スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ どっちが買い!?徹底比較

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  1. 走らせると楽しくて面白い!農道の“スーパーカー”軽トラックを徹底比較
  2. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|ボディスタイル/サイズ/視界/取りまわし性比較
  3. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|内装のデザイン/質感/操作性/視認性比較
  4. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|居住性比較
  5. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|乗降性比較
  6. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|荷台比較
  7. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|動力性能&エンジンフィーリング比較
  8. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|走行安定性比較
  9. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|乗り心地比較
  10. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|安全装備比較
  11. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|燃費性能比較
  12. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|グレード構成と価格の割安感比較
  13. スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|総合評価/どっちが買い!
  14. 関連記事

走らせると楽しくて面白い!農道の“スーパーカー”軽トラックを徹底比較

運転して楽しいクルマといえばスポーツカーだが、軽トラックも意外に面白い。低燃費と低価格を特徴とする荷物の運搬手段だから、開発する時は運転感覚を考慮していないが、実際に走らせると楽しい。

その理由は、ドライバーが車両との一体感を得やすいからだ。軽トラックは耐久性の高いフレーム構造のボディとサスペンションを備えるが、後部は荷台だけだから、車両重量は大半の車種が800kg以下に収まる。従って運転感覚が軽快だ。

ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は1900mm前後と短く、現行軽トラックは全車の最小回転半径が3.6mに収まる(2WD)。そのためにハンドルを一杯に回して旋回すると、車両がターンテーブルの上で回転しているような感覚になる。これは人が「回れ右」をするのに似ていて、やはり一体感を高める要素となる。

ホイールベースを短く抑えるために、前輪が前席の下に配置されることも一体感の秘訣だ。ハンドルを回すと体が横方向に動きながら旋回状態に入る。加減速でピッチング(車体が前後方向に傾くこと)が生じた時も、体が上下に揺すられて動きが分かりやすい。

このように軽トラックは「人馬一体」の象徴で、運転する醍醐味を味わえる。

車種の数が減少。日本で販売されている軽トラックは実質的にわずか3車種のみ

ただし薄利多売の商品だから、車種の数は以前に比べると大幅に減った。スズキキャリイは、日産/マツダ/三菱にOEM供給されて合計4メーカーが扱う。ダイハツハイゼットトラックは、トヨタとスバルに供給されて3メーカーが売る。そうなると残りの1メーカーは、OEM関係を結ばないホンダで、アクティトラックがある。実質的にわずか3車種だ。

そして2018年5月には、スズキ キャリイが改良を受けてスーパーキャリイを設定した。車内の上側を後方へ460mm張り出させ、標準ボディには装着されない最大40度のリクライニング機能を備える。運転席のスライド量も標準ボディは140mmだが、スーパーキャリイは180mmと長い。

その一方で車内の下側は狭まって標準ボディと同程度だから、下側に位置する荷台の奥行は標準ボディと同様に長い。脚立のような薄型の荷物であれば、長くても積むことが可能だ。逆にコンテナのような箱型の大きな荷物は、標準ボディでないと積載できない。スーパーキャリイは、外観もユーモラスで面白い。

ライバル車のダイハツ ハイゼットトラックは、以前から同様のタイプとしてジャンボを設定していた。2018年5月にはキャリイと同様に改良を受け、緊急自動ブレーキを作動できるスマートアシストIIItを新採用した。

そこで今回はスーパーキャリイXと、ハイゼットトラックジャンボSAIIItを比べてみよう。

>>スーパーキャリイとハイゼットトラックジャンボを画像で見比べる

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|ボディスタイル/サイズ/視界/取りまわし性比較

外観のデザインは、見る人によって印象が異なる。ボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mmで、軽自動車だから等しい。全高も両車ともにハイルーフだから、1885mmで同じ数値になる。最小回転半径まで3.6mで同じだ。

視界は前側と側面は同様だが、真後ろは若干違う。スーパーキャリイの室内空間は、ハイゼットトラックジャンボに比べて上側が大きく後方に張り出すから、ドライバーとリアウィンドウの間隔も広がった。

そのために後方を見た時の視野は、スーパーキャリイが少し狭く、ハイゼットトラックジャンボの方に広がり感が伴う。それでも両車ともに、視界はかなり優れている。

*勝者:ハイゼットトラックジャンボ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|内装のデザイン/質感/操作性/視認性比較

インパネの形状は両車ともに似ている。視認性も同様だが、ハンドルの角度はハイゼットトラックジャンボの方が直立に近付けている。スーパーキャリイは寝ていてトラック的な印象が強い。

質感は同等だが、ハイゼットトラックジャンボには、オプションでカラーパック(2万1600円)を用意した。これを装着すると、外観と併せて内装にもシルバーの装飾などが備わる。

*勝者:ハイゼットトラックジャンボ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|居住性比較

両車の室内空間の前後長を比べると、スーパーキャリイがハイゼットトラックジャンボよりも170mmほど長い。そのためにスーパーキャリイはリクライニングの角度が大きい。運転席の前後スライド量も180mmを確保したから、ハイゼットトラックジャンボを40mm上まわる。

しかしシートの座り心地は、ハイゼットトラックジャンボの圧勝だ。肩まわりのサポート性が良く、座面の奥行寸法も長いから、大腿部をしっかりと支える。居住空間はスーパーキャリイが広いが、快適性は座り心地によってハイゼットトラックジャンボが勝る。

*勝者:ハイゼットトラックジャンボ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|乗降性比較

乗降性はスーパーキャリイが勝る。ドアの開口部の前端と、タイヤが収まるホイールハウスの間に相応の空間が確保され、乗降時に足が通過しやすいからだ。ハイゼットトラックジャンボは少し狭く、乗降時の足の取りまわし性がスーパーキャリイに劣る。

軽トラックは農作業などに多く使われ、短距離移動が中心だから、頻繁に乗り降りを繰り返す。しかも長靴で運転するケースも多い(安全を考えると好ましくないが)。そのために乗降性が重要で、キャリイとスーパーキャリイは重点的に開発した。

*勝者:スーパーキャリイ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|荷台比較

荷台の床面積の広さ、路面から荷台までの高さなどは、両車ともにほぼ同じだ。しかし荷台の上側は、先に述べたとおり車内の長さに余裕のあるスーパーキャリイの張り出しが大きい。

つまりスーパーキャリイは、室内長が広い分だけ、荷室の上側は170mmほど短くなった。

*勝者:ハイゼットトラックジャンボ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|動力性能&エンジンフィーリング比較

動力性能はスーパーキャリイが勝る。実用回転域の駆動力に余裕があるからだ。ハイゼットトラックジャンボは、スーパーキャリイに比べると、アクセルペダルを深く踏み込む機会が多い。

動力性能を見ても、スーパーキャリイは最高出力が50馬力(5700回転)、最大トルクは6.4kg-m(3500回転)となる。 ハイゼットトラックジャンボは53馬力(7200回転)・6.1kg-m(4000回転)だから、スーパーキャリイは頻繁に使う回転域で高いトルクを発生している。

その半面、エンジンノイズはスーパーキャリイが少し耳障りだ。

*勝者:スーパーキャリイ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|走行安定性比較

ハイゼットトラックジャンボは、カーブを曲がったり車線を変更する時に、ボディが少し大きめに傾く。峠道を走ると、旋回軌跡を拡大させやすく、車両の動きが鈍めに感じる。軽トラックは後輪をしっかりと接地させて走行安定性を確保するため、車両の動きは全般的に鈍いが、その中でもハイゼットトラックジャンボは緩慢な部類に入る。

その点でスーパーキャリイは、ハイゼットトラックジャンボに比べれば、運転感覚が機敏だ。ボディの傾き方が小さく、素早い切り返しを強いられた時の揺り返しも抑えられている。

*勝者:スーパーキャリイ

>>スーパーキャリイとハイゼットトラックジャンボを画像で見比べる

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|乗り心地比較

タイヤは両車とも12インチで、指定空気圧は前輪が200kPa、後輪は240kPaで等しい。その上で比べると、乗り心地はハイゼットトラックジャンボが快適だ。

サスペンションの動きが柔軟で、カーブを曲がる時にはボディが大きめに傾くが、乗り心地にリラックス感覚が伴う。スーパーキャリイは硬めに感じられ、路上のデコボコも伝えやすい。

*勝者:ハイゼットトラックジャンボ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|安全装備比較

ハイゼットトラックジャンボは、先に述べたように2018年5月にスマートアシストIIItを採用した。2個のカメラをセンサーに使うことで、時速50kmを上限に、歩行者も検知して緊急自動ブレーキを作動させる。車両に対する衝突防止の警報は、時速100kmが上限だ。カメラを使うので、車線逸脱の警報も可能とする。

スーパーキャリイには、カメラや赤外線レーザーなどを使う緊急自動ブレーキは用意されない。しかし音波センサーは備わり、3m以内の障害物を検知する前後方向の誤発進抑制機能を採用した。前後に障害物がある状態で、DレンジやRレンジにシフトしてアクセルペダルを深く踏み込むと、エンジン出力を自動的に絞って衝突被害を軽減させる。

*勝者:ハイゼットトラックジャンボ

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|燃費性能比較

トルクコンバーターを使ったAT(2WD)のJC08モード燃費は、スーパーキャリイが3速で16.2km/L、ハイゼットトラックジャンボは4速ATで17.4km/Lとなる。

5速MTはスーパーキャリイが18.8km/L、ハイゼットトラックジャンボは少し悪化して18.6km/Lだ。さらにスーパーキャリイには、1組のクラッチを使った有段式ATの5速AGS(オートギヤシフト)も用意され、この数値は19km/Lになる。燃費性能はほぼ互角だ。

*勝者:引き分け

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|グレード構成と価格の割安感比較

スーパーキャリイX(2WD/3速AT)の価格は118万4760円で、オプションのディスチャージヘッドランプ(5万4000円)を加えると123万8760円になる。

ハイゼットトラックジャンボSAIIIt(2WD/4速AT)は、LEDヘッドランプを標準装着して124万7400円だ。価格はほぼ同額と考えて良い。

ただし装備の違いを補正して標準ボディとの価格差を割り出すと、スーパーキャリイは約11万円、ハイゼットトラックジャンボは約6万円で、ボディ後部が拡大される。

*勝者:引き分け

スズキ スーパーキャリイ vs ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ|総合評価/どっちが買い!

スーパーキャリイは、動力性能、カーブを曲がる時の安定性、機敏な運転感覚などが特徴だ。大げさにいえば、スポーティカー風と表現できるだろう。

ハイゼットトラックジャンボは、乗り心地がリラックスできて、シートの座り心地も快適だ。オプションで内装をグレードアップすることもできるから、価値観がセダン風と受け取られた。

つまり両車とも一長一短だが、運転して良いクルマと感じたのは、快適性の高いハイゼットトラックジャンボだった。

ただし外観は、室内空間の上側を大きく拡大したスーパーキャリイの方が、ピックアップトラックに見られるキングキャブとかエクストラキャブ風でカッコイイ。見栄えの好みによっても選択が変わりそうだ。

*勝者:ハイゼットトラックジャンボ

[TEXT:渡辺 陽一郎/PHOTO:和田 清志]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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