BMWをイジるプロフェッショナルから見たBBSホイールとは?

カスタマイズをする上で、駆け抜ける喜びが信条のBMWのフットワークをさらに向上させるには、やはりホイール選びが重要になってくる。 日本が誇るBMW専門店、Studie(スタディ)で話を聞いてみた。

ツーリングカーのイメージが強かったE36時代

ロングセラーモデルであるLMやスーパーRSは、クルマ好きではなくても見たことがあるかも。BBSの顔とも言える代表作であるLMは、限定カラーなどを追加してさらに進化している

ロングセラーモデルであるLMスーパーRSは、 クルマ好きではなくても見たことがあるかも。BBSの顔とも言える代表作であるLMは、限定カラーなどを追加してさらに進化している

「ウチが創業したのが1995年ですから、BMW3シリーズがいわゆるE36という型だった頃ですね。その頃からBBSは人気でした。「DTM」や「LM」といったモデルをM3や318isに履かせるのが流行りましたね。見た目のバランスもいいし、レースの雰囲気も出て、よく似合っていました。当時はマフラーもDTMタイプといって、テールを跳ね上げるタイプが流行っていましたから、レーシーな見た目にして欲しいというオーダーが多かったですね」と渡辺店長。
JTCCやBTCC、DTMといったツーリングカーで、E36型の318isが活躍していた頃だから、それを模したスタイルにしたいというお客さんの気持ちも大いに頷ける。足元は、クロススポークの「DTM」で、マフラーもDTMマフラーというスタイルをよく目にしたものだ。

「他にも選択肢がなかったわけではないですが、2ピースだとLM、18インチ、1ピースだとDTMという感じでしたね。タイヤに左右されるのはもちろんなんですが、やはり純正よりもずいぶん軽かったのでハンドリングも軽快になりましたね。信頼性も、当時から高かったことを記憶しています」
当時のBMWが装着していた純正ホイールは15~16インチ。そこから17~18インチへ履き替えると、サイズ自体はアップするが、いわゆるバネ下重量が軽減され、ダイレクト感が向上することが体感できたのだ。

工業製品としての魅力。所有することに喜びを感じるホイール

スポークの側面を大胆に抉り取った上に、穴を開けてさらなる軽量化を図る。これでも十分な剛性が保たれているのだ。切り立ったセンターホールに刻み込まれたBBSの文字が、その品質の高さを保証する

「僕自身にもやっぱり憧れがありますね。ホイールのなかでは、BBSの値段は高い方です。でも工業製品として見てもカッコがいい。所有すること自体にまず喜びを感じますね。性能も、そして見た目も両立しているんです。うちのお客さんが求める要素も、まず性能で、同時に見た目なんですね」

BBSイコール一流品というイメージは、どのお客さんにも共通して言えるようで、E36の時代から今でも変わらないそうだ。だから、クルマが変わってもずっとLMを選んでいるというお客さんもいるという。現在のBMWが履くサイズは当然変わったが、指名買いをしていくそうだ。

「今もLMは人気ですね。サイズラインアップが豊富なことも理由のひとつではあると思います。限定モデルも出ていますし。軽いホイールなら他にもあるんですが、LMを指名するユーザーさんは多いですね」
BBSのファンを通り越して、LMのファンという、濃いBMW乗りも少なくないようだ。ブランドはもちろん、商品単体にもファンがいる。その裏には、LMという商品をずっと作り続けてきているという事実も忘れてはならない。BBSのコアな一面が垣間見えるエピソードだ。

人気色も移り変わり一巡して再びシルバーが

時代とともにBBSのカラーも変遷してきている。DB(ダイヤモンドブラック)やMB(マットブラック)といった黒基調のカラーは、発表とともに絶大な人気を博した。現在は、またDS(ダイヤモンドシルバー)やGL(ゴールド)といった定番のカラーも支持を集めているという

BMWも定番のカラーがあるが、BBSのホイールとのカラーマッチングはどうなっているのだろうか?
「当初はシルバーやゴールドが多かったように記憶しています。途中でDB(ダイヤモンドブラック)が出てきて、とても人気が出ましたね。今では純正で黒っぽいホイールも出ているので、一周回ってシルバーやゴールドを選ぶ方も増えてきましたね」
流行は巡る。日本のBMWも、濃紺や黒、シルバーといったボディカラーが多かったが、現行モデルでは再び濃いブルー系のカラーが推し色になっている。その足元に合わせる色は、やはりシルバー、ゴールドといったコントラストの効いた定番色がハマるのかもしれない。

執筆・監修
MOTA編集部
撮影
ウィズ・フォト