日産 ステージア AR-X 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:小宮岩男
非舗装路の走破性を備えるボルボ クロスカントリー、アウディ オールロードがライバルだ。
最低地上高を40mmあげ、18インチのオールシーズンタイヤを履くAR-X FOURは、SUVのテイストを加味したステージアの新グレード。専用のフロントバンパー、オーバーフェンダー、シルプロテクターを装着することでタフなイメージを演出しているが、実際にはオフロード走行での石跳ねなどからボディを守るのが狙いだ。
ブラック/タンの2トーンのインテリアはAR-Xだけに与えられたカラー。シリーズで最も高い356万円の価格に設定されているだけあって質感の高さが伺える。このクルマに選ばれたエンジンは、V6らしい気持ちいい吹き上がりが身上の2.5Lターボ。加速感は滑らかで、奏でるターボ音ほど唐突に過給は行なわれない。206kwのハイパワーの割には扱いやすさを持ち合わせているのだ。ただしラフなアクセル操作に対しては、反応が良すぎるのかギクシャク感を伴う。
スノーシンクロモード付アテーサE-TS、ビスカス4WD、電動スーパーハイキャスを組み込む足回りは、基本的にはマルチリンクらしいしなやかなフットワークを見せてくれる。けれどもコーナリング速度を上げると、ヒラヒラ舞うような不安定感が生じてしまうのだ。非舗装路でも路面に対する接地感が薄い。おそらく強めの制御と運転している人の感性が合わないのだろう。もう少しサスの粘り感とステアリングの手応えが伝われば、乗りやすさが得られる気がする。
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