トヨタ ハイラックスサーフ 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:森山俊一
スタイリッシュ&パワフルな5ドアSUVに一新。メインマーケットは北米だ。
国内におけるSUV市場は月販3000台がトップシェア争いの基準となるが、北米は日米欧のカーメーカーが力を注ぐビックマーケット。旧型ハイラックスサーフも例に漏れず、国内では月販2000台前後というのに、北米では6~7倍にあたる月販1万3000台あまりを販売していた。新型ハイラックスサーフの開発が、北米市場を向いているのはあまりにも当然。そう考えると、タフな大柄ボディの採用や力強いフロントマスクのデザインもうなずける。ずばりライバルは、トレイルブレイザーやチェロキーといったアメ車。国産車に同じ趣向のSUVは見当たらない。販売台数でいえば、エクストレイルとのシェア争いになるだろう。
静粛性の高さは高級車並。車重を感じさせないスムーズな加速感も好印象だ。
パワーユニットはランドクルーザープラドと同じで、3.4LV6ガソリンと2.7L4気筒ガソリン、3.0Lディーゼルターボの3種類が用意される。パワフルで力強い加速が魅力の3.4Lは、あらゆる場面で余裕のクルージングを見せてくれる。力を注いだというだけあって、エンジンの低音は少し残るものの、ロードノイズ、風切り音ともに小さく抑えられていて、静粛性の高さが伺える。ボディは確かにSUVだけれども、エンジンフィーリングはまさに高級車然としている。
2.7Lは、想像に反して約1.8tの車重をものともせず、スムーズな加速感を味わわせてくれた。街中での発進加速は、ちょうどいいパワー&トルクのおかげで3.4Lよりも扱いやすい。非舗装路へ足を運ぶと、ディーゼルターボの乗りやすさが前面に出てくる。低回転域から太いトルクを発生するおかげだ。ミッションはすべて4速ATとの組み合わせとなる。
オフロードの走破性はスポーツSUVそのもの。オンロードの実力も十分に高い。
新型ハイラックスサーフの自慢は、基本の前後トルク配分を40:60に設定した新開発のトルセンLSDだ。用意されたオフロードを走ってみると、とにかく初期のステアリングの応答性がいいことに気がつく。道幅が狭いタイトなコーナーでも、クイッと大柄ボディが向きを変えるのだ。コーナリングの加速時はさらにリヤ寄りにトルクを配分するおかげで、アンダーステアが生じないFR感覚の走りが楽しめる。トレース性の高さもはっきり体感できるはずだ。もちろん前後輪のスリップを感知したときも自動的にトルク配分を行なうから、悪路の走破性も十分に持ち合わせている。路面の凹凸を巧みに吸収するサスペンションにも驚かされた。オンロードでは多少ロール感はあるものの、マイルドな乗り心地を提供してくれる。このクルマの実力は、高いレベルのオールラウンドプレイヤーといっていい。
見逃せないのは、走行中にダイヤルを回すだけでH2・H4・L4が切り替えられるダイヤル切替式のマルチモード4WDを採用したこと。これまでの子機のレバー操作に比べて格段に使いやすくなった。
ミニバンに匹敵する機能と装備が充実。使い勝手の高さは自慢に値する。
スタイルはタフな雰囲気を漂わせるハイラックスサーフだけど、室内はミニバンに優るとも劣らない機能を備えている。まずは、SUVらしからぬ乗り降りのしやすさ。旧型よりもフロア地上高を25mm低くして、シートのヒップポイントにも気を使ったおかげだ。夜間の乗降を考えた照明付のステップも気配りが感じられた。運転席とリモコンで開閉できるリヤウインドゥは、初代から受け継がれているハイラックスサーフの定番装備のひとつ。
注目したいのは後側方補助ミラー。ラゲッジの左右上部に鏡面のプラスチックを取り付けただけだけど、後方の視界がかなり確保できる。オプションのバックモニターとセットで使えば、死角はごく少なくなるだろう。アイデアものは上下2段で使えるダブルデッキ。簡単操作でなおかつ、未使用時はフロアにピッタリ収められるのがうれしい。収納は全部で18カ所に用意。使い勝手の高さが実感できる。
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