まず軽い。それも安っぽい軽さではない
続いてはシノハラタイヤのスタッフである桶谷さん。長年タイヤ業界にメカニックとして携わってきた経験から、BBSホイールの印象を語ってもらった。
「毎日何本もホイールを脱着し、何セットもタイヤを組んでいますが、BBSは軽いですね。それも芯のある軽さというか、安っぽい軽さではない感じです。しっかりしているのに、軽いという印象を受けます」
確実な剛性を確保した上での軽さというものが、作業をする桶谷さんにも伝わっている。実体験として、その違いを感じているという。
「もっと軽くすることもできると思うんです。でも闇雲にはやらない。剛性はもちろん必要。だからそのバランスが絶妙なんだと思います。とくに最近はホイールの口径が大きくなってきていますから、余計に感じますね」
今や18インチは普通。標準で20インチオーバーのクルマもある。アフターのホイールに組み替えるとなれば、少なくとも同サイズ、もしくはそれ以上の大径となる。だからこそ、軽さと剛性が必要になってくるというわけだ。
マルチピースの精度が圧倒的に高い
「マルチピースですと、ロングセラーのLMはやっぱり凄いと思いますね。RSも印象に残っています。ワンピースはもちろんなんですが、2ピースや3ピースのホイールでも精度が高いですね。複数の部品が組み合わせられているので、普通に考えてもバランスを取るのは難しいはずなんですが、ホイール単体でバランサーで回しても本当にキレイに回転するんです」
3ピースホイールであれば、ディスクとインナーリム、アウターリム、そしてピアスボルトと、そのパーツ点数はかなりの数になる。パーツひとつひとつの精度が高い上に、さらに組付けの精度も高くなければ、いくらウェイトをつけても振動が出てしまったりする。
「回転するものですから、少しでも偏りがあるとフレに繋がります。一流のタイヤブランドの、いいグレードのタイヤとのマッチングはとてもいいですね。タイヤ側のバランスもいいですから」
真円度が高いホイールに、同じく真円度が高いタイヤを組めば、走りも見違えるというものだ。
せっかく交換するのならばいいホイールを選んでほしい
「いくらパワーのあるクルマでも、タイヤとホイールがないと走れませんよね。どちらも命を預けているところですから、ケチらない方がいい。いいホイールを選んでも、タイヤで値段を調整しようとする人もいます。でもそれはすごくもったいないことですし、危険だとも思います。BBSのホイールを活かすなら、いいタイヤも一緒に選んでほしいですね」
ドレスアップの目線で見ると、タイヤは黒くて丸いもの。だからカッコいいホイールにはお金をかけるけれど、予算が減った分、下のグレードのタイヤを選ぶという気持ちもわからなくはない。しかし、せっかくのホイールを、せっかくのクルマを活かすならば、見合ったタイヤを選んで欲しいというわけだ。今までに何台ものクルマにBBSをマッチングさせてきた人だからこその言葉だろう。
- 執筆・監修
- MOTA編集部
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