伊豆半島の中央部、自然豊かな温泉郷・湯ヶ島に位置する「おちあいろう」。1874年の創業から連綿と続いてきたこの宿は、明治には島崎藤村、大正には川端康成、昭和初期には北原白秋など名だたる文人に愛されてきた。昭和初期に最高峰の職人によって建てられた7棟の建物は、国の有形文化財に登録されており、入口から廊下、客室、階段まで館内の随所で趣深い建築美を愉しむことができる。格式高い旅館でありながら、故郷に帰ってきたような安らぎを感じる、一人ひとりに寄り添うおもてなしも心地いい。
目次
温泉・サウナ心と身体が芯から“ととのう”至極の温泉&サウナ
洞窟風呂、露天風呂、内風呂と3種類ある源泉掛け流し温泉は、2019年にリニューアル。個性豊かな2種類のサウナを新設した。狩野川に面した露天風呂では、渓流の音に耳を傾けながら山々の景色を堪能。そして川から吹き込む涼やかな風にも癒される。
「天狗の湯」には、無骨な岩に囲まれた洞窟のような露天風呂に、足元に温泉が流れ落ちる保湿効果の高いサウナを併設。「月の湯」には、木漏れ日が差す内湯に、風情ある造りの茶室サウナを設け、ゆったりとした特別な時間を演出している。
新設したこれら2つのサウナは、業界の第一人者“ととのえ親方”こと松尾大氏が監修したもの。「サウナで身体を温めた後、水風呂に入り、川の音を聴きながら外気浴をする。心身共に“ととのう”。本当に、クセになりますよ」と、旅館の主人・村上昇男さんも胸を張る。全国のサウナを評価する「サウナシュラン」に2年連続で選出され、サウナファンからも注目を集めている。
料理・サービス地元の旬食材を活かし丁寧に作り上げた一皿を地酒と共に
沼津港で仕入れた海の幸や、地元で採れた野菜や山菜、ジビエなど四季折々の食材を味わえる料理も格別。鰹節から丁寧にとった出汁や、炭火で仕上げる焼物など、日本料理の基本を大切に一つひとつ丹精込めて作り込まれた料理は、素材本来の旨みを引き出す。他人の目を気にせず、個室で寛ぎながら食事ができるのも嬉しいポイントだ。
また旅館には珍しく、滞在中の飲み物や軽食が宿泊費に含まれている“オールインクルーシブ”。料理の魅力を引き立たせる日本酒やワイン、生ビール、地酒など、飲み物を気兼ねなく愉しめる。滞在中は、個室食事処や客室に用意された飲み物をはじめ、ラウンジのコーヒーやアルコール、甘味、おつまみなどもほとんどが無料。美味しい料理とお酒を心ゆくまで堪能してほしい。
滞在中の過ごし方喧騒から離れた雄大な自然の中で、癒しも遊びも
「お待ちしておりました」という女将の出迎えから始まる“おちあいろう”での癒し時間。館内では幅広い世代が満足できるよう、さまざまなサービスを用意している。
日頃の疲れを癒したい女性やカップルには、丁寧なカウンセリングで一人ひとりの身体に合わせた施術をしてくれるスパが人気。施術中は小鳥のさえずりや木々の香りに包まれ、自然のエネルギーに心の底から癒される。
また、アクティブに過ごしたい子ども連れの家族には川遊びがおすすめ。川辺まで下りて泳げるだけでなく、1日1組限定のBBQプランでアウトドアも気軽に楽しめる。そして、無料でレンタルできる自転車での周辺観光も好評だ。電動アシスト付きなので坂道もらくらく。修善寺サイクリングや天城越えで、伊豆の雄大な自然を満喫しよう。
客室・設備建物の随所に光る建築美、文化財に泊まるという贅の極み
意匠が異なる全16室の客室もこの宿の魅力。昭和初期の宮大工が競い合うように趣向を凝らした建築は、現在7棟が登録有形文化財に指定されている。当時の造りを残しつつ2019年にリニューアルし、歴史の趣を感じながらも快適に過ごせる空間を作り上げた。
客室や廊下に施された組子細工や透し彫り、当時の職人の手仕事で作られたガラス窓、屋久杉や紫檀をはじめとした貴重な建材など、館内のあちこちに見どころがある。館内散策をしながら文化財の由緒を説く、村上さんによる文化財ツアーも興味深い。当時の職人の高度な技術や、さまざまな時代をくぐり抜けてきた建物へ思いを巡らせてみるのも一興だ。
ロケーション・眺め時代を越えて人々を癒す 伊豆の自然を享受できる宿
伊豆中部の山間を流れる本谷川と猫越川が落ち合い、狩野川の力強い流れへ続いていく―。これらの川の畔に佇むため、旧幕臣・山岡鉄舟によってその名がつけられた「おちあいろう」。二本の川が一つに交わることから、プロポーズの場所に選ばれることも多いそうだ。
約4,000坪もの広大な敷地を流れる川には、吊り橋が架けられている。そこで散策したことを、作家・川端康成も「湯ヶ島での思ひ出」に綴っている。明治から令和の現代に至るまで、多くの文人墨客を癒してきた老舗旅館。客室や露天風呂、ラウンジからも渓流や伊豆の山々が望め、いつの時代も変わらずに厳かな伊豆の自然を守り続けている。
創業から140年以上もの間、人々に癒しを与え続ける「おちあいろう」には、普遍的な日本の美学を感じる。おちあいろうで過ごすひとときは、喧騒の中で失われつつある大切な“日本の価値観”を教えてくれるだろう。「忘れないうちにまた来よう」と、大切な人と思い出を重ねたくなる、そんな老舗旅館だ。
キーパーソン
「大切な人、恋人と、お子さまとの家族旅行に、お一人でのお籠りに。おちあいろうでは、全ての方が実家に帰ってきたかのような安らぎと居心地の良いご滞在ができるようおもてなしいたします」。『日本のおもてなしを世界中の人へ』をコンセプトに掲げ、日本古来の魅力を残しつつ、より幅広いお客様に満足していただける“おもてなし”を提供。2019年には水回りとエントランスのリニューアルを行い、インクルーシブでのサービスを導入した。また、お客様の好みや要望をスタッフ間で共有することで、一人ひとりに寄り添ったおもてなしを実現している。
お知らせ
衛生管理(新型コロナウイルス感染予防対策)について
【おちあいろうより衛生管理について】
<館内での取り組み>
・消毒液(アルコール)の設置
すべての客室・玄関・化粧室・大浴場入口に消毒液を設置し、お客様が手指の消毒をしやすい環境に努めております。
・館内消毒の実施
ドアノブ・扉・エレベーター内のボタン・化粧室の扉等、お客様の触れる機会が多い箇所は、アルコールによる消毒を1時間に1回程度実施しております。
・窓の開放、空調機器による換気を実施しております。
・三密の回避
お食事は個室にてご支度しいたします。
時間制でご利用いただける貸し切り大浴場(星の湯)を設けております。
取り組みの詳細は下記よりご確認くださいませ。
https://www.ochiairo.co.jp/topics/covidprevention/
更新日:2021年5月15日