トヨタ FJクルーザー デザイナーインタビュー/トヨタデザイン本部 主幹 小川 洋(5/5)

  • 筆者:
  • カメラマン:茂呂幸正/トヨタ自動車株式会社
トヨタ FJクルーザー デザイナーインタビュー/トヨタデザイン本部 主幹 小川 洋
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携帯電話のような感覚で見てもらえるクルマを創りたい

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AO:小川さんの極めて個人的なご意見を伺いたいのですが、「カーデザインとは?」という質問に対し、一言で凝縮した言葉を用いると、どうお答えになりますか?

O:私がカーデザイナーを志したのは大学生の頃でして、その当時は彫刻家を目指していたんです。しかし、ある時期からアーティステックなものより機能性のあるデザインのほうに興味が湧きました。人に使ってもらう物に興味が沸いたんです。そこからクルマに向いて今にいたるのですが、デザインというものは、「動物園のようなもの」かな、という気がしますね。

AO:動物園ですか!

O:たとえばライオンなどの動物を観に行くなら、本来ならアフリカとかへ行かねばならないわけですが、動物園へ行けば誰もが簡単に観ることができますよね。美しい物や使いやすい物としてデザインを楽しんでもらえるクルマを提供して、動物園的に見たり使ったりしていただける物を創り出す。それがカーデザインの面白さだと考えています。

AO:過去のクルマの中で、衝撃を受けたデザインをもつクルマは何ですか?

O:自分がクルマに乗るようになってから、あらためて衝撃を受けたのはセリカXXのフォルムでしたね。ヨタハチも実際に所有しかけたほど好きなクルマのひとつですが、本質的にはスタイリング的にも技術的にも常に先端にいるようなクルマに惹かれます。たとえば、今は自動車評論家をされている前澤義雄さんが日産時代に手がけられてたZ32のフェアレディZはすごく好きなクルマのひとつでした。

AO:デザイナーの立場から、若者のクルマ離れを解消する方法を挙げるとすると、どんなアイデアがありますか?

O:クルマのデザインの世界は、一般的な世間とはかけ離れてしまっていると思います。クルマ業界独自のデザイン観念というか概念というか、ユーザーとの間に何か大きな隔たりがあるのではないかと思うのです。

たとえば内装で「質感が柔らかい」というと、自動車業界的には、触ると表面が1~2ミリほど凹むぐらい、というような感覚ですけど、世間で「柔らかい」といえばフワフワしたという意味ですよね。そこらへんがあまりにも違うのかなと(笑)。コンピュータやモバイル機器、電化製品のデザインはどんどん自由になっていますが、クルマはなかなか自由になりきれない。自動車業界は、もっと世間との垣根をとって、製品を使う側と同じ感覚を持たないといけないと思うのです。

自由な発想をしたものを自由に製品化するための努力がしたいと。若者にとってももっと身近な、たとえば携帯電話のような感覚で見てもらえるようなクルマを創り出すことが大事であるという意識をもって、今後のクルマ創りに挑みたいと思います。

インタビューを終えて

自動車業界側と、世間一般のユーザとの間に存在している、モノの見方の隔たりを指摘した小川氏。自動車メーカー側から、少しでもその垣根を低くできれば、ユーザーが求めるデザインや品質レベルに、もっと近づけるのではないかとも語ってくれた。

それはイコール、若者の自動車回帰にも繋がることを意味し、まずはそんな彼らの必需品であるi-Phoneのような、全てを盛り込めて、且つ楽しめるガジェットこそが、今後の自動車デザインの起爆剤となりうる要素ではないのかと説く。

「欲」は全ての進化において必要不可欠。あらゆるものを手に入れることで、いつか車もガジェットのような持ち運ぶ楽しさを実感できるプロダクトへと変貌を遂げるのだろうか。

そうなるのであれば、死ぬまでに一度目にしておきたいものだ。

小川氏が描くデザインの将来像は、聞いているだけでワクワクしてくる、まさにそんな内容であった。FJクルーザーこそ、そんな進化の一歩をはじめて具体的に表現してくれた車に違いない。

Text:高野博善

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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