ヘッドライトのトレンドはHIDからLEDへ

  • 筆者: 永田 トモオ
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一世を風靡したHIDヘッドライトだが、いまはあまり耳にすることがなくなった。消費電力が低く、制御しやすいLEDヘッドライトへと置き換わってきたのだ。しかしLEDにも実は欠点はある。

目次[開く][閉じる]
  1. HIDヘッドライトが減ってきた理由は?
  2. カスタマイズシーンでもLED化の波が
  3. マイナス面もあるLEDヘッドライト

HIDヘッドライトが減ってきた理由は?

もうすぐHIDがLEDに置き換わる?

何のことかといえば、もちろんクルマのヘッドライトだ。

お気づきだろうか? ひと頃、夜道でずいぶんと幅を効かしていた、青白色のヘッドライトが明らかに減っていることを。青白色のヘッドライトといえばキセノン光、つまりHIDヘッドライト独特の輝きだ。それが、2015年の道路交通法の改正で、ヘッドライトの明るさや装着の基準が厳しくなり、明らかに青く見える白色ヘッドライト光は車検をパスできなくなったのだ。

>>LEDでデザインの自由度が向上[フォトギャラリー]

国産メーカーの純正HIDは、微妙に青みがある程度で概ね問題ないのだが、もろにハマったのが、一部のアフターマーケット製HIDの装着車だ。アフターマーケットでも純正と同等のHIDはあるのだが、純正にはない明るく青白いヘッドライト光が魅力だったわけで、そういったHIDを選んだユーザーが路線変更を迫られたわけだ。

そこで、ちょうどそのころ、実用性を高めてきたのがLEDヘッドライトだ。

世界で初めてLEDヘットライトを純正搭載したクルマは、2007年のレクサスLS。当時のLEDヘッドライトは、ハイテクの象徴的なアイテムで、コスト度外視で作られていた。それから十年以上を経て、生産技術は大幅に進歩して、今や新型車に純正搭載される高性能ヘッドライトは、HIDからLEDに切り替わりつつある。明るさの面では、まだHIDにアドバンテージがあるが、開発が進めばやがて差はなくなるはずだ。

カスタマイズシーンでもLED化の波が

アフターマーケットでも、LEDのヘットライトバルブが発売されていて、もうハロゲンバルブと同じだけのサイズバリエーションが揃っている。交換用LEDバルブは、補助装置をワンボディ化したコンパクトなもので、ハロゲンヘッドライトでも、バルブをただ差し替えるだけで、LEDヘットライトに変えられるのだから有り難い。

HIDバルブは、発光させるために、バラストのような大きな補助装置が必要だ。一方、LEDは機構自体がシンプルだから、システムもとても小さく作れ、LEDバルブも、簡単に取り付けられるようにキット化できた。今は、価格面ではHIDのキットとあまり変わらないが、取り付け工賃がかからないことを考えれば、ハロゲンヘッドライトのユーザーにはとても魅力的。消費電力もHIDよりさらに小さいし、価格がこなれてくればユーザーがLEDに流れるのは想像に難くない。

マイナス面もあるLEDヘッドライト

ただ、そんなLEDヘッドライトにも考えるべきポイントはある。

ひとつは、ヘッドライトの眩しさだ。

最近、LEDヘットライトの白色光が眩しいというハナシをよく耳にする。先にも書いたが、現状のLEDバルブはHIDバルブの明るさを超えてはいない。それでLEDヘットライトが眩しいというのも不思議な話だが、眩しさというのは感覚だ。LEDヘッドライトの明るさは、反射板やレンズの配光で補っている部分も少なくないから、あるいはそういった反射板やレンズの配光が、人にとって不自然に感じられる傾向が強いのかもしれない。その点も含めて、LEDヘッドライトは、まだ十分に洗練されているとはいえないだろう。

そしてもうひとつは、ヘッドライトの発熱量。北国のLED信号機が吹雪で雪まみれになっているニュースには驚いたが、そのくらいLEDの発熱量は小さい。だから、ハロゲンやHIDヘッドライトなら余裕で溶けていた雪も、LEDヘッドライトでは凍結に注意するような場面もあるに違いない。逆に考えると、バルブの熱でプラスチックレンズが焼けにくくもなるわけで、LEDヘットライトは、ちょっとだけシチュエーションを選ぶヘッドライトともいえそうだ。

[筆者:永田 トモオ]

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筆者永田 トモオ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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