上海モーターショー2011 モノマネは終わった!?これからは高級志向の中国市場(1/2)

上海モーターショー2011 モノマネは終わった!?これからは高級志向の中国市場
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なんだか普通になってしまった上海モーターショー

初めての中国体験となった2007年の上海モーターショーに繰り出してから、毎年中国のモーターショーに出掛けている。

2007年の上海モーターショーで目立っていたのは、いわゆる中国民族系メーカーのクルマたち。

見たこともないようなクルマもあれば、どこかで見かけたようなクルマもあるわけなのだが、きちんとライセンス生産されているものなのか、自由気ままなパクリカーと称されるものなのか、区別もつかないほどゴチャ混ぜで、混沌としつつも見ているだけで単純に楽しかった。

その時のいちばんの思い出は、上海のクルマは細長い!ということ。縦横比率がかなり特徴的だ。また車体に「ディーゼルハイブリッド」なんて書いてあっても、中身はドンガラだったりして、まだまだだな~なんていう感じがしたものだ。

海外勢も出展してはいたものの、ワールドプレミアなんて皆無で、あったとしてもアジアプレミア、チャイナプレミア程度。ユニークなのは、中国専用モデルくらいのものだった。

ちなみに中国専用モデルの特徴は、すべてがセダンタイプで、キンキラのメッキが多用されたきらびやか仕様だったり、ロングホイールベースにして威圧感を出したりといったところ。

まだまだクルマは高嶺の花、富の証なんだなぁと、出展車を見ているだけで感じ取れたものだったのだ。

あれから4年。たったの4年である。今回の上海モーターショーで目立っていたのは、ナント海外勢メーカー。

4年前は皆無だったワールドプレミアのお披露目が盛りだくさんで「なんだか普通のモーターショーになっちゃった」というか、新しい建屋も増えて、世界でも大きなショーに数えられるほどの、一大モーターショーになってしまっていた。

逆に中国民族系メーカーは、パクリカーはだいぶ姿を消し、EVやプラグインハイブリッドなんて書いてあるモデルも増えていたが、「あれ!?このモデルは北京で、いや広州で見たような・・・?」というクルマがほとんど。

新しいモデルはあまりなかった。う~む、これはナゼなのか・・・?

今や中国は世界ナンバー1成長率の超ビッグ市場であるからして、海外勢が力を入れるのは納得できる。その勢いに中国民族系メーカーは押されてしまったのか・・・?と一瞬思ったのだが、否。それはここが上海だからだ!と思い直した。

元々上海は、ナンバープレートが入札制で、安いナンバーでも30万円、高いものになると100万円近くする。これに車両代が加わるわけだから、お金持ちしかクルマは買えない。

お金持ちならば、当然ブランドモノが欲しくなるのが世の常である。そう、海外勢のクルマがよく売れている市場なのだ。

さらに上海はマンションに住んでいる人が大多数。お金に余裕ができると、まずクルマ→それからマンションという方が多い。さらなる余裕ができるまでは賃貸マンションでも、引け目を感じることがない地方なのである。とりあえず高級車を買ってしまえ!という人も多いのだ。

逆に北京は一戸建てが多く、まず家→それからクルマという人が多い。

しかし広い中国、少し中心部から離れればクルマが必要不可欠。ナンバーも入札制などではなく一定価格であるからして、とりあえず家を購入して、残りの余裕で実用車を買うという人が多い。

したがって、北京や中国内陸部は中国民族系のクルマがよく売れるなど、ひと口に中国と言っても市場内容がだいぶ違うのである。

とはいえ、この1~3月は「贅沢廃止」政策が次々と打ち出されているにも関わらず、海外勢というか海外合弁会社系のクルマが売れに売れていて、中国民族系のクルマの販売はかなり落ちているようなのだが・・・。

このまま中国民族系会社が黙っているということはないだろう!・・・と、もろもろ考えて「中国民族系メーカーは、市場を合理的に考えて、きっと来年の北京モーターショーに力を入れてくるに違いない!というのが正解ではなかろうか」というのが私の期待も込めた上での結論だ。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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