三菱が超本気! エクリプスクロスは何故ここまで大変身を遂げられたのか? 開発陣に直撃!(1/2)

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2018年にデビューしたエクリプスクロスは19年にディーゼルモデルの追加、さらには20年12月にビッグマイナーチェンジと、たった2年足らず大きく変化を遂げた稀有なモデルだ。今回は新型エクリプスクロスの開発陣に「なぜここまで大きな変化をしたのか?」など気になることを山本シンヤが斬り込む! さらに三菱復活への道筋も聞いてみた!

目次[開く][閉じる]
  1. デビューから2年で大幅改良のワケとは!?ディーゼル廃止は断腸の思いだった
  2. 素直にカッコいい見た目に! 改良前のデザインは不評だったのか……
  3. 若年層にアピール! アウトランダーPHEVとキャラを明確に差別化
  4. ランサーエボリューションほど刺激的ではないが……最強グレード追加の可能性アリ!
  5. “三菱らしさ”をもっと訴求すべし!

今回、お話しを伺ったのは製品開発本部 セグメント・チーフ・ヴィークル・エンジニアの粟野 正浩氏(以下、粟野氏)、商品戦略本部のチーフ・プロダクト・スペシャリストの上野 実氏(以下、上野氏)の2名。どのような思いで、ここまでの改良に踏み切ったのだろうか?

デビューから2年で大幅改良のワケとは!?ディーゼル廃止は断腸の思いだった

山本:エクリプスクロスが日本で発売されてから2年、このタイミングでPHEV追加を含む大幅改良を行なった意図は何でしょう?

上原氏:今回の変更はライフサイクルの中で計画されていたモノでした。エクリプスクロスは弊社の主力モデルですので、新鮮さを常に保っておきたい……と言う想いもあります。

山本:今回の改良でPHEVが追加された一方でディーゼルがモデル落ちしています。とくにディーゼルの発売は1年と非常に短命でしたが、この辺りは元々想定していた? それとも外的要因で変わったのでしょうか?

粟野氏:2015年に発覚したVWのディーゼルエンジン制御に関する違法行為、いわゆるディーゼルゲートに端を発したでディーセルショックが転換期でしたね。そうは言っても欧州ではディーゼルは続くと思っていましたが、ご存じ通り今は電動化の流れが強いです。そんななかで「三菱の強みは何か?」と考えた結果です。

山本:仮にディーゼルショックが無かったら、PHEVは投入していなかった?

粟野氏:そういうワケではないですね。恐らくガソリンターボ、ディーゼルターボ、それに加えて今回のPHEVといった3タイプのパワートレインになっていたと思います。我々もディーゼルが持つ環境性能の良さを考えると残したかったのが本音ですが、欧州市場を意識すると……。ただ、三菱からディーゼルエンジンが消えるワケではありません。

となると注目のデリカD:5の電動化だが、果たして……

山本:個人的にはエクリプスクロスのディーゼルは評価していたので悲しい所ですが、アウトランダーPHEV以降「電動化」に舵を切ると宣言した以上、1台では力不足な感もあったので納得できる部分もあります。となると、今後はデリカD:5もPHEVになる……と言う流れもあながちではないですよね?

二人:(苦笑しながらも)無言……

山本:ガソリン車は継続販売ですよね?

上原氏:価格訴求の面もありますし、まだガソリン車がイイと言う方も多いですね。

>>海外の三菱はディーゼルだらけ! アジアで大ヒット中のクルマを一気見

素直にカッコいい見た目に! 改良前のデザインは不評だったのか……

山本:では話を変えましょう。今回はデザインも大きく変わっていますが、従来モデルは不評だったのでしょうか?

粟野氏:発売後のお客様調査で購入理由の1位は「スタイリング」でした。ただ、リアに関しては好き嫌いが分かれたのも事実です。そこで新型はスポーティから大人な優雅なイメージを持ったデザインに変更しました。

山本:フロントは正常進化ですが、リアはギャランフォルティススポーツバックを思い出しました。個人的には新旧で悩みますが、PHEVのキャラクターを考えると新型のほうが似合っていると感じました。そういえば、新型は全長が140m伸びていますが、その理由は?

上原氏:PHEVシステムを搭載とデザインバランス、そしてラゲッジスペース向上という3つの要因からです。ラゲッジスペースは従来モデルは高さ方向は十分でしたが、奥行き方向が短く見えてしまった反省を活かしています。

山本:そこまで頑張ったのに、パワーバックゲードの設定がないのは残念です。

上原氏:今後の課題とさせてください……。

>>【新旧比較】全然違うじゃん!新旧エクリプスクロスを写真で比較

やっぱり電動化=白!? 内装色にも明るい色を追加したワケとは

山本:ボディカラーはレッドダイヤモンドに続き「ホワイトダイヤモンド」が追加されました。電動車は「白」のイメージですか?

上原氏:そうではなく、日本市場は白の人気が高いためです。三菱にはホワイトだけでも数種類ありますが、今回の新色はダイヤモンドシリーズの第2弾となります。従来モデルはダイヤモンドレッドが人気でしたが、新型はこのホワイトダイヤモンドが好調です。

山本:インテリアはライトグレーが追加されました。僕はデビュー時から「明るい内装色があったほうがいい」とアピールしていたので大歓迎です。要望は高かったですか?

粟野氏:とくに海外からの声が大きかったです。

>>雰囲気まったく違う! 明るい内装のエクリプスクロスを写真えでチェック

若年層にアピール! アウトランダーPHEVとキャラを明確に差別化

山本:ちなみにアウトランダーPHEVとの棲み分けはどのように考えていますか?

粟野氏:アウトランダーはSUVらしくファミリー(=多人数乗車)、エクリプスクロスは若い方、あるいは子育て期が終わった方がターゲットです。加えて、スポーティなキャラクターと価格設定を含め「PHEVを気軽に楽しんでほしい」と言う狙いもあります。

山本:そう言えば、エクリプスクロスPHEVの登場に合わせてアウトランダーPHEVの一番安いグレードが無くなりました。

二人:それは……両車の立ち位置をより明確にするためですね(汗)

山本:基本はアウトランダーPHEVと同じハードですが、乗ると別物……な印象を受けました。やはり電動モデルのほうが味付けやキャラクター分けはしやすいのでしょうか?

粟野氏:PHEVシステム自体はアウトランダーと同じですが制御はエクリプスクロス専用です。基本素性と言う意味では、エクリプスクロスのほうが慣性モーメントの低さと剛性の高いボディを採用していますので、より旋回性能に振った味付けになっています。

>>ドリフトも!?  エクリプスクロスのスゴすぎる姿はコチラ

走行モードの名称が複雑!? 全車で統一してほしい

山本:ドライブモードの違いはアウトランダーPHEVよりも解りやすいと思いますが、モードの説明……とくにターマック/グラベルが一般の人にはピンとこないような気がしました。例えば、ターマック=ハンドリングモード、グラベル=スタビリティモードなどのほうがいいと思いました。※

上原氏:モード名(ターマック/グラベル/スノー)は三菱の伝統でもありますが、今後の課題にさせていただきます。

>>確かに名称が違う! アウトランダーPHEVの走行モードがコレ

※ちなみに山本氏の指摘には、以下のような懸念点があるからだ。

アウトランダーPHEVに設定されている走行モードの名称と、今回のエクリプスクロスPHEVの各名称が異なるため、乗り換えの方などからすると、混乱するのでは? という観点からである。

山本:サーキット試乗時は雨でしたが、ウエットグリップが物足りない印象でした。やはり転がり抵抗重視のセレクトですか?

粟野氏:狙うレベルにもよりますが、一般的なタイヤよりは転がり抵抗が低いモノをセレクトしています。

三菱/エクリプスクロス
三菱 エクリプスクロスカタログを見る
新車価格:
277.3万円465.1万円
中古価格:
138.8万円409.7万円
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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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