”GTI”があればスポーツカーはいらない!? ゴルフ GTIのハイスペックモデル2種をサーキットで乗り比べてみた!(3/5)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:和田清志
とにかく速い!ゴルフ最強ともいえる「トラックエディション」
最初に走らせたのは、5月に発売されていたトラックエディションだった。
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ピットロードの出口からスロットルを踏み込んでみると……速い速い!
まだ回転をそれほど上げてない段階からトルクがグイッと盛り上がったかと思うと、パワーを次第に気持ちよく膨らませながらシャープに吹け上がっていく。加速度的な速さ、といってもいいだろう。
ブースト機能が働いたときの加速感は、とても5ドアハッチバックのものとは思えない勢いだ。間違いなくゴルフ最強、であろう。
コーナリングのスピード感と安定感が両立
が、それより印象が強く残ったのはシャシーの方だった。その強力なアウトプットに全く負けてない。
コーナーの侵入では狙ったとおりにノーズが素直に素早くインを刺し、ほとんどタイムラグなしにリア側がしっかり追従して、ラインをトレースすべくグイグイ曲がっていく。立ち上がりでは余計なトルクステアなど感じさせることなく、スパッと気持ちよく加速体勢に入っていく。
タイヤが少しずつ悲鳴をあげはじめる段階になっても、リアは驚くほどにどっしり構え、ズルッとブレイクしたりする気が全くしない。タックインも、ほとんどしないも同然。
コーナリングスピードはゴルフ最速どころか生半可なスポーツカーをうっちゃっていけるレベルなのに、盤石といえる安定感だ。
極端ないい方をするなら、ドライバーはこむずかしいことを考えずにセオリーどおりに走れば、かなりいい感じの速度で、安心感たっぷりにコーナーをクリアしていくというスポーツを楽しめちゃうのである。
それはもちろん可変ダンパーをはじめとしたサスペンションのセッティングが巧みだからに他ならないのだけど、必要なときにはシームレスに立ち上がってきて強力な効き目を発揮する電子制御LSDによるところがものすごく大きいと思う。
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