北京モーターショー2010 現地レポート(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
4/23に開催されたばかりの「北京モーターショー2010」を早くもレポート
もう、誰にも止められない・・・。世界自動車市場は、中国を中心に確実に回り出した。これが今回、北京モーターショー2010を取材した現地での感想だ。
2009年に製造台数でも販売台数でも世界第一位となった中華人民共和国(人口約13億5,000万人)。同国内では、毎年100近い地方自動車モーターショーが開催されている。
さらに、最近では東風日産などが農村部での「出前モーターショー兼即売会」で販売を伸ばしている。中国では「年がら年中モーターショー」なのだ。
日系メーカーはすでにラインナップが充実し「量より質を追う」時代へ
中国市場は創世記を過ぎ、第一次安定成長期に入った。そのなかで日系メーカーは、ラインナップの拡充はある程度終わっていて、これからは販売サービスなどの面を強化していく。
トヨタは、内山田副社長が記者会見に登場。
中国語での挨拶の後、日本語によるコメントの大部分を、中国でのリコール問題に対するこれまでの対処と今後の方針に費やされた。車両としては、「アルファード」「プラド」を中国で初披露。
日産はカルロス・ゴーン会長が登場し、「リーフ」の中国市場での実証試験について、また中国市場へ投入する世界戦略小型車「マーチ」と商用バン「NV200」をお披露目した。
ホンダは伊東社長が登場し、広州汽車との合弁企業「広州ホンダ」が、2011年からの導入を予定している中国市場向けの独自ブランド「理念」の新型コンセプトカーを公開。
同ブランドではこれまで、2ドアスポーツカーとSUVのコンセプトがあるが、今回のモデルはかなり量産車のイメージに近く、実物は「なんとなくシビックっぽい」。今年11月の広州ショーでは、「理念」の量産車第一号が正式発表される。
スズキは、米国市場向けに開発した高級4ドアセダンの「キザシ」を中国でも積極的に販売すると発表。マツダは「マツダ8(日本のMPV)」の発表と、次世代クリーンエンジン「SKY」を紹介した。
三菱自動車は、「ASX」(日本のRVR、米国のアウトランダースポーツ)を発表。さらに光岡自動車が、「大蛇」の中国市場投入を発表して話題を呼んだ。
富裕層に人気のアメ車とドイツ車
日本では想像出来ないほど、中国ではアメ車の人気が高い。
中国とアメリカ、共に広大な大陸を基盤とした生活様式/生活感性があり、「車の好みも似通っている」と指摘する声がある。
会場内のGM(キャデラック/ビュイック/シボレー)、フォード、クライスラー/ダッジのブースには報道陣向け発表日にも関わらず、一般招待客でごった返していた。
コンセプトモデルとしては、5月の上海万博会場内で走行する「En-V」(GMと米セグウェイが共同開発した二人乗り電動車)、フォードは小型クーペ「スタート」を発表した。
ドイツ系ではメルセデスが、中国での低排気量型の中型車リムジンの人気を考慮して「E300L」を世界初公開。さらに、CLSワゴンのような形状のコンセプトモデル「シューティングブレイク」を公開した。
フォルクスワーゲンは、「フェートン」を初公開。フランス系では、東風シトロエン、東風プジョー、東風日産ルノーが基本的に欧州同様のフルラインナップを公開した。
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