トヨタ プリウス 試乗レポート/森口将之 編
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:原田淳
同い年のいとこが、僕にナイショで新型プリウスの予約を入れていた。しかもそのあとに「いいクルマなの?」と相談しにきた。おいおい、予約入れる前に聞きにこいよと思ったが、気を悪くしてもいけないし、反射的に「すごくいいよ!」と返してしまった。プロトタイプしか乗ったことがないのに。
だから今回の試乗会はドキドキだったのだが、結果的には自分の予想は間違いじゃなかった。なにしろ静か。電動での発進はもちろん、エンジンが始動してからも音がほとんどしない。排気量アップの効果で、それなりに加速してもユルユル回っているだけ。余裕しゃくしゃくだ。
プロトタイプではバタついていた乗り心地は、別物のように快適になっていた。首都高速でチェックした直進安定性は文句なし。そして燃費はフツーに走ってもリッター25kmを越える。マトモに走るうえに、燃費と静粛性は圧倒的。全国10万人の新型を予約したみなさん、あなたたちの選択は間違っていませんでしたよ。
でもプリウスって運転してもオモシロくないんでしょという人へ。そんなことはない。GT-Rとは違う意味でのドライビングプレジャーがある。エコドライブモニターやバッテリー残量計をにらみながら慎重にアクセルペダルを踏み込み、好燃費をめざすときのマインドは、サーキットでラップタイムを刻んでいる瞬間に限りなく近い。エコランだってモータースポーツなのである。
おまけにプリウスには、GT-RのスペックVに相当するモデルもある。それが「ザ・205万円」のベースグレードLだ。内装の構造を変えたり遮音を簡略化したりしてGやSより40㎏も軽くしたボディに、185/65R15とワンサイズ細い省燃費タイヤを履く。おかげで他のグレードでは旧型と同じリッター35.5kmの10・15モード燃費が38kmになる。つまり「燃費スペシャル」でもあるのだ。
数字だけじゃない。Lは乗り味まで違う。加速ははっきり軽快になり、アクセルを離せばスーッとすべるようにクルージングする。ウインドサーフィンでいい風をつかめたときの感覚。気持ちいいー!遮音材が薄いのでエンジン音はそれなりに聞こえるし、固めの省燃費タイヤは路面の状況を伝えがちだが、それがまたスポーツカーっぽいライブ感を味わわせてくれるのだ。
多くの人は価格表を見て、レザーシートと17インチタイヤを標準装備した最上級グレードがいちばんイイと思うかもしれない。でもこのクルマは、そういう20世紀的な価値観で判断すべきクルマじゃないのでは?と思った。205万円といちばん安く、リッター38kmといちばん燃費もいいベーシックなLが、乗ってもいちばん楽しかったのだから。
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