2009年上半期ベスト・バイ・カー【国産車】/河村康彦

2009年上半期ベスト・バイ・カー【国産車】/河村康彦
プリウス イメージ プリウス 走行イメージ1 プリウス 走行イメージ2 プリウス イメージ プリウス シフト プリウス インパネ 三菱 i-Miev(アイ・ミーブ) フロントイメージ 三菱 i-Miev(アイ・ミーブ) メーター 三菱 i-Miev(アイ・ミーブ) インパネ 画像ギャラリーはこちら

トータルベストカー/トヨタ プリウス

プリウス イメージ
プリウス シフトプリウス インパネ

内燃機関(エンジン)と電気モーターの両者を積むハイブリッドカーの燃費が優れるのは、エンジンの効率が落ちる運転領域を電気モーターに補完させ、かつこれまで減速時には無駄に捨てていたエネルギーを回収出来るから。

一方で、そんな2種の“原動機”を積むことのデメリットは、主に重量の増加と価格の上昇。

後者を大幅に改善させた新型プリウスが、従来型にも増して「良いとこ採り」という価値を鮮明にしたのは、当然の事だ。

すでに12年に及ぶハイブリッドカーづくりの経験を生かして、燃費改善効果をさらに高めたことも、もちろん新型の売りの一つ。

現実にあらゆるシチュエーションで大幅な燃費低減を実現し、一方でハイブリッドのデメリットを大きく解消した新型プリウスが、このタイトルを獲得する事はもはや必然の成り行きだ。

ベストドライビングカー/トヨタ プリウス

プリウス イメージ
プリウス 走行イメージ1プリウス 走行イメージ2

新型プリウスが誇るべきは、単に優れた燃費性能の実現だけに留まらない。

このモデルが、そのスタートの瞬間から「これまでのエンジン車」とは全く異質なパワーユニットの持ち主として、独特の動力性能を体感させてくれることも、重要なセールスポイント。

スタートの瞬間からしばらくの間は、電気モーターが加速を担当する事による、「極めて滑らかでかつほとんど無音」というテイストは、通常のクルマでは実現不可能なもの。

長年“エンジン車”に慣れた人にとって、この感覚は何とも異次元に溢れ、かつ魅力的だ。

一方で、(17インチ装着車に限られるものの)従来型では不満点だった足腰の“ひ弱さ”が大きく改善されたのも新型では大きなマル。

サーキットに持ち込まないとまるで「宝の持ち腐れ」のGT-R specVよりも、日常シーンで遥かに高い心地良さをもたらしてくれるのがプリウスなのだ。

ベストデザインカー/三菱 i-Miev

三菱 i-Miev(アイ・ミーブ) フロントイメージ
三菱 i-Miev(アイ・ミーブ) メーター三菱 i-Miev(アイ・ミーブ) インパネ

電気自動車だから・・・というポイントを抜きにしても、今回の該当車の中から「ベストデザインは?」と問われれば、迷う事なくコレという事になるのが三菱 i(アイ)。

対前面衝突性能を確保しつつ、フロント・セクションをこれほど短く出来たのは、そのパッケージングがパワーパックを後方にまとめて後輪を駆動する“RR”レイアウトであればこそ。

そして、そんな i(アイ)ならではの特徴は、“電気化”にあたっても功を奏する事になる。前後に分離配置されたバッテリーとモーターを結ぶ太い高圧ケーブルが必要なく、結果として送電ロスや重量増を抑える事に効果を挙げたというからだ。

電動化されたパワーパックが「これからのクルマ」を象徴するものだとしたら、未来的なスタイリングもまさにそんなキャラクターを表現するに相応しい。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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