コンチネンタル「スポーツコンタクト6」海外試乗レポート/桂伸一(2/2)

  • 筆者: 桂 伸一
  • カメラマン:コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン株式会社
コンチネンタル「スポーツコンタクト6」海外試乗レポート/桂伸一
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前モデルからの著しい性能向上に期待が膨らむ

さて、従来の「SC5」(コンチスポーツコンタクト5)には、SLS AMGを始めとしたAMG各モデルに装着されたパフォーマンス(Performance)を意味する「SC5P」(コンチスポーツコンタクト5P)があり、「SC6」は新開発故にそれを上回る性能を持たせた。

当初はSC5の後継だと思っていたのだが、実はSC5Pの後継がSC6である。果たして、SC5Pからどれだけの性能向上を遂げたのか。

コンチネンタル スポーツコンタクト6 国際試乗会

レーダーチャートを見て、まず驚いた。速度域は350km/h(!!)の超高速走行に耐える事が承認されている。

性能はSC5Pを100%とした場合、ステアリングの正確性が114%、ドライハンドリング111%、ハイスピード110%、耐摩耗性107%、静粛性107%、ハンドリング限界性能104%、ウエット性能102%と、すべての項目でSC6が上回っている。

勿論そこを狙って開発したのだが、ここまで全体の性能に差があると試乗でも挙動の違いが如実に表れるハズで、走行前から期待に胸が膨らむ。

フロントとリアで「同時に曲げる」ことにより究極に速いコーナリング性能を生む

コンチネンタル スポーツコンタクト6 国際試乗会

ワンランク上の性能を持ったSC6の最大の武器は、ドライでもウエットでもグリップレベルが高い事。コンパウンドは路面のミクロの凹凸に入り込み、密着して加減速と旋回、ウエットでも最大限のグリップ力を発生する。

コーナリングは、横力に対する耐久性を最大に得るため、センターリブとインナーショルダーを強化。

アウターは大きなショルダーブロックが横力を受けると外側ブロックが変形して縦溝を塞ぎ、内側ブロックに当り、支えて連結し大きく強固なブロック剛性から究極に速いコーナリング性能を生む。

コンチネンタル スポーツコンタクト6 国際試乗会

ともかくSC6のステア操作に対する正確さときたら、スリックタイヤにも似たコーナリングの始まり方をする。

それは、直進の安定性はステアリングを抑えるだけで良く、ステア操作する速度と舵角に対して実に忠実に、いや、応答し始めると少しオーバーシュートする感覚でクルマを曲げる。つまり、リアからも旋回する力を示しているのだ。

FRレイアウトの車輌は、例えば「メルセデス・ベンツ Sクラス」が展示車として存在し、前後でショルダーの形状が違うことを発見。

これは、前輪をステアすることで発生するCF(コーナリングフォース=曲げるための力)に対し後輪は遅れて発生する、その“ズレ”を無くすため。前輪はラウンドショルダーで穏やかに応答させ、後輪はズレ・応答遅れを無くす意味でシャープに立ち上がるスクエアショルダーで、いわば前後で「同時に曲げる」。

そのものは体験できないが、旋回性能が速度に関係なく異様な曲がりを示す事でそれを実感した。

一般的なスポーツラジアルとは一線を画す、まるでスリックタイヤのような特性

コンチネンタル スポーツコンタクト6 国際試乗会

テストコースは、ニュルブルクリンクを模したと言われている4.2キロの「ビルスターベルグ」を区切られて実施された。

まずはハンドリングコースをハイパーCセグ4WDターボ車で駆け抜けるため(ESCはOFF)、どのコーナーも完全にクルマとタイヤの素性で走行する。

無理なアクションを与えてどうかも見る必要があるために、敢えてオーバースピードでコーナーへ進入。アンダーステアを覚悟するが、思うより先にステア操作だけで姿勢は変わり、スキール音など一切出ない無言に驚く。

「SC5P」の感触に似てはいるが、コーナリングが始まった瞬間に強い横剛性で曲げに入る感覚は、パターン付きスポーツラジアルの限界とは遥かに違う、スリックタイヤの特性に似る。

コンチネンタル スポーツコンタクト6 国際試乗会コンチネンタル スポーツコンタクト6 国際試乗会にて、桂伸一氏

ハイスピードコースでケイマンSに乗る頃には、天候の変化で路面は完全ウエットに。一日でドライとウエット両方が味わえる“幸運”。おそらくテスト部隊はウエットの事は頭に無かったようで、この状況で、どこでも110km/hでスラロームして違いを見極めろという。

ここでは応答が過敏過ぎるステア特性の「EVO1」、ウエットグリップに勝る「EVO2」と「SC6」の3つを比較試乗したが、もちろんここはバランスに勝るSC6が安定して落ち着きをみせる。さらに速度を増しても平気と思わせてしまう“懐の深さ”がコンチネンタルらしい。路面に対する接地感の高さは、このウエット路面でも確実に手応えとして感じられた。

今回はサーキットのみの試乗であったが、2016年に日本上陸を果したところで一般公道での乗り味を含むトータル性能を検証したい。いや、その前にシビック・タイプR(OE純正装着)で先に試乗できるかも!?

ともかく、日本の路面でどうか!実に楽しみである。

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桂 伸一
筆者桂 伸一

1982年より雑誌「OPTION」誌編集部員からレーシングドライバーに転身!!92~93年はR32 GT-RでN1(現スーパー)耐久シリーズチャンピオン。近年はドイツ・ニュルブルクリンクで開催される24時間レースに、アストンマーティン・ワークスカーのドライバーとして参戦。2度の優勝を飾る。日本ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カーオブザイヤー(COTY)選考委員、ワールドカーアワード(W-COTY)選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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