走るほどにこの快適な特性は、副産物的に得たのだとわかる。まずはウェット路面、曲がりこむカーブが多くしかもジャンピングスポットのような起伏と不安定な車両姿勢を誘発する路面の繋ぎ目が多い首都高速。そこを不思議なほどの路面への喰い付きとハンドルからの手応えで気持ち良く走れる。しかも警戒しつつ挑む深い水たまりを、優れた排水性とグリップ力で何事もなく走破する性能に驚かされた。これがフォーミュラーEで導き出したトレッドパターンを継承した効果なのだろう。
路面の細かい凹凸を包むように優しく路面に接地する特性。ただグリップするのではなく、そのグリップ力をドライバーにハンドルの手応えを通して正確に伝える味付け。それらにより安心できるのはもちろんのこと、タイヤからまだ余裕あるよ!と語りかけられているようで、首都高速なのにカーブを攻め込みたくなってくる気持ちを抑えるのに苦労した。
- TEXT:五味康隆
- PHOTO:堤 晋一
- Sponsored by 日本ミシュランタイヤ株式会社
メーカーの方から、PILOT SPORT4はスポーツタイヤであり、特に今回はダイナミックグリップを求めたので、快適性はそれほど高くないと思われます。と伺っていたが、まず言わせていただこう。
十分快適だ。しかし、誤解しないでほしい。フワフワとした乗り味を連想する快適とは違う。路面の起伏などは明確にわかるし、大きい凸凹では相応の突き上げもあるのだが、その入力の角が丸く体に優しいうえに、入力された振動が即座に収まる。そのスッキリとした乗り味に対して快適と表現した。