岡山県
美作
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名泉鍵湯 奥津荘 旅人を癒す「奇跡の名湯」足元湧出泉を堪能する宿

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奥津荘

中国自動車道からおよそ30分。運転の疲れを感じる間もなく、奥津渓(おくつけい)はその姿を現す。春から夏にかけては新緑が、秋は見事な紅葉が彩る渓谷近くに佇む建物が、創業から九十余年の歴史を誇る奥津荘だ。登録有形文化財にも認定されたノスタルジックな姿は、大正末期に建てられたという前身の錦泉楼(きんせんろう)の姿そのままに、訪れる人の目を楽しませる。

歴史津山藩の初代藩主・森忠政公御用達の「鍵湯」

奥津荘が擁するのは、「鍵湯(かぎゆ)」と「立湯(たちゆ)」、そして「川の湯」と「泉の湯」の4つの温泉。なかでも鍵湯は、1603年に津山藩の初代藩主となった森忠政が鍵をかけて「御用達」としたことからその名がつけられた。
「当時ここにあったのは、吉井川の底の花崗岩から湧き出た露天風呂のような温泉だったようです。おそらくもう何百年も前から、地元の人たちが自由に利用していたのでしょう。そこへ通りがかった森忠政公がその湯を絶賛して周りを囲い、鍵をかけたそうです」。こう語るのは、代表取締役の鈴木治彦さん。下呂温泉にも近い美濃(岐阜県南部)出身だった忠政公には、加温も加水もせずそのまま入浴できる温泉の希少性がすぐに理解できたのではと話す。
現在も鍵湯と立湯は当時と変わらぬ場所にある。国内でもわずか30数カ所しかないという、岩盤から浴槽に直接湧き出る「足元湧出泉」として人気を博している。

温泉心身をいたわりたい今だからこそ選ぶ、国民保健温泉地

環境省によって国民保養温泉地に指定されている奥津温泉。「特に、医師の協力を得て温泉の保健的利用を促進することが期待できる条件を備えた温泉地」として、全国で21カ所しかない「国民保健温泉地」にも選出されている。
「社会情勢などの変化に伴って、これまでにないほどの疲れを抱える人が増えています。奥津温泉の湯治の効果に再注目し、心と体を芯から癒してほしいですね」と鈴木さん。岩盤から湧き出た湯は、一度も酸素にふれることなくその成分を体に浸透させていく。鈴木さんは「奥津温泉は必ずしも、人々がにぎやかに行き交う観光地である必要はないんです」とも。24時間新鮮な湯を湧き出し続ける温泉は、真にその効能と、伝統を包みこんだ静謐を求める人のために存在している。

料理何度も温泉に入る身体を、内側からも整えていくメニュー

奥津荘で提供される料理には、地元産を中心とした野菜と岡山県北を代表する牛肉がふんだんに使われている。素材は、調理師免許を持つ鈴木さんが、料理長とともに産地に赴いて厳選。牛の骨からそずり(削り)落とした肉を使った郷土料理「そずり鍋」や国産黒毛和牛のしゃぶしゃぶなど、うまみたっぷりの牛肉を盛り込んだ献立を豊富に揃える。
コンセプトは「温泉に入りたいという、お客さまの気持ちを邪魔しない料理」。一般の温泉旅館での平均入浴回数が2回であるのに対し、奥津荘での入浴回数は平均5回。食事のあとでも温泉を楽しめる、体に負担のかからない料理が湯治を後押しする。調理場には温泉が引いてあり、ごはんを炊く水やしゃぶしゃぶにも温泉水が使われる。「温泉につかって外から体を癒やすだけでなく、体の内側からもきれいになってほしい」との思いが、厳しい時代を生きる人を優しく包みこむ。

客室吉井川の流れと奥津の自然に包まれて、五感を解き放つ

2004年に行った全面改装の際、16室あった客室を8室まで減らしたという奥津荘。国内有数の人気を誇る温泉でも、混雑を避けてゆったりとお湯を楽しむための配慮がなされている。
「清閒亭(せいかんてい)」と「聴泉亭」は、一棟ずつ離れになった露天風呂つきの客室。江戸時代の末期、温泉街の山の中腹にあった料理屋の建物を移築したものだ。当時を偲ばせる古式ゆかしき佇まいは、国内だけでなく海外からの宿泊客にも好評を博している。これに加えて、4室の和室と、「宿についてすぐ、横になってくつろぎたい」との声に応えた洋室が2室用意されている。
吉井川のせせらぎと、奥津の豊かな緑に囲まれたこれらの客室に滞在していると、五感が解き放たれていくはずだ。雄大な自然の力に癒される、この上ない滞在を楽しんでほしい。

アート・インテリア選び抜かれたインテリアで、郷土の美を世界に

レセプションには、伝統技法を駆使した「真庭組子」を手掛ける「佐田建美」の組子細工。ラウンジには、薄く切った桜の木で繊細に造形された照明器具。ロビーには、昭和20年代に度々この地を訪れた棟方志功の作品も。また、2020年にリニューアルした「清閒亭」の壁には、岡山の名産品であるデニムを生かした素材が採用されている。
これら、選びぬかれたインテリアやアートも、奥津荘の魅力のひとつだ。「ここを訪れたお客さまには、日本やこの地域の伝統・文化も楽しんでいただきたい」との思いが込められている。たくさんの価値あるものを目にしてきた宿泊客も、その洗練された美しさに魅了されてしまう。歴史の審美眼に耐えた本物だけが集う場所として、奥津荘は今もゆっくりとその価値を深めているのだ。

「当館の良さは、湯の質や建物の趣深さ、料理のおいしさといった、視覚や味覚・触覚のみならず、お客さまの『無意識』に訴えられるものでありたい」と話す鈴木さん。日々の生活で刺激やストレスにさらされた五感を和らげ、この宿でしか味わえない心地よさをお客さまに堪能してもらいたいという。幼少期からこの温泉で育ち、県外での生活も経験しながら、変化するものと変わらずそこにあるものを見つめてきたからこそ発せられる言葉が、印象に残った。

キーパーソン

代表取締役 鈴木治彦(すずき・はるひこ)

岡山県鏡野町出身。高校卒業後は奥津荘の継承を見すえ、福岡県の中村調理師専門学校に進学。旅館経営の核となる料理の知識を身につけた。卒業後は県北の雪山で培ったスキーの経験をいかし、スポーツ用品を扱う会社に就職。26歳のとき全面改装を機に奥津荘に入社、2013年に代表取締役に就任した。何代にも渡って守ってきた旅館に対し、「お客さまが『また来たい』と思える何かを残すことが、自分たちの責任」と話す。

2019年から2021年までは、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部で部長を務め、新型コロナへの対応やGoTo事業など様々な政策にも関わった。国を上げた施策に携わってきた経験と、県外と奥津を行き来するなかで培われた広い視野で、奥津と日本の旅行業界のこれからを冷静に見定めている。

お知らせ

衛生管理(新型コロナウイルス感染予防対策)について

【奥津荘より衛生管理について】
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぎ、お客様に安心してご宿泊頂くため、以下の対策を実施しております。
・館内の清掃時の換気、ドアノブ、トイレなど、各備品のアルコール消毒
・パブリックスペースの定期的な消毒・換気
・従業員の出勤時の検温、定期的な消毒、手洗い、うがい。勤務中のマスクの着用を義務付け
以上の対策のほか、お客様にも手指消毒およびパブリックスペースでのマスク着用にご協力いただいています。ご不便をおかけいたしますが、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。
更新日:2021年6月1日

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