中嶋一貴、小林可夢偉、ル・マン24時間を制したTGRドライバー両選手が勝利を報告!
- 筆者: 松田 タクヤ
- カメラマン:松田 タクヤ
悲願のルマン初優勝は、日本人ドライバーが日本車でワンツーフィニッシュ!
2018年6月16日から17日にかけてフランスのサルトサーキットで行われた、第86回ル・マン24時間耐久レース。中嶋 一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソの3人が駆るトヨタ TS050ハイブリッドの8号車が優勝を飾り、小林 可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペスの3人が駆る、同じくトヨタTS050 ハイブリッドの7号車が2位に輝いたた。
トヨタにとって悲願だったル・マンでの初優勝は、自社のマシンを日本人が駆ったうえ、ワンツーフィニッシュまでしてしまうという歴史的快挙を成し遂げたのである。
2018年6月21日、トヨタ東京本社で行われた緊急メディア報告会では、帰国したばかりのTGRドライバー中嶋一貴選手と小林可夢偉選手が参加し、激闘のル・マン24時間を振り返り、その心境を語ってくれた。
終始和やかなムードで、常に笑い声が溢れていた報告会の会場
2017年の失敗をバネにネジの一本から設計を見直したというトヨタTS050ハイブリッド2018年モデルは、予選から素晴らしい走りを見せ、レースを見ている者の多くが優勝を確信するほどだったという。
1位を飾ったトヨタ TS050ハイブリッド8号車ライバーである中嶋一貴選手は、「帰国してから抜け殻のようになっていますけども、今は本当にほっとしたという気持ちでいっぱいです。
僕がWECに参戦を始めてから7回目ですけども、厳しい経験や悔しい思いを何度も味わいました。しかし、それらをやっと”勝利”という形で乗り越えることができて本当に嬉しく思います。
トヨタは今年で20回目のル・マン挑戦となりましたが、今までルマンに関わってきた方や現場のスタッフさんなどからも沢山のメッセージを頂き、本当に大きな目標を達成できたんだなと実感しております。」とコメントした。
1位に続いて2位を飾ったトヨタ TS050ハイブリッド7号車の小林可夢偉選手は、「まず、目標であったトランスフィニッシュができた事に対して、チームに感謝しています。
ルマン24時間は非常に長くて厳しいレースでしたが、楽しい部分もありました。しかし、楽しい反面”楽しんで良いのかな”と思う瀬戸際の感情もあり、そんな思いを行ったり来たりしながら過ごしていたように思います。
そして、実はいま僕は風邪を引いています(笑)僕はレースのシーズン後に風邪を引くことが多いんですけども、レースが終わってすぐ風邪になったのは初めてです。それだけあの24時間レースのために特別な1年間かけ、過ごしてきたんだなと実感しました。」とコメントした。
両選手のトークには会場から度々笑い声があふれ、終始和やかな報告会であった。レースの歴史的としても大きな出来事だった今回のル・マン24時間レースのワンツーフィニッシュを、会場全体が祝っていた。
今回の優勝はゴールではなく、新たな歴史のスタートだ!
報告会の後は、トヨタ自動車社員達を交えた社内報告会が行われた。メディア報告会を終えた後、中嶋一貴選手と小林可夢偉選手がホールに登場すると社員から歓声が沸き上がる。
トヨタ TS050ハイブリッド2017モデル(2018モデルはまだ日本に帰ってきていないとのこと。)の前に立ち勝利を報告した後、社員達との記念撮影が行われた。
TGRのロゴが描かれた小旗を一同が振り、会場はまさにお祭りムード。過酷なレースを制し、トヨタに勝利をもたらした英雄二人の奮闘を社員全員が喜んでいた。
最初のル・マン24時間レース参戦から20回目にして優勝を勝ち取ったトヨタとTGRのチームメンバー。悲願の優勝ということで、ひとまず大きな目標を達成したことになる。
しかし、来年の参戦からは各チームに目を付けられることになるし、TS050ハイブリッドに対抗するためのマシンを用意してくることもあるだろう。
この優勝はゴールではなく新しいスタートの始まりだと言うことを忘れてはいけない。トヨタの挑戦はこれから始まるのだ。
さて、色々書いてしまったがこれだけは言っておきたい。中嶋一貴選手、小林可夢偉選手、そしてトヨタとTGRチームメンバーのみなさん。大きな感動をありがとう。そして、本当におめでとうございます!
[Text/Photo:松田 タクヤ(オートックワン編集部)]
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