トヨタ カローラアクシオ・フィールダー 新型車解説(2015年マイナーチェンジモデル)/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
安全面を考慮するなら「ミリ波レーダー+単眼カメラ」の導入を
カローラアクシオ&フィールダーが採用するのは、「Toyota Safety Sense C」と呼ばれる「赤外線レーザー+単眼カメラ」のタイプだ。衝突の危険が生じると、ブザーとディスプレイの表示でドライバーに注意をうながす。それでも回避操作が行われなかった場合、自動的に緊急ブレーキが作動する。
作動が可能な速度域は時速10~80km。停止車両に対して自車の速度が時速30km以下であれば、衝突を回避できる場合もある。そしてカメラを搭載するので、レーンディパーチャーアラートの機能も持たせた。カメラが路面に引かれた白線を認識して、車線逸脱の危険がある時には警報を発する。
このほかカメラが対向車のヘッドランプを検知して、ハイ/ロービームを自動的に切り替えるオートマチックハイビームなどの機能も備えた。
率直にいえば、これらの安全装備に目新しさはない。今になって装着するなら、高い速度域まで作動して、歩行者の検知機能も持たせた「ミリ波レーダー+単眼カメラ」にして欲しい。カローラアクシオ&フィールダーは1.5リッターエンジン搭載車が売れ筋で、高速道路を使うユーザーも多いからだ。
だが、「赤外線レーザー+単眼カメラ」方式には価格を安く抑えられるメリットがある。
車両価格は、この安全装備を標準装着したカローラアクシオ1.5Gが181万3418円(2WD)だ。非装着だった従来型に比べて11万6275円高いが、今回のマイナーチェンジでは、アイドリングストップの装着などによって燃費性能も向上させたから、値上げをしたものの納得できる範囲に収まるだろう。
マイチェンにより、1.5リッターモデルの重要性が高まる
燃費性能については、2NR-FKE型の1.5リッターエンジンを新搭載している。従来の1NZ型よりも世代が新しく、ヴィッツが搭載する1.3リッターの1NR-FKE型をベースに、行程寸法を10.1mm増して1.5リッター化したと考えれば良い。新型では1.5リッターモデルにアイドリングストップも標準装着された。
新しい1.5リッターエンジンのJC08モード燃費は、カローラアクシオが「23.4km/L」、フィールダーが「23km/L」(両方とも無段変速ATのCVT)。従来型のアイドリングストップをオプション装着した1.5リッターエンジン搭載車は、カローラアクシオが「21.4km/L」、フィールダーが「21.2km/L」だったから、アクシオの場合で2km/Lの向上だ。比率にすれば9%になる。
これにより平成32年度燃費基準に該当。2015年の4/5月から段階的に実施される新しいエコカー減税でも、自動車取得税が60%、自動車重量税が50%軽減される。
またハイブリッドもシステム効率を高めて、JC08モード燃費を向上させた。ハイブリッドはカローラアクシオ、フィールダーともに以前は33km/Lだったが、変更後は「33.8km/L」になる。これにより平成32年度燃費基準プラス20%を達成し、新しいエコカー減税でも免税の対象に入る。
一方、カローラアクシオ1.3XのJC08モード燃費は、以前と同じで「20.6km/L」。1.3リッターの燃費が1.5リッターの「23.4km/L」を下まわる逆転現象になった。カローラフィールダーは1.8リッターも用意するが、このJC08モード燃費も「16.6km/L」だから以前と同じだ。
カローラアクシオ、フィールダーともに、1.5リッターモデルのメリットが従来以上に際立ってきた。
この記事にコメントする