2011年8月度販売ランキング/松下宏(1/2)
- 筆者:
大幅なマイナスの中で明るい兆しも
2011年8月の新車販売台数は合計で「329,835台」となり、前年に比べ23.4%の減少となった。このうち、登録車は「216,510台」で25.5%の減少、軽自動車は「113,325台」で15.5%の減少だった。
8月も東日本大震災の影響により大幅な減少が続いている。ただし、前年に比べて大きく落ち込んだ理由の一つとして、昨年の8月はエコカー補助金終了に伴う駆け込み需要があった月であり、高い販売実績だったことも影響している。
8月は、前年対比では減少しているものの、一昨年の8月に比べると実は販売台数を伸ばしており、東日本大震災後では初めてのこととなる。これで、やっと明るい兆しが見えてきたといって良いだろう。
また、輸入乗用車の新車販売台数は「19,987台」で前年に比べて1.4%の増加。このうちマーチなど日本メーカーのクルマを除いた海外メーカーの輸入は「15,021台」で前年に比べ7.1%の増加となった。
輸入車は全体に順調といった感じで、1位を「日産」(マーチ)に続いて、フォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、BMWミニとドイツ系メーカー(ブランド)が占める状況は変わらない。
上位メーカーで伸び率が高いのはアウディで、1,645台と前年に比べ35.5%の伸びとなった。
ほかに伸び率だけで見ると、ジープやシボレーが2倍以上伸び、ポルシェが80%以上の増加となったことなどが注目される。
1位~10位:プリウスがダントツの首位
※()内は販売台数
1位:プリウス(24,998)/2位:フィット(16,868)
3位:ワゴンR(12,933)/4位:ムーヴ(11,811)
5位:タント(11,516)/6位:ヴィッツ(10,257)
7位:セレナ(6,628)/8位:アルト(6,579)
9位:カローラ(5,962)/10位:デミオ(5,868)
ブランド別のランキングでは「プリウス」が3ヶ月連続の首位に立ち、7月に続いて唯一2万台を超える販売台数をマークした。トヨタ筋の話によると、2万5,000台弱のうち5,000台ほどがプリウスαで、さらにこのうち1,000台程度が7人乗りの台数だという。
2位の「フィット」は7月に比べてやや台数を落として2万台を割ったものの、3位以下を大きく引き離している。フィットも「フィットシャトル」の台数が上乗せされることで安定した台数を確保している。
そして3位の「ワゴンR」までは前月と変わらない順位だったが、4位の「ムーヴ」と5位の「タント」がヴィッツを上回って順位を上げてきた。6位の「ヴィッツ」までが月間で1万台を超える売れ行きを確保している。
7位には「セレナ」が入り、日産車No.1の座を維持した。
セレナ以外のミニバンはモデルサイクルの関係もあって販売台数を落としているので、ミニバンの中でもセレナが最も良く売れるクルマになっている。
以下、8位が「アルト」9位が「カローラ」10位が「デミオ」の順。デミオは7月に比べると台数や順位を落としたものの、SKYACTIV効果でランキングのトップ10に入る実績を残している。
またデミオでは低価格の安売りグレードではなく、SKYACTIVの販売比率が高いのも特徴だ。
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