するためリアフィンには小型カメラを装着し、ルームミラーには常時広角のモニター画面が表示される。またインパネの中央にはタグホイヤー社製限定コラボ腕時計「TAG Heuer Carrera CMC kode9 Limited(タグホイヤー カレラ シーエムシー コードナイン リミテッド)」を据え付け、さらにKEN OKUYAMAデザインのTAG Heuer ボストンバッグも装着するなど、何もかもが特別な仕立てとなっている。
KEN OKUYAMA DESIGNは山形に自社工場を設立したことで、本格的に自動車カロッツェリア事業をスタート。kode9は東京モーターショーでの披露と同時に受注を開始する。kode9 2014年モデルは「Limited First Series」として24台を限定製造。1.6リッターのベースモデルで、プライスは1200万円から。
また東京モーターショー2013ではもう1台、「kode7 Clubman(コードセブン クラブマン)」も日本初公開された。これは2008年に発表された「k.o7」を発展させた「kode7」をベースにライトウェイト化を図り、サーキット走行などを楽しめるハンドメイドスポーツカー。250psの4気筒 2.0リッターNAエンジンを搭載し、790kgの軽量ボディと組み合わされる。価格はベースモデルで850万円から。
東京モーターショー2013 その他のメーカーに関連する全ての記事を見る