北ホール9・10にまたがるエリアには、フォルクスワーゲンがブースを構えていた。
ここへきて、新たなムーブメントとしての胎動を感じるのは「世代を超えた共感」。大人が元気になってきた証、かもしれないし、そこへ続く若い世代の感受性がより成熟し、主体的に取捨することがスタイルの中に織り込まれてきていることの顕れなのかもしれない。
親や先輩の世代に一世を風靡したものが再び流行る。30年周期で流行は繰り返す、とも言われるが、単に再び流行ったのではなく、世代間の共鳴、呼応、そうした関係性も含めて盛り上がっていく傾向を、VWブースではにわかに感じることが出来た。
フロントグリルに隈取よりもさらにシャープな赤いアクセントラインが施され、シートの生地にはチェック柄を採用。そんなGTIはその時その時のクルマ好き、若者の憧れの一台に必ずと言っていいほど選ばれる牢固たる名車であり続けてきたことは、生まれ故郷のドイツを遠く離れた遠く極東の異国の地でも同じことだったのかもしれない。
フォルクスワーゲンゴルフ GTIは、まさにそういうアイテムの中核をなすアイコンと言えるのではないだろうか。
この1月よりカスタマイズパーツの取り扱いを開始するとの発表はすでに2016年末の段階で出されていたが、今回の東京オートサロンではそれを受けて、ゴルフGTIやゴルフRに対応するカスタマイズパーツを施したコンセプトカーを展示。
一台は、モータースポーツに積極的に参戦、高い技術力を磨いてきた日本の老舗チューナー「COX」によるコンセプトモデルで、そもそもが素直で上質に仕上がっているフォルクスワーゲン社の足回りの良さをさらに引き出すことを可能にするキットを組んだクルマが展示された。
そしてフォルクスワーゲン本社のアクセサリー部門が、やはりドイツの老舗チューナー「Oettinger(エッティンガー)」と共同開発したエアロパーツも展示。日独からゴルフの素材の良さと、懐の深さを見守ってきた二大チューナーの仕事の競演を目の当たりにするチャンスだ。
また、当日の会場にはフォルクスワーゲンが筆頭株主のスウェーデンのトラックメーカー「スカニア」のトレーラーもブース内に鎮座。プロユースだからこそお国が変われば、その思想の違いがクルマの随所に現れるものだが、会場では運転席に座ることができるように公開され、アトラクションの一つとして来場者を迎えた。
またフォルクスワーゲンブースではTポイントが積算できる各種Tカードを持っている人にはポイントが付与されていた。
昨年はいろんな話題の中心になったフォルクスワーゲン、それでも支持し続けてくれる人の多さに応えたいと関係者は話す。スポーティなフォルクスワーゲンで広がる共感の輪。昔からのチューナーの名前に懐かしむだけでなく、一緒に夢を見るブースであった。
[Text:ダブルクラッチ]
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