フォルクスワーゲン ゴルフ7 海外試乗レポート/藤島知子(3/3)

  • 筆者: 藤島 知子
  • カメラマン:フォルクスワーゲン グループジャパン
フォルクスワーゲン ゴルフ7 海外試乗レポート/藤島知子
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厳しい走行環境でみせた驚きの安定感

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アウトバーンは右側通行で、追い越し車線では250km/hを超えるクルマが疾走し、対して右側レーンでは100km/h程度で走る遅いクルマが混在するという、日本では考えられないくらいの車速差が生まれる交通環境といえる。

そうした緊張感の高まるシーンの中、ゴルフ7は200km/hで巡航していても落ち着いて会話が楽しめるだけの安定性を見せることに驚かされた。路面のうねりを乗り越えても、足回りは軽快なフットワークでフワリとついてくる感覚で操縦安定性に優れた走りをみせる。

レーンチェンジを試みると、ゆったりしたリズムで移動を開始したにも関わらず、クルマの姿勢の収まりもいい。

今回の試乗車はどれもスタッドレスタイヤを装着していたが、アスファルトに接して滑らかに走るさまとドライバーが意のままに扱える軽快な身のこなしは、スポーツウエアを身に付けている時のように心地良いフィット感を連想させた。

VW ゴルフ7

路面側から入力される突き上げなどのストレスは柔軟性に優れた足回りが見事にいなしてくれていた。そこで得られたメリットは前席のみならず、後部座席にミドルクラスのプレミアムセダン並みの乗り心地が与えられていることだった。

居住空間についても、キャビンは拡大されたボディサイズを生かして身体回りにゆとりがもたらされたレイアウトになっているので、その空間を生かしてファミリーカーとして使っても快適性の面で大きなメリットが得られそうだと思った。

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もちろん、こうした成果はフォルクスワーゲンが磨きあげてきた技術力に裏打ちされている。

ゴルフ7は車両全体で最大100kgもの軽量化が行われたというが、ベースとなる車体は一般的な鋼板の最大6倍の強度を誇る熱間成形パーツを先代の6%から28%まで高め、高張力綱は66%から80%に、超高張力綱は9%用いることで軽量化と高剛性を両立させているという。

足回りについても重量低減を図り、新しく採用された超軽量リアサスペンションが軽快なフットワークに効果をもたらしていた。

第6世代から更なる進化を遂げた第7世代のゴルフ。走りの愉しさと環境性能、快適性を向上させているほかにも、コンパクトクラスの常識を覆す安全装備の充実ぶりに注目して欲しい。

事故を未然に防ぐアクティブセーフティとしては、up!から導入された30km/h未満で追突事故を回避または被害を軽減するシティ エマージェンシー ブレーキの機能を加えたアダプティブ クルーズ コントロールが採用されているほか、不意に車線逸脱した際にハンドルに修正舵をあてるレーンアシスト機能も追加。新たにマルチコリジョン ブレーキ システムを標準装備し、人身事故の4分の1に値する多重衝突事故の被害を軽減するブレーキ機能なども追加されている。

メーカー側の色々な思いが込められているCセグメント

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日本市場において、2013年はゴルフを含むCセグメントが豊作の一年となりそうだ。

メルセデスベンツのAクラスやボルボのV40に始まり、フォード フォーカスも300万円を切るスタート価格で勝負に出てきている。

かつては一部の富裕層が手にしていたブランドが幅広いユーザーが手にしやすい価格帯、扱い易いサイズのモデルに力を注いできている背景には、無駄なものを削ぎ落としたクルマを選びたいと願うダウンサイジング層の乗換え組を取り込んだり、ブランドに新しいユーザーを呼び込みたいというメーカー側の思いが汲み取れる。

日本人にとって、最も身近な輸入車のイメージを与えてきたゴルフだが、これまで以上に時代の流れがこのクラスにフィットしてきていることを踏まえれば、コンパクトクラスだけでなく、もっと幅広い層をターゲットに迎えることになっていきそうだ。

以前よりも多くのライバルが土俵に立ってきている中で、ゴルフ7が日本市場に上陸した際、どのように受け止められていくのか注目していきたい。

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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