自賠責保険が大幅値下げ! そのワケは衝突被害軽減ブレーキの普及とコロナ禍にあった

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クルマを所有する際、必ず支払わなければならないのは、税金と自動車損害賠償責任保険(通称自賠責)だ。自賠責とは、簡単にいえば各々が任意で加入する任意保険に対して、絶対に加入しなければならないいわば強制保険である。じつはこの自賠責が2021年に大幅に値下げを敢行している。じつに3年ぶりのことなのだが、一体その理由はなぜか? これからクルマを購入するひと、あるいは車検を受ける人は必見!

目次[開く][閉じる]
  1. 任意保険と自賠責保険はセットで加入が必須! 相互関係で成り立っていた
  2. 自賠責保険が平均16%減額! 実現できたのは交通事故件数の減少だった
  3. 自賠責が減額の一方で任意保険は値上げへ! そのワケは衝突被害軽減ブレーキの普及にあった

任意保険と自賠責保険はセットで加入が必須! 相互関係で成り立っていた

自賠責とは、先にも述べた通り強制保険と呼ばれている。自賠責保険がカバーする内容は死亡による損害は最高3000万円、後遺障害による損害が最高4000万円、そしてケガなどの傷害に関しては最高120万円までと定めれている。お察しの通り、交通事故の保険金はこの金額では到底賄えないのだった。

そこでプラスして加入するのが任意保険だ。簡単にいうと任意保険は自賠責で賄えない分を補填してくれるイメージである。

たとえばケガを伴う人身事故を起こし、後遺障害による損害額が1億円だとする。その際4000万円分は自賠責で賄い、差額である6000万円を任意保険から支払いが行われるという具合である。要するに自動車を運転あるいは所有する際は、いくら任意といえども任意保険も加入すべきなのだ。

自賠責保険が平均16%減額! 実現できたのは交通事故件数の減少だった

さて、今回の本題である自賠責保険の減額である。自賠責保険の種類は自家用乗用車と軽自動車、バイク、原付と大きく4つに分類されているのだが、2021年4月より平均で16.4%の値下げが敢行されたのだ。先に述べた通り、ここまでの値下げは2017年以来3年ぶりとなる。

なぜ値下げが実現できたのか? それは交通事故の大幅な減少である。

この要因としては衝突被害軽減ブレーキの普及はもちろんなのだが、じつは2020年から世界を脅かしている新型コロナウィルスが大きな引き金となっているのだ。そう、そもそもの長引く自粛生活により交通量そのものが減少し、衝突被害軽減ブレーキの普及も手伝って交通事故が大幅に減少したのだった。

事実、2020年の交通事故発生件数は1948年の統計開始以来、最も少ない交通事故死者数(2019年比で376人減少の2839人)を記録するほどなのだ。

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自賠責が減額の一方で任意保険は値上げへ! そのワケは衝突被害軽減ブレーキの普及にあった

ここまで自賠責保険の減額について触れてきたワケだが、その一方で残念な話もある。そう、任意保険が増額傾向にあるということ。公式には消費税率の引き上げと支払い保険金の増加が挙げられている。だが、筆者個人としては自賠責保険の減額理由にあった衝突被害軽減ブレーキの普及もまた要因ではないかと考える。

どういうことか? 先にも述べた通りそもそも交通事故は大幅に減少している。

だが衝突軽減ブレーキが当たり前になったいま、高級車に限らず軽自動車にすら様々なデバイスやセンサー類が取り付けられており、ちょっとした事故やかすりキズでも高額な修理代が必要となるため、結果として任意保険料金の値上げにつながったというワケだ。

技術の発達により交通事故が減少したことは喜ばしいことである。だが、どうせならば交通事故が減り、保険金を支払う機会が少なくなったのならば、自賠責と同時に任意保険料の減額を検討してほしいところ。これから実現するであろう自動運転社会ではどのような展開となるのか? 先進運転支援技術の急速な発展とともに、この先に行われるであろう保険の補償内容の変化についても注目される!

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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