LMに続く次のBBSの顔はFI-R、RI-S、そしてジュラルミン鍛造のRI-D
その昔、BBSと言えばメッシュ、という感じで、口の悪い人は「どれがどれだか見分けがつかない」なんていうセリフも耳にしたことがある。しかし最近ではメッシュ一辺倒から、スポークっぽいデザインのものも生まれてきている。
「今のモデルはスポークが交差する数は減りましたが、BBSだとわかるデザインになっていますよね。装着したときの存在感の高さは、やっぱり他のブランドにはなかなか出せないものがあります。富山の工場を見学させてもらったんですが、今でもかなり職人さんの手が入ってます。メイド・イン・ジャパンがいい形で継承されていると思いますね」
ホイール性能の指標となる真円度や、軽量さ、高剛性さもさることながら、塗装のクオリティも高いという。いま市場には「鍛造ホイール」が溢れかえっているが、海外ブランドだからと長い間待ってようやく納品されたのに塗装にバラツキがあったり、重かったり、なかにはサイズが間違っているなんてものもあったりするんだとか。
「ウチはMのお客さんも多いんですが、以前FI-RとRI-Dを試し履きしてもらうというイベントを開催したんです。おそらく世界初じゃないでしょうか。ウチのデモカーではなく、実際に普段運転している自分のクルマで体感してもらったんですが、ほとんどの方が明確な違いを感じたようです」
普通は試すことができないホイールの試着。それを可能にしたこの試し履きイベントが、ホイール購入のきっかけになったお客さんも多かったようだ。
Mシリーズ、そしてSUVの足元に相応しい鍛造ホイール
「バランスもいいですね。各タイヤメーカーのトップモデルと組み合わてもバランスがいいです。BBSのBBSたるところだともいます。スーパーGT300にエントリーしたM6 GT3が履いていたのは「V7」というモデルですが、これが組み合わせると絶妙にカッコいいんですよ。レーシングカーは速さはもちろんですが、カッコよさも必要です」
スリップペイントやスポークの縦断面形状、さらに減肉の仕方など、どれもがリアル。コンマゼロ1秒を削り取るための仕様が盛り込まれている。スーパーGTではタイヤ交換がマストだが、レースメカニックとして帯同してた渡辺店長いわく、V7はとても持ちやすくて交換しやすいんだそうだ。これは副産物かもしれないが、タイムに響いてくる可能性があるだろう。
「最近ではXシリーズでBBSを選ばれる方も増えてきました。専用モデルはまだ少ないんですが、Mモデルのパワーであっても問題ないですね」 重量もパワーもあるXシリーズのMモデル。ホイールに加わる負荷は想像を絶するものがある。それでもこの繊細なデザインが実現できるのは、やはり鍛造のなせる技と言えるだろう。
- 執筆・監修
- MOTA編集部
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