輸入車のプロフェッショナルから見たBBSホイールとは?

今まで何セットものタイヤとホイールを組み、車両にマッチングさせてきたアデナゥの高麗店長。 輸入車を扱うプロフェッショナルにとって、BBSの鍛造ホイールはどのような存在なのだろうか

印象に残っているホイールはRSとLM

長年BBSを扱ってきて、印象に残っているホイールはあるだろうか?

「やはり初代RSですね。そのあとのLMは結構な本数を売りましたね。今の1ピース系はずいぶんすっきりとなりましたけど、いいと思いますよ。時代の流れがありますからね。今の業界のスパンって10年くらいだと思うんです。デザイン的に流行を取り入れているのはいいことでしょう」

輸入車とアルミホイールを見続けてきた高麗さん、やはり挙げられたのはRSとLM。どちらもBBSの代名詞であり、今も語り継がれる代表作というわけだ。

「一番びっくりしたのはFI-Rですね。アメリカの顧客向けに作って、一番最初に履いたのを発見して、担当に頼んでみたけど当時は「日本では売ることができない」とダメでしたね。でもその後ちゃんと日本でも発売されましたね」

新世代のBBSの顔となりそうなFI-R。日本ではまったく情報がないタイミングで、FI-Rの存在を知り、それを日本のお客様にも届けたいという姿勢は流石だ。

BBSはまだまだ可能性を持っていると思う

「お客様に聞かれたら、『BBSより優れているホイールはない』って答えますね。実体験に基づいていますから。どこが?って聞かれると困っちゃうんですが、逆にもうその領域まで行っちゃってるんです」

「一般的には、ユニフォーミティ(真円度)が凄いとか、バランスが取りやすいという話なんですが、それがBBSだと当たり前というか。絶対的な安心感がありますね。最近では他社でも素晴らしいホイールが出てきたと思います。ホイールに求められる基本の性能のレベルが上がってきましたね。でもBBSを履いて、同じクルマでそのホイールを脱いで別のブランドに履き替えるという人って、ほとんどいないんです。つまり最初から正しい選択ができるということだと思います。」

もっと多くの人に履いてもらいたい

BBSユーザーは主にストリートユースが多いのだろうか?

「もう少しサーキットを走るお客様に向けたサイズが欲しいなと思います。サーキットはパワー云々よりもまずブレーキありきです。走り込んでいくとスポーツパッドでは足りなくなるでしょう。そうなると大型のブレーキキャリパーに交換するわけですが、そうなるとBBSは現状ちょっと厳しい。だからそのあたりを考慮したサイズ設定にしてもらえると、もっと選んでもらえると思いますね」

アデナゥは、代表自身がレーシングカーのステアリングをプロドライバー。だからドレスアップを望む人だけでなく、サーキットで走りを楽しむ人も多い。そんなユーザーに向けたちょうどいいサイズをというわけ。

ホイールの剛性は、走りに現れる。狙ったラインを正確にトレースするには、しっかりとした剛性のあるホイールがあって初めて、ドライバーの意思をタイヤに伝えることができる。レースでは、BBS製のレーシングホイールの装着率はかなり高い。だからこそホビーレーサーでもその恩恵を受けられるサイズ設定があれば、もっと多くの人がBBSのホイールの良さをサーキットで味わうことができるはずだ。

執筆・監修
MOTA編集部
撮影
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