Part.3BBS RF with STUDLESS TIRES
冬用タイヤもBBSホイールで

アルミホイールを組み合わせるのはサマータイヤだけと思っている人が多いと思う。アルミホイール、それも鍛造のBBSホイールをスタッドレスタイヤに組み合わせるとどうなるのだろうか? スバル・フォレスターでテストしたフィーリングやメリットをお届けする

走りの質を求めるのなら、冬季も鍛造ホイールを選びたい

冬本番。スタッドレスタイヤへの交換はもうお済みだろうか?
春から秋にかけては良いホイールを装着している人も、冬場のスタッドレスタイヤの時期は純正ホイールに戻したり、あるいは量販店でよく見られる廉価なアルミホイールを装着する人は多い。冬場は道路に撒かれる融雪剤や凍結防止剤などでアルミホイールが痛む可能性が高くなるし、豪雪地域でなければスタッドレスタイヤを装着する期間は2~3ヶ月と短いので、合理的な選択といえる。
豪雪地域で暮らす人も、どうせ大雪でクルマの足元はよく見えなくなるから……などと考えて、冬場はランクを落としたアルミホイールを選択することが多いことだろう。

しかし、クルマの性能や走りの質にこだわる人には、スタッドレスタイヤを装着する冬場も高性能・高品質なアルミホイールを選択することを強くオススメしたい。例えば、BBSホイールを装着するクルマ好きの諸兄ならば、高剛性なBBS鍛造アルミホイールがもたらす走行性能の向上、あるいはビジュアル面の向上効果をよくご存知かと思うが、良いアルミホイールを装着することで得られるメリットは、もちろん冬場のスタッドレスタイヤ装着時にも発揮される。

撮影時の北海道旭川市内はすでに圧雪となり、交差点内の路面は磨かれて一部ミラーバーンとなっていた

その事実を実証、実感するために、BBS鍛造アルミホイールとスタッドレスタイヤを装着した状態で試走してみた。場所は、国内屈指の寒冷地域である北海道の旭川市~上川郡美瑛町エリアで、速度域が高めの圧雪路から、歩くのも困難なミラーバーンまで様々なタイプの低μ路面が広がる。試乗当日の気温は最低でマイナス8度。これでも旭川市あたりではまだ高めの気温だという。

降雪地域だからこそフォレスターのe-BOXERが大活躍。スタッドレスタイヤに鍛造ホイールを組み合わせることで、フォレスターの雪上性能をさらに引き出しつつ、雪道ドライブを安全・安心に楽しめる

試乗車は、国産SUVの中でも高い人気を誇るSUBARUのフォレスター。最新のアプライドB型で、グレードはハイブリッドシステムe-BOXERを搭載する最上級のAdvance。2019年11月にオープンしたばかりの新しい大型ディーラー、北海道スバル・旭川北彩都店にて用意してもらった車両だ。これに、BBSのワンピース鍛造アルミホイール「RF」と、ミシュランの最新スタッドレスタイヤ「X-ICE 3+」を組み合わせて装着。

スタッドレス+鍛造ホイールの組み合わせはメリットだらけ

まずは、走り出しの軽快感がとても印象的だ。軽量なBBS鍛造アルミホイールによりバネ下重量が軽減され、低μ路面でもタイヤが転がり出した瞬間からクルマ全体の動きが明らかに軽い。走り出しの動きが軽快なので、アクセルを踏み込む量が少なく済み、結果として低μ路面での安定感が高まる。

動き出しの軽快感とともに、BBSの鍛造アルミホイールを装着したクルマならではのシャープさを増した操縦性と、情報量の多さによる路面感覚の掴みやすさも印象深い。全国津々浦々の道路を走った筆者の経験から、冬の旭川市内の交差点(ツルツルに磨かれたミラーバーン)は日本でもっとも危険な道のひとつとして認識している。交差点への進入時のブレーキングと、立ち上がりのアクセルワークには最大限の慎重さが求められるが、タイヤと路面がコンタクトしている様子がイメージしやすいので、雪国出身ではないドライバーでも過度に緊張することなくドライブできるのがありがたい。フォレスターのAWD性能と、ミシュランX-ICE 3+の氷上グリップ性能の高さも絶大な安心感に大きく貢献している。

標準装着のアルミホイールを装着した状態では、バネ下の重さが重厚感をもたらし、これはこれでSUVらしく悪くはない。しかし、全域にわたって動きが軽く、路面からの情報量がより豊富となるフィーリングを歓迎するドライバーは多いはずだ。

旭川市内から郊外へ向けると、固く踏み固められた圧雪路のフラットな直線が延々と続き、途方もなく広い大地をひた走る北海道らしいグランドツーリング的なドライブを堪能。法定速度の60km/h程度でも雪上では体感速度域が高めになるが、そんな状況でもわずかなステアンリング操舵にも遅れることなく応答する確かなグリップ感が途切れることなく伝わってくる。朝から夕方までずっと走り続けたが、終始リラックスしてドライブできるので、驚くほど疲れなかった。