ボルボ 新型V60試乗|ステーションワゴンの王道をゆく力作、これは名車“850”の再来だ!(4/4)

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想像以上にしっかりしたシャシーはモアパワーすら欲しくなる

ボルボ V60のパワートレインだが、筆者もデビュー当初はディーゼルの設定がなくて正直なところ寂しくも思ったが、フットワークとのバランスを考えるとレスポンスの良さや軽快なフィールのガソリンエンジンの方がキャラクターに良く似合っていると思う。

ただ、シャシーが想像以上にシッカリしているため、走り屋ドライバーにはT5では少々物足りなさを感じてしまうかもしれない。個人的には「ポールスターパフォーマンスソフトウェア(ROMチューンで254ps/350Nm→261ps/400Nmに出力アップ)を装着したい。

また、よりパワフルなT6・T8各プラグインハイブリッドモデルは未試乗だが、こちらもどのようなパフォーマンスか気になるところだ。

年を追うごとに進化しているSPAの実力に加えて、新世代ボルボにしては小径のタイヤサイズ、そして全高も重心も低い……と言った基本素性の高さが「走り」と「快適性」を高次元でバランスさせていることを忘れてはならない。

全てのステーションワゴン派に“最新で最良、最も安全なボルボ”をお勧めしたい

改めてステーションワゴンの魅力は何かと考えてみると、素性の良さを活かした「走りの良さ」と全高の低さを活かしたスタイリッシュな「ルックス」、そして見た目以上に優れた「実用性の高さ」のバランスだろう……と。

確かに最新のクロスオーバーSUVはロールを上手にコントロールして乗用車に近いドライブフィールを演出しているが、最終的には“物理の法則”には逆らえないのだ。

しかし、自動車メーカーの多くはクロスオーバーSUVの人気に、ステーションワゴンを見捨てた。メーカーは「売れないからやめた」と言うが、「魅力あるステーションワゴンを提供できなかった」の間違いだろう。その証拠に日本にはまだまだステーションワゴンの保有台数は多く、その人たちに話を聞くと「買い替えたくてもいいステーションワゴンがない」という。そんな人達はもちろん、「最新のボルボは……」と嘆く四角いボルボユーザーにもV60をお勧めしたい。筆者はV60こそがステーションワゴンの魅力を再認識できる一台だと思っている。

もちろん、ボルボの一丁目一番と言っていい鉄壁の先進安全・運転支援機能は、前後左右360°をフルカバー。新たに衝突回避・軽減フルオートブレーキシステムのCity Saftyに「対向車対応機能」をプラス。対向車との正面衝突が避けられないと判断すると自動でフル制動を行ない、自車速度を10km/h落とすことが可能な機能である。たかが10km/hと思うかもしれないが、衝突エネルギーは速度の二乗に比例するためその効果は大きい。日本での死亡事故の最多事故は正面衝突のため、その被害を低減すると言う意味でも実は非常に画期的である。この機能は対応車なのか衝突車両かの見極めが難しく、システムの精度や状況判断が重要となる。このように「最新のボルボは最良のボルボ」であると同時に「最も安全なボルボ」でもある。

また、輸入車唯一の「5年保証」やアクティブローンやスマボなどニーズに合わせた様々なファイナンスプログラムも用意。もはや「輸入車は敷居が高くて……」と躊躇する理由もないだろう。

[筆者:山本 シンヤ / 撮影:小林 岳夫]

ボルボ 新型V60 主要スペック

ボルボ 新型V60 主要スペック
グレードT5 MomentumT5 InscriptionT6 Twin Engine AWD InscriptionT8 Twin Engine AWD Inscription

価格
(消費税込)

499万円

599万円

749万円

819万円

全長

4760mm

全幅

1850mm

全高

1435mm

ホイールベース

2870mm

車両重量

1700kg

1700kg

乗車定員

5名

エンジン

水冷直列4気筒 DOHC ターボ

水冷直列4気筒 DOHC ターボ+スーパーチャージャー

排気量

1968cc

エンジン
最高出力

187kW(254PS)/5500rpm

186kW(253PS)/5500rpm

233kW(318PS)/6000rpm

エンジン
最大トルク

350N・m(35.7kgf・m)/1500-4800rpm

350N・m(35.7kgf・m)/1700-5000rpm

400N・m(40.8kgf・m)/2200-5400rpm

モーター
最高出力

34kW/2500rpm(前)65kW/7000rpm(後)

モーター
最大トルク

160N・m/0-2500rpm(前)240N・m/0-3000rpm(後)

燃費
(JC08モード)

12.9km/L

12.9km/L

駆動方式

2WD(FF)

電子制御AWD(エンジン+モーター)

トランスミッション

8速AT(ギヤトロニック)

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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