VW 新型ゴルフ ヴァリアント 試乗レポート/松下宏(2/2)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:柳田由人
動力性能が高いスポーツラインは走り志向のユーザーにオススメ!
搭載されるエンジンはVWが多くの車種に採用しているガソリン直噴+過給器のTSIエンジンが3機種で、1.4リッターのシングルチャージ、1.4リッターのツインチャージ、2.0リッターのインタークーラー付きターボの3機種が用意される。
パワーはそれぞれ90kW、118kW、147kWを発生。ベースとなる90kW仕様のエンジンを搭載するトレンドラインは16.8km/Lの燃費を実現しており、118kW仕様のコンフォートラインも16.2km/Lを達成した。この数値はさすがにエコカー減税の適用には届いていないが、車齢13年以上の所有車を廃車にして、新車を買うときの25万円補助金は受けられる。
装備の充実度の高さは従来のモデルから受け継いだものだ。特に安全装備に関しては、横滑り防止装置のESP、EBD付きABS、ブレーキアシスト、8つのSRSエアバッグ、ムチ打ち低減フロントヘッドレスト、全席3点式シートベルトなど、とても充実したレベルにある。
快適装備はグレードによる違いがあって個人的にはコンフォートラインのように進んだ快適装備を備えたモデルが良いと思う。レインセンサーワイパーやオートライト、コーナリングライトなどは、使い始めると手放せない装備だ。
ゴルフ ヴァリアントの試乗では3グレードすべてを試してみた。
走りに関してはトレンドラインに搭載される90kW(122ps)仕様のシングルチャージでも十分という感じの走りのフィールがある。車両重量は1400kg弱で、このクラスのクルマとしてはちょっと重いかなという感じだが、その重さを感じさせない走りを見せた。
コンフォートラインには118kW(160ps)仕様のエンジンが搭載されていて、余裕ある走りを楽しみたいなら、このエンジンという感じ。低速域からトルク感いっぱいの走りを見せ、どんな速度域からでも滑らかに加速していく。
ここまでの2グレードには7速DSGが組み合わされている。ごく低速で走る時には、わずかにギクシャク感を感じさせるところがあるが、通常の走りはショックを感じさせない上質な変速フィールを味わわせてくれる。高い操縦安定性を確保しながら、乗り心地の良さもスポイルしない乗り味はゴルフならではといった感じ。電動パワーステアリングの操舵感もとてもしっかりしたもので、確かな手応えがとても心地よい。
スポーツラインは動力性能が高いレベルにあるだけでなく、スポーツサスペンションを採用した足回りも硬めの乗り味で高い操縦安定性を発揮する。エンジンが大きくなるために車両重量が1520kgを超えてしまうのはやや残念だが、そのボディを豪快に加速させる実力がある。組み合わされるDSGは6速タイプだが、乾式の7速に対して6速はオイルを介する湿式DSGとされているため、変速の滑らかさは、ひとクラス上のものとなる。
スポーツタイプのレザーシートなど、装備も走り志向を強めたものとされているし、前述のように外観も差別化されているので、走り志向のユーザーを中心にスポーツラインも人気を集めそうだ。
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