【2台対決】アウディ A3 Sportback vs. ボルボ V40 どっちが買い!? 欧州Cセグのプレミアムコンパクトを徹底比較(2/3)

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アウディ A3 Sportback vs. ボルボ V40|エンジン動力性能比較

今回試乗したA3は1.4リッターのターボ。対するV40はT3だから1.5リッターのターボとなる。実際にスペックを比較してみると、A3の1.4TFSIは最高出力122ps/5,000~6,000rpm、最大トルク200Nm/1,400~4,000rpmとなる。対するV40は最高出力152ps/5,000rpm、最大トルク250Nm/1,700~4,000rpmとなっている。

車両重量はA3が1,320kgなのに対して、V40が1,480kgとなる。パワーウェイトレシオ的にもV40がわずかに有利だが、実際に乗ってもその印象は同様。やはりV40の方がパワフルさで勝っている印象だ。

一方でA3は精緻なエンジンの回転感が特徴で、なめらかなフィーリングが届けられるのが特徴。とはいえ、トルク感はV40の方が強く感じられるため、全体的な走りにおける余裕を感じるのはV40といえるだろう。

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またトランスミッションを含めたスムーズさでみると、やはりA3に搭載されるツインクラッチトランスミッションの7速Sトロニックよりも、V40に搭載されるアイシン製6速ATの方が、ギクシャク感は少なく滑らかな印象が強いのが実際。ただ一方で変速の歯切れの良さや素早さはA3のSトロニックに軍配があがるため、両者それぞれに良いところがあるといえる。

また、どちらもその排気量からすれば、十分以上に力がある、という表現に変わりはなく、少ないアクセル開度で気持ちよく走れる仕上がりとなっている。

アウディ A3 Sportback vs. ボルボ V40|走行性能・燃費比較

今回の試乗車のA3はSラインということもあり、その印象は当然スポーティ。しかしながらV40と比べると、低速でのゴツゴツ感が若干気になる。

これはタイヤがブリヂストン製の18インチ(225/40R18)であることも起因しているのだろうか? 全般的に硬めの印象で、足回りそのものに張りがある感覚だ。そのために低速ではタイヤの回転感もややザラついた印象を受けたのだった。

一方のV40は装着タイヤが17インチ(205/50R17・ピレリ製)ということもあってか、A3に比べるとマイルドな乗り味。加えて低速の乗り心地はドライバーを包み込むような優しさがあって好印象だ。とはいえ単にソフトなだけではなく、フラットな感覚は忘れていないのが良いところといえるだろう。

ハンドリングに関しては、スポーティな感覚の強いA3の方が切れ味鋭い感覚がある。ハンドル操作をすると、ステアリングシャフトの芯がしっかりと感じられるインフォメーションが伝わってくる。この辺りは信頼感がおける部分といえるだろう。

一方V40は、A3に比べると全てが穏やかである。なので切れ味は鋭い感じがしないわけだが、逆にいえばちょうど良い塩梅で肩の力が抜けていて、リラックスしてドライビングできる味付けともいえる。ハンドルを操作していくと心地よいロールが生まれて、しんなりと曲がっていくという、A3とはある意味対極にあるハンドリングを見せる。

そしてこの辺りもまた2台でキャラクターが大きく異なる部分といえるだろう。

一方で燃費に関しては今回、計測するほどの距離は試乗していない。が、カタログ値(JC08モード燃費)で比べて見ると、まずA3は19.5km/Lとなる。これに対してV40は16.5km/Lとなっている。この辺りはやはり、エンジンの出力の大きさや車両重量との関係によるところが大きいといえる部分。実際にエンジン出力で勝る上に車両重量も重いボルボの方が数値的には不利になっている。

アウディ A3 Sportback vs. ボルボ V40|先進安全装備比較

先進安全装備ADAS(Advanced Drive Assist System)に関しては、いまやクルマを購入するときにとても重要なポイントとなる部分である。では早速、この点でA3とV40を比較してみよう。

まずA3だが、アダプティブクルーズコントロール(ACC)や自動ブレーキ(アウディプレセンスフロント)は当然装備しており、自動ブレーキは10~65km/hで歩行者を、10~250km/hで前方のクルマを検知する。

さらにオプションで渋滞での完全停止・再発進までを制御するトラフィックジャム・アシストも備える他、車線逸脱も防ぐアクティブレーンアシストなどの運転支援システムを、アシスタンスパッケージ(130,000円)として用意する。

ここには他にサイドアシストや、後退時に横切るクルマに対して機能するリアクロストラフィックアシスト、さらにハイビームアシストなども備えており、現在考えられうるほぼ全ての安全装備を備えているといえる。

一方のV40だが、こちらはさらに上を行く安全装備が充実しているのが特徴。

まず自動ブレーキに関しては、ボルボの場合は4~200km/hの範囲で、歩行者や車両に対して反応するのはもちろんのこと、サイクリストも検知して反応する点がウリといえる。

もちろんアダプティブクルーズコントロールに関しても全車速追従機能付きとなっているので、渋滞等にもしっかり反応して完全停止まで対応するものとなっている。

ハンドル操作まで介入する機能は採用されていないが、LKA:レーン・キーピング・エイド(自動補正や振動警告する機能)は備わる。またA3同様のリア・クロストラフィックアラートに加え、A3には備わらない歩行者エアバッグも搭載するなど、非常に充実した装備内容となっている。

しかもこれらの安全装備全てが、ベーシックなグレード「T2 Kinetic」(2,990,000円)から区別なく全車で標準装備されるという事実こそ、このクラスとして特筆すべき点といえる。

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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