湯河原
ふきや
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7つの湯をめぐる極上の宿

ふきやの玄関には大きな暖簾がかけられている。訪れる旅人は皆、否が応でも目にするこの大暖簾をよく見ると、染めではなく細かい刺繍が施されていた。しかも表と裏の両面に。模様は「ふきや」の由来となった植物の「ふき」だ。ふきは地下に茎を伸ばして目立たぬ存在だが、繁殖力が強く長きにわたって命を育む。何気なく通り過ぎると見過ごしてしまうかもしれないが、暖簾というのは宿の象徴でもあり顔でもあるものだ。

ロビー・調度品芸術性の高い調度品がお出迎え

玄関ロビーに敷かれた絨毯の絵柄も、もちろん「ふき」。こちらは建築家の隈研吾デザインによるもので、京都の老舗帯織物に発注した特注品。落ち着いた色彩と継ぎ目のない仕上げが、旅人の心を穏やかにする。そして座り心地の良さそうなソファや椅子が目に入る。北欧・デンマークの著名デザイナーの手による椅子で、家具に詳しい人には垂涎のアイテムだ。実は館内の至るところに、北欧スタイルの椅子が備えられているのだ。さらにアンティーク家具や屏風が、さりげなくあしらわれている。それらの調度品たちは、芸術性が高いものの、決して威圧感や存在感を醸し出すことなく、ふきやで客人をもてなす役割に徹しているように思える。これらは全て現社長の山本一郎氏の目利きによるものだ。若かりし頃、京都の老舗旅館で修行中に磨かれた感性が、経験と熟成を経て昇華している空間がここにある。

部屋凛とした空気がありながら、とても穏やかな客間

20室からなる客室は7つのタイプがあり、そのすべてが数寄屋造りだ。最も広いのは10帖、8帖、広縁8帖、踏込5帖からなる部屋で広さ74m2以上、檜の内風呂が付く。数寄屋造りの客室には凛とした空気がありながら、とても穏やかな心持ちになる。「竿縁天井の縁と畳の縁を揃えるなど、数寄屋の基本を忠実に具現化するだけなんですよ。そうすれば自然に心が落ち着く空間になる。落ち着くには落ち着く理由があるんです」と山本氏は語るが、今の時代にそれを貫き通すことがいかに大変かは想像に難くない。そもそも「数寄屋」の思想は「内面を磨き虚飾を嫌い客をもてなす、という茶人の精神性を受け継ぐ質素ながらも洗練された考え」なのである。社長の山本氏が大切にしているのは、形もさることながら心なのだ。その考えは寝具にも反映されており、旅人が快適に過ごすための労力を惜しむことは決してないのだ。

料理伝統的な和食の技法を守りながら、新しいことに挑戦する献立

新鮮な海の幸と吟味を重ねた四季の素材からなる、月替りの日本料理を目当てに訪れるリピーターも多い。ある日の献立の、ごく一部を紹介しよう。八寸は香箱蟹寿司、あん肝粕漬奈良漬挟み他、お造りはクエ、やがら、ブリ。そして椀物は小鍋仕立てのすっぽん豆腐。料理に詳しい人ならお気づきかもしれないが、食材がとてもバラエティに富んでいるのだ。料理が運ばれてきたら、その器にも注目していただきい。時には「盛り付けをイメージして、それに合う器をつくる」くらいこだわるというから驚きだ。そんなことも含め、会話が弾むこと請け合いの料理なのだ。

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風呂ふきやの風呂へのこだわりは、浴槽につかったときの目線

館内で7つの湯めぐりができる…それだけで温泉好きの心はときめくものだ。3つの貸切風呂と岩造りの露天風呂と内湯からなる男女別の大浴場。大浴場は時間によって男湯と女湯が入れ替えられる。これで7つ。ふきやの風呂へのこだわりは、浴槽につかったときの目線も考えられていることだろう。屋上や三階の露天風呂では自然の懐に抱かれ開放感に浸ることができるし、夜間に運が良ければ満天の星がふりそそぐ中での入浴もできるかもしれない。浴槽の縁に設置する湯まくらは杉丸太製と布製の二種類用意され、妊婦さんやシニア層に好評。湯まくらに頭を載せて体を湯船に沈めると、なぜか「極楽」という言葉が浮かんできた。泉質はナトリウム塩化物硫酸塩水。弱アルカリ性の肌に優しい温泉だ。効能は切り傷、慢性婦人病や慢性皮膚病、さらに病後回復期にも。

部屋からの眺め部屋で過ごす時間を彩るのは湯河原の木々たち

明るい日差しが差し込む南向きの客室からは、緑の稜線を間近に望むことができる。もともと湯河原温泉街の道沿いにあった宿が、高台に移転したのは1974(昭和49)年のこと。部屋で過ごす時間を大事にしたいと思う旅人にとっては、眺望も大事なポイントだ。きめ細かく手入れが施された植林、小さな庭園の木々からも季節を感じることができるし、部屋によっては居ながらにして紅葉狩りが楽しめる部屋もある。

建物や調度品に対する目利きを一つひとつ挙げていくとキリがない。例えば、障子の組子縦框と上下桟の間に縦横に組み込んだ組子の細さ、そしてその木目の美しさ。屋上露天風呂の脇にしつらえた、映り月を愛でるための水盤…。声高に主張こそしないが、心が凪ぐ仕掛けが宿のあちこちに満ちている。

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