【試乗】マクラーレン 650S 海外試乗レポート/大谷達也(1/2)

  • 筆者: 大谷 達也
  • カメラマン:マクラーレン・オートモーティブ
【試乗】マクラーレン 650S 海外試乗レポート/大谷達也
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1年に1車種のニューモデル発表

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「マクラーレン 650S」は、新生マクラーレン・オートモーティブにとって4モデル目にあたる作品だ。

なぜ、いまわざわざ“新生”と断ったかといえば、名門F1チーム“マクラーレン”直系の自動車メーカーであるマクラーレン・オートモーティブ(当初はマクラーレン・カーズ)は、天才F1デザイナーとして知られるゴードン・マーレイの発案でいまから20年以上も前に誕生し、現在も名作として誉れ高い「マクラーレン F1」を世に送り出した後、F1チームのマクラーレンがメルセデスのワークスチームとなった縁で「メルセデス・ベンツ SLRマクラーレン」を開発。

このSLRは、様々なバリエーションを生み出しながら、メルセデスとの関係が解消される2009年まで生産が続けられた。

メルセデスの“縛り”から解き放たれたマクラーレンは、2011年に新作ロードカーの MP4-12Cを発表。スーパースポーツカーの新機軸として世界中にファンを生み出すことになるのだが、これと同時に彼らが公約したのが「今後は1年に1車種はニューモデルを発表する」というものだった。

これに従い、2012年にはMP4-12Cのコンバーチブル版である「MP4-12C スパイダー」を発表。続く2013年にはハイブリッドシステムで武装したウルトラ・スーパースポーツカーのP1を誕生させたのだが、この「P1」は価格が1億円ほどするにもかかわらず、世界限定の375台はまたたく間に完売。いまもキャンセル待ちの長いウエイティングリストがあるほどの好評を博しているという。

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クーペとスパイダーが同時発売

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2014年、マクラーレンは650Sを発表し、4年目を迎えてもこの公約を守り続けた。しかも、今回はクーペとスパイダーを同時に発売するという“大技”を披露したのである。

V型8気筒 3.8Lツインターボエンジンの最高出力が650psであることがモデル名の由来となった650S(最後のSはスポーツの意味)は、基本コンポーネンツの多くを MP4-12Cと共用しながら、P1の開発を通じて得た様々なノウハウと、 MP4-12Cを購入した顧客から寄せられたフィードバックをもとに企画と開発が行われたという。

最高出力が MP4-12Cの625psから650psに引き上げられたことは前述のとおりだが、デュアルクラッチ方式を採用する7段セミATも基本は同一ながら制御系にふたつのテクノロジーが新たに投入されている。

マクラーレン 650Sスパイダー
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ひとつは“シリンダーカット”と呼ばれるもの。これは3段階に切り替えられるパワートレーンのスポーツ・モードもしくはトラック・モードを選び、エンジン回転数:2500rpm以上、もしくはスロットル開度:70%のときに機能するもので、シフトアップ時に8気筒のうちの2気筒の点火を瞬間的にカット。すると、次の瞬間にパンッという小気味よい音が響き、ドライバーのスポーツマインドをかき立てるというシステムだ。

もうひとつの“イナーシャープッシュ”はトラック・モードを選び、エンジン回転数が5000rpm以上でスロットル開度が60%以上のときに作動する。このシステムはシフトアップ時のクラッチの圧着力を通常より強めに設定することで、シフトした直後のグンッと後ろから押し出されるような感覚を強調したもの。これは、ハイブリッドシステムでアシストすることによりシフト時のフィーリングを改善したP1のギアボックスにヒントを得たもので、シリンダーカット同様、実際のスピード以上にドライバーの感覚に作用するシステムといっていい。

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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