履いた人じゃないとわからないことがある
「路面のいいところを、夜遅くにすーっと走らせると、BBSのホイールは本当にすーっと走るんです。丸いものがキチンと転がっている感じですね。アルミホイールは、ずっと真円ではなくて、走っていると絶えず変形しています。それがBBSはすぐに戻る。だから段差を乗り越えたときにもすぐ収まるわけです」
BBSの真円度の高さはよくいわれることだが、歪んだあとの復元性も高い。それゆえにサスペンションに余計な仕事をさせずに済むというわけだ。
「丸いものを丸く転がし続けることができるので、接地もキレイにするし、燃費にも効いてきますね。ブレーキの効きもよくなるように思えますし、ABSが作動するタイミングも純正とは違いますね」
マスバランスの性能の高さ
軽さという意味では、BBSを凌ぐホイールもあるだろう。
「軽量を謳うホイールは、ディスクだけが軽かったり、リムだけが軽かったりする場合がありますね。BBSは、どこか一部が軽いというわけではなく、全体的なバランスが取れているんです。マスバランスがいいので、サスペンションも自然に動くというわけです」
ホイールは当然回転するものだから、静止状態だけでなく、回転状態のバランスを求められる。ウェイトで調整するのはそのためだが、全体的なバランスがよければ、履くタイヤ次第だが、貼るウェイトの量も少なくて済むというわけだ。
超超ジュラルミン鍛造のRI-D
前述の通り、デモカーであるGT-Rには、超超ジュラルミン鍛造モデルであるRI-Dをあわせている。フラッグシップモデルを履くということはどういうことなのだろうか?
「色々履いてきて、やっぱりジュラルミンは気になりました。RI-Dは、値段相応のよさは絶対にありますね。でもいきなりRI-Dを履くよりは、他のモデルでBBSの良さを体感してからRI-Dを履いた方が、よりその良さがわかってもらえるんじゃないでしょうか。そういう意味でも同じデザインでアルミモデルのRI-Aはバリューが高いと思いますね」
安いからといって、性能がまったく劣るというわけではない。手が届くモデルをまず履いてみて、BBSの鍛造ホイールがどのようなものかを経験してからでも遅くはない。そのうえで改めて、超超ジュラルミン鍛造という孤高の存在をたっぷりと味わって欲しいというわけだ。
- 執筆・監修
- MOTA編集部
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