三菱 三菱自動車、新世代ラージSUV「Concept GC-PHEV」を世界初公開
記事・レポート 特集 モーターショー 東京モーターショー 2013 三菱 三菱自動車、新世代ラージSUV「Concept GC-PHEV」を世界初公開
三菱自動車は、2013年11月20日(水)~[一般公開は23日(土)から]12月1日(日)まで、東京ビッグサイトで開催される「第43回東京モーターショー2013」において、次世代ラージSUVコンセプト『MITSUBISHI Concept GC-PHEV』を世界初公開する。
『MITSUBISHI Concept GC-PHEV』は、FRタイプのPHEVシステムを採用したフルタイム4WDの次世代ラージSUVコンセプトモデル。車名のGCは“Grand Cruiser”の略で、PHEVシステムによる優れた環境性能と力強い動力性能、電子制御フルタイム4WDをベースとした車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」による卓越した操縦安定性と走破性を実現している。また、新発想のインターフェイスシステムや「ARウインドシールド」など、新たな試みに取り組んでいる。
デザインの最大の特徴は、重厚感ある堂々としたボディと、安心感・開放感を併せ持つ先進的なクロスフレーム・キャビンの融合。
エクステリアは、筋肉質な力強い面構成と躍動感あるシャープなラインを融合させ、無垢の塊から削り出したような彫刻的フォルムを実現。フロントフェイスには、視認性の高いデイタイムランニングランプを上方に、ヘッドライトをバンパープロテクター部にレイアウトすることにより、本格的なオールラウンドSUVの風格を持つデザインとしている。
また、フロントグリルには冷却効果を高める可変式ルーバーを採用。ボディの随所にも積極的にエアロダイナミクス技術を採り入れたデザインとした。ワイドバンパーに沿わせた大きなリヤゲートは、斬新性と機能性を両立させ、サブウインドウを採用して良好な視界を確保している。
インテリアは、Bピラーレスによりイージーアクセスが可能となる。インストルメントパネル上部には、ドアトリムに繋がる「ワイドマルチディスプレイ」、フロントウインドシールドには、AR(拡張現実)技術を応用した「ARフロントウインドシールド」を装備。また、室内中央には新アイテムであるタッチスクリーン式の大型インターフェイス「タクティカルテーブル」を配置。先進的で個性的な情報空間を乗員全員で共有する、新しいクルマの方向性を目指した。
搭載するPHEVシステムは、フロントの3.0リッターV型6気筒スーパーチャージド MIVECエンジン、クラッチ、高出力モーター、8速オートマチックトランスミッション、リアラゲッジスペース下の大容量バッテリーなどで構成。走行状況やバッテリー残量に応じてEV走行とハイブリッド走行を自動選択することができる。
EV走行時には、トランスミッションを介して変速することで、低速から高速までモーター出力を有効活用できる。また、ハイブリッド走行時はエンジン性能を8速オートマチックトランスミッションが有効に引き出し、高出力モーターがサポート。力強くゆとりあふれる動力性能を発揮する。
また、大容量バッテリー搭載の為「100V AC電源(1500W)」も設ける、車載コンセントから交流100V を最大1500Wまで出力することができ、アウトドアレジャーや非常時において、各種家電製品等へ電力を供給することが可能となる。目安として、一般家庭の電力消費量の約1日分相当、エンジン発電を含めると最大で約13日分相当の電力供給が可能。
4輪の駆動力と制動力の制御を軸とし、車両運動統合制御システム「S-AWC」を最適化。この「S-AWC」は、フロントとセンターに電子制御のLSDをもつフルタイム4WDをベースに、モータートルクで後輪左右の駆動力差を制御する「E-AYC」を加え、4輪の駆動力を緻密にコントロールすることで卓越した安定性をもたらす。路面状況やドライバーのモード選択に応じて意のままの操縦性を発揮し、PHEVシステムと連動することにより、パワフルな走破性を実現している。
MITSUBISHI Concept GC-PHEVは、先進の情報システムを活用したコネクティッドカー技術を搭載。
走行情報を常にITネットワークにつなげ、周辺の車両情報や信号などの道路情報と融合することで、ドライバーに交差点をスムーズに通過できるようにガイドしてエコドライブをサポートするほか、車両情報を分析することにより、車両の異常・故障の前兆を早期に察知し、修理やメンテナンスをナビゲーションする。
さらに、「事故時緊急通報サービス」などのセーフティ・ネットとも連動する「事故被害予測通報システム」も搭載し、常に安心・安全、便利で快適なドライブをトータルでサポートする。また、コネクティッドカーとしての新たな可能性を追求し、新発想のインターフェイスシステムを装備。AR(拡張現実)技術を利用した「ARウインドシールド」、室内中央にレイアウトされたタッチスクリーン式の大型インターフェイス「タクティカルテーブル」などの新しい試みを採用している。
AR(拡張現実)技術を応用し、走行中に必要な情報をフロントウインドシールドに表示。前方の視界に表示情報を並べることで、ドライバーは走行中に起こるさまざまな道路状況の変化を視線を大きく動かさずにキャッチ可能となる。
表示される情報は、カーナビと連動した進路案内や、予防安全技術と連動する「車間警報」「車線逸脱警報」等。さらにクルマとクルマ、歩行者とクルマの間の通信を利用した運転支援技術を活用することで、交差点の死角から迫っている車両や歩行者といった、実際にはドライバーからは見えない情報をガイドや警告として表示する「コーショントラッキング」を装備する。
室内中央には、タッチスクリーン式大型インターフェイス「タクティカルテーブル」を搭載。コネクティッドカー技術でクルマの未知なる楽しさを広げる。
一方的に情報を受信するだけでなく、乗員が持ち寄ったドライブ情報を、スマートフォンをタクティカルテーブルに置いて「集め」、オリジナルのマップやドライブプランを「造り」、さらにその情報を外部と車載通信機で通信することによって「共有」することができる。
『MITSUBISHIConcept GC-PHEV』では、予防安全技術「e-Assist」をベースに、先進の情報システムを活用したコネクティッドカー技術と連携。前方支援、後方支援、斜後方死角支援によって、全方位の安全性を徹底的に強化している。
前方支援としては、高速道路などでクルマとクルマ、クルマと道路の間の通信からわかる他車の加減速情報を共有することで、より緻密な車間距離制御を行い、渋滞緩和やエコドライブを促進する「レーンキープアシスト付CACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)」を搭載。
レーンキープアシスト機能により、疲労時などの走行車線からの逸脱を的確なハンドリングサポートで防ぐ。他にも、カメラで道路標識を認識して運転者に通知し、状況に応じてスピードリミッター制御も作動させる「標識認識システム」、夜間にハイビームで走行中、歩行者や対向車が出現した際に車載カメラで対象位置を検知し、そのエリアのみを遮光してまぶしくさせない「アダプティブヘッドライト」も採用。
全方位の支援としては、フロントウインドシールドの上部に2個、Aピラーに2個、リアドアの窓後方に2個、リアゲートの上部に2個の計8個の赤外線カメラを設置。これらでスキャンした精度の高い周辺状況の画像処理により、夜間でも危険因子を瞬時かつ正確に察知し、予防安全技術と連携することで、障害物や他のクルマが接近している際に迅速に警告する「Night Eye(ナイトアイ)マルチアラウンドモニター」を採用している。
他にも以下のような多くの機能を搭載
・「歩行者衝突軽減自動ブレーキ」
夜間などで前方歩行者が見えにくい時でも、カメラやレーダーが察知して衝突の可能性を警報。さらに自動ブレーキを作動させることで事故の回避や被害の軽減を促す。
・「路車間通信利用運転支援」
クルマと道路との通信システムを利用した「DSSS(Driving Safety Support System)」を構築し、先方の信号の変化や交差点への人やクルマ、自転車の接近を知らせて減速を促すことで安全性を高めている。
・「誤発進抑制制御」
前方に障害物などがある場合、車両に搭載されたカメラがその障害物を認識。発進時のアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いを検知し、エンジン出力を抑えながら急発進を抑制しドライバーには、警報音と警告表示により注意を促す。
・「ドライバーモニター」
ドライバーモニターは、運転席正面の赤外線カメラおよびステアリングとシート内蔵のセンサーが、瞬き、姿勢のズレ等により覚醒度をチェックし、蛇行などの運転操作時の異常を判定してドライバーに休憩を促す。運転注意力が低下していたり、脇見運転をしていたりする場合も、瞬時に警報を発する。
『MITSUBISHI Concept GC-PHEV』基本諸元(目標値)
全長×全幅×全高:4930mm×1940mm×1980mm/乗車定員:4名/ハイブリッド燃料消費率:15km/L以上/EV走行換算距離:40km 以上/エンジン型式:3.0リットル V型6気筒スーパーチャージド MIVECエンジン/最高出力:250kW/使用燃料:ガソリン/モーター最高出力:70kW/バッテリー総電力量:12kWh/駆動方式:フルタイム4WD/トランスミッション:8速オートマチック