「顧客満足度No.1」を目指すボルボ、2年ぶりにセールスコンテスト「CS-VESC」を開催(3/4)
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:オートックワン編集部
団体戦はさらに「リアル」なシチュエーションに!
そして午後からはチーム競技がスタートした。チーム戦ではディーラーごと3名1チームで、個人戦よりもさらに複雑なシチュエーションに対応することになる。競技時間は20分もある。でも実際、開始するとその時間はあっという間に過ぎてしまう。
まずセールスマンAに「V40クロスカントリーが店舗にあるかどうか」の問い合わせ電話がセールスマンCに掛かってくる。でもセールスマンCは外出中で不在だ。ここでもいきなり適切な電話対応が要求される。
すると間もなくベビーカーに子供を乗せた若い夫婦が来店してくる。ママは39歳、所有するクルマは2015年式のV40 T4 SE(設定が細かい!)で、接客対応はセールスマンBが行う。でもママはどうもご機嫌ナナメ。店に入るなりベビーカーを押すパパを置いて1人でどんどん店舗奥にあるV40の展示車に向かう。ここでママのちょっと怒っている雰囲気に気がつくかどうかも大事なポイントだった。
いきなり不満顔の来店客! どう応対する!?
ママはセールスマンBに「カーナビの矢印が出なくなった」と不機嫌そうに説明するが、内容は曖昧。どうもメーターの真ん中のインフォメーションに、カーナビ使用時に出る矢印が表示されないようだ。カーナビの設定画面で矢印の表示の有無を選択出来るので、パパがカーナビを触った際に設定を変更してしまった、というのが正解なのだが、ママのわずかな情報からトラブルの内容を類推しなければならない。
ママを運転席のシートに座らせてセールスマンが助手席からナビを説明するのが正しい対応のように思うが、中にはママを立たせて自ら運転席に座ってしまうセールスマンや、ナビ設定がわからず調べて後日ご連絡します、というチーム、設定がわかるセールスマンに内容をバトンタッチして問題を解決したチームもいた。ナビのトラブルが解決しないときは、ママを演じる女優の方が完全には腑に落ちない顔をする。自分でもたしかにそうなると思う。演技がうまい。
試乗へ出たパパ、その時ママは・・・
設定を変えたことが原因で、なんとなく恥ずかしいママは気分を直して、パパ(なお、パパは2010年式アウディQ5を持っている…これまた細かい設定!)に「パパのクルマもアウディからボルボにしよう」と提案する。
パパは買い替えたいな…と思って来店しているのでまんざらでもない。
セールスマンBはパパにXC90を薦める。このときライバル車であるQ7との違いを解説出来る出場者もいた(ここでもパパはなんとQ7の見積もりも取っているという裏設定有り!)。パパはXC90の試乗を申し出て、いったん会場から姿を消す。
ママは「私は残るから行って来ていいよー」と言ってディーラーで待ち、その間に興味があったボルボ純正チャイルドシートを見出すのだが、ここでもセールスマンがママの行動に気がつくか、気づいてからどのように対応するかも審査される。
3人目の来店は既納客で乗り換え検討中、しかし状況が変わった!?
このやりとりと同時進行で、最初に電話を掛けて来た顧客がV40を見に来店する。その頃セールスマンCは店に戻っているので、彼に対応することになる。この顧客にも「40代前半、小学校低学年の子供がいる、現在所有のクルマはXC60 T6 SE AWD、2017年8月に車検。セールスにはXC90を薦められていたが、なにやら状況が変わったらしい」というペルソナが設定されていて、ここまでが出場者に伝えられている。つまりボルボの既存客ということになる。
顧客はどうも単身赴任が決まったようで、今持っているXC60を赴任先に持って行き、妻用にV40クロスカントリーを追加で買おう、というプランに変更したことが判明する。V40クロスカントリーを選ぶのは、子供がサッカーをやっていて、荒れ気味の場所にもクルマで入っていかないといけないので地上高が大きめのほうが嬉しいようだ。ちなみに単身赴任先は仙台で期間は2年、というこれまたかなり詳細な裏設定まであるのだが、この裏設定は出場者によって引き出したり出さなかったりしていた。それにしても裏設定がどこまでどんな風に設定されていたのか、今でも気になって仕方がない(笑)。
顧客はもうV40クロスカントリーを買うことに前向きなようなのだが、クルマのことは詳しくはわからない様子。
そこで抜かりない出場者だとここでディーゼルとガソリンのメリット、使い方によってどちらを選ぶべきかなどをきちんと説明し、2年後に戻ってくるかもしれない可能性を考えて現所有のXC60の車検を薦めたり、2台目を持つことに対してお金が掛からない方法を提案したり、試乗のアポを確実に取り付けたり、V40に用意されている色を見てもらうために試乗時になるべく希望色の試乗車を用意出来るように手配するなど、「そうそう、良い対応!」と見ていて膝を叩きたくなる場面も。出場者による対応の違いが明確になるシーンも多かった。
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