米テキサス発「トラック・オブ・ザ・イヤー」の舞台裏(3/3)

米テキサス発「トラック・オブ・ザ・イヤー」の舞台裏
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“ホンネで決まった”栄冠はフォード「F150」、ジープ「グランドチェロキー」に輝く!

10月23日(日)午後、投票結果がeメールで送られてきた。

それによると、「トラック・オブ・テキサス」は、フォード「F150」。

「SUV・オブ・テキサス」は、ジープ「グランドチェロキー」となった。

こうした結果について筆者は、とても納得出来た。

フォード F150ショート

「F150」については、フォードのインハウスブランドSVTのハイパフォーマンスモデル「Raptor」の影響が強い。

こうした特殊モデルはアメリカの場合、どこの自動車メーカーでも年産1000台前後が当たり前のなか、同車は年産1万台を突破する大人気。現在、新車は二ヶ月待ちの状況だ。

6.2リッターV8のハイパワーだけでなく、サスのバランス感が極めて高く、街乗りから超ハードオフロードドライブまでこなす「オールインワン」。

しかも、フル装備の4ドアが55,000ドル(約420万円)とコストパフォーマンスが良い。同車の人気は米国以外でも上昇しており、中近東でもバックオーダー多数。

さらに「F150」では、エコブースト人気に拍車がかかっている。

これは3.5リッターV6ターボ。同車の販売総数のうち、40%弱がエコブースト搭載車になった。同車V8搭載車比で燃費が20%強改善というのがウリだ。

また「グラチェロ」については、メルセデス「ML」との「いとこ関係だ」(クライスラー関係者)。

つまり、ダイムラー・クライスラー(当時)の流れから、アメリカでモノボディという乗用車と同じような車体構成を共用している。そのため、独車的な強靭さがあり、さらにはジープらしいオフロード走行性能が目立った。

特に、急坂でアクセル/ブレーキ共に使用しない「ディセント・コントロール」の効きが、他銘柄と比較してすこぶるスムース。さらにその走行速度が手動で5段階切り替え可能だが、その使い勝手が良い。

アメリカの自動車関連で「○○・オブ・ザ・イヤー」は、大手自動車雑誌が各社単独で発表するものが多い。また、全米各地の自動車ショー主催者が主体で発表するもののなかには、米国自動車関係者の多くが「それはないだろ!?」と首をかしげるような「お手盛り」のケースも多い。

日産エクステラ(インテリア)

だがこのテキサスのイベント。飲めや食えやの度合いも「(票を買収するような露骨さもなく)ほどほど」だし、皆が一斉に同条件で多数モデルを試乗するしで、とても素直な評価が出る。

試乗最終日の夕方、牧場からサンアントニオ空港への帰路、シャトルバスで隣になった老齢の白人の自動車ジャーナリスト。

彼はこの業界ではかなり名の通った人だが、このイベントは初参加だった。

彼と来年、テキサス・オースティンで開催される米F1GPがどうなるか、という件で話した。そして空港ターミナルで別れ際、彼はこう言った。

「長年、こうしたクルマの選考イベントに参加してきたが、ここはいいね。皆、本音だ。楽しそうだし、本気で走っている。だからキチンとした結果も出る」

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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